海外視察“旅費183万円”…ビジネス席に格上げで前回の6倍に 「財政難」富山・高岡市【もっと知りたい!】(2023年9月27日)
富山県高岡市の市長らが来月予定しているアメリカ訪問の旅費が波紋を広げています。ビジネスクラスを利用することで、旅費が1人あたり“183万円”に上り問題視されています。
■財政難も…海外視察の総額“1100万円”
市民:「もったいないお金の使い方」「税金を納める者として、納得できない」
疑問の声を上げる市民。その理由は、議員の海外視察を巡る騒動です。
なぜ“エコノミークラス”から、格上げして“ビジネスクラス”なのか、角田悠紀市長(40)のアメリカ訪問を巡って、批判の声が上がっています。
飛行機の座席がビジネスクラスに格上げされ、税金を使う旅費が前回の6倍にもアップしたというのです。
問題の舞台は、富山県高岡市。角田市長ら6人が、来月9日から予定しているアメリカ訪問です。
高岡市は、インディアナ州のフォートウェーン市と46年前から姉妹都市となり、友好関係を深めてきました。
前回訪問した11年前は、当時の市長を含め15人が参加。全員がエコノミークラスを利用し、旅費は一人あたり31万円。訪問にかかわる費用の総額は472万円でした。
しかし、今回は人数が6人に減ったものの、市長や市議会議長など4人の座席がビジネスクラスへ格上げに。その結果、旅費は1人あたり183万円と、前回の6倍にアップ。総額は1100万円にはね上がりました。
この飛行機の座席格上げを巡っては、先週の高岡市議会でも取り上げられる事態になりました。
高岡市 石須大雄市議:「ビジネスクラスを利用することに、市民の理解が得られるとは到底思えない」「人数を絞ったと聞いたが、逆にビジネスクラスを利用するために人数を絞ったのではないかとも思える」
26日に番組は、議会で市長を質した石須市議に話を聞きました。
石須市議:「ただでさえ高岡市は財政難で、市民サービスを削り、不便をかけている。経費節減と言っている首長が、経費節減するわけではなく、ビジネスクラスに乗って行く。これはおかしい」
高岡市は、新幹線の駅前開発を巡る過度な投資があだとなり、2017年、40億円の財源不足が発覚。財政難を理由に、コミュニティーバスの廃止など、相次いで市民サービスを切り詰める事態に陥っています。
おととし、38歳の若さを前面に打ち出して、市民目線の財政再建などを訴えて当選したのが角田市長でした。
角田市長:「皆さん、きょうがスタートなんです。きょうから高岡は変わるんです」
今回浮上した、ビジネスクラスの利用問題は、市民には寝耳に水だったようです。
市民:「ずっと高岡市はお金がないと言って、公共施設も削減されて、お金がない状態なのに、そういうところにお金を使うのは、市民としてはちょっと…」
■市長「ビジネスのため」 議長「相談ない」
一部から批判も出ている今回のアメリカ訪問。なぜ、ビジネスクラスなのでしょうか。市長に直接、話を聞きました。
角田市長:「11年前と比較されると、エコノミーだったのが『なんでビジネスなんですか?』となるが、そもそも入口が違う。今回、遊びに行くわけではなく、ビジネスであると思っている」
前回11年前のアメリカ訪問が一般市民を軸にした文化交流だったのに対し、今回は経済交流の促進を狙った、戦略的な交渉を行うためのいわばビジネスだと強調した角田市長。
12時間を超えるフライト時間を考慮し、万全の体調で臨むため、ビジネスクラスを使うことを決めたといいます。
角田市長:「どんなふうに時差(の影響)が出るか、自分自身分からない。備えという部分、公務に支障が出ないように自分でできる体調管理は、あの手この手でやっていきたい」
一方、ビジネスクラスで渡米する4人のうちの一人、市議会の中川加津代議長はこう話します。
中川議長:「飛行機の座席については、私にこれまでに何か相談があったわけではないので、非常に申し上げづらい」
先週話題に上るまで、座席がビジネスクラスだとは知らなかったといいます。
中川議長:「生活に負担など、不安を持っていらっしゃる方々の声は当然、真摯に受け止めていかなければいけないと思っている。向こうでどういう仕事ができるのか、責任の大きさを感じている」
(「グッド!モーニング」2023年9月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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