新庄ビッグボスも「牛乳飲んで」・・・再び“生乳大量廃棄”の恐れ(2022年3月29日)

新庄ビッグボスも「牛乳飲んで」・・・再び“生乳大量廃棄”の恐れ(2022年3月29日)

新庄ビッグボスも「牛乳飲んで」・・・再び“生乳大量廃棄”の恐れ(2022年3月29日)

 牛乳が再びピンチです。春休みで学校の給食などがなくなり、年末に続いて、生乳の大量廃棄の恐れが出てきています。

■新庄ビッグボスも「飲んで」

 日本ハム監督・BIGBOSS:「北海道の牛乳、世界一。うまっ。朝、昼、晩、晩といける。もう一杯!」

 北海道日本ハムファイターズの“ビッグボス”こと、新庄剛志監督が豪快な飲みっぷりでアピールしたのは、「牛乳」です。

 日本ハム監督・BIGBOSS:「(酪農に携わる皆様へ)北海道の牛乳の味を、世界にどんどん広めてもらいたいし、たくさんの方に飲んでもらいたいんで、これからもよろしくお願いします」

 球団の公式ユーチューブで公開された、この動画。ビッグボスが、牛乳のPRに一役買ったのは、またしても牛乳の原料となる生乳が余り、廃棄される恐れが浮上しているためです。

■SOS「4月が生産ピーク」

 「生乳大量廃棄の危機」は、去年12月にも起きたばかりです。

 岸田文雄総理大臣:「生乳の大量廃棄を防ぐため、特に需要が減少する年末年始に、牛乳をいつもより1杯多く飲んで頂く」

 新型コロナウイルスの流行で、外食産業の需要が減少。それに加えて、冬休みで学校給食がないため、およそ5000トンの生乳が廃棄される恐れがあるとして、国を挙げて、牛乳の消費を訴えました。

 そうした効果もあり、今年1月、農林水産省は「生乳廃棄は回避できた」と発表しました。

 金子原二郎農林水産大臣:「協力の輪が拡大したことによって、破棄状況が起こってない。ご協力は、ありがたいと思います」

 しかし、それからわずか2カ月半、生乳の大量廃棄の危機が、またも起きました。

 今度は、春休みやゴールデンウィークで学校給食の需要が少なくなるうえに、4月から5月は生乳の生産のピークにあたるため供給過剰となり、再び廃棄の可能性が浮上しているというのです。

 高木牧場・高木輝博代表:「せっかく牛を健康に保って、良い牛乳を出荷しようと思っているが、(廃棄する)状況になったら、かなり悲しい気持ちになります」

■森永乳業 園児に“無償提供”

 生乳廃棄を回避するため、企業側からも様々な取り組みが行われています。

 セブン-イレブンでは、プライベートブランドの牛乳を28日から1週間、20円引きで販売しています。

 森永乳業は、首都圏132カ所の幼稚園や保育園の園児3万人に、パック牛乳の無償提供を行いました。

 牛乳をもらった園児:「うれしい」

■きっかけは“バター不足”

 春休みシーズンに、またしても起きた生乳の大量廃棄の危機。なぜ再び、供給過剰は起きたのでしょうか?

 高木牧場・高木輝博代表:「2014年、15年くらいから、牛をどんどん増やしましょうと」

 事の発端は、8年前に起きた“バター不足”。天候不順などが原因で生産が滞り、スーパーの店頭からもバターが消える事態となりました。

 高木牧場・高木輝博代表:「当時は『足りない、足りない』と言われて、うちでも牛の改良と、出荷する乳量を増やすように心掛けました」

 これをきっかけに、官民一体となって生乳の生産拡大を進め、前年比1%から3%程度の増産を目標に掲げてきました。

 そうしたなかで発生した、新型コロナウイルスの流行。増産したにもかかわらず、飲食店からの需要が急激に減り、供給過剰となっているのです。

■解決策は?「中国へ輸出も」

 国内需要の増減に翻弄(ほんろう)される酪農家。専門家は、現在の農業政策に、根本的な問題があると指摘します。

 キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹:「一番の問題は、国内の市場だけで、需要と供給を考えていることなんです」

 価格競争や検疫の課題はありますが、問題解決の一手になりうるという「牛乳の輸出」。なかでも、拡大する中国市場への輸出がカギを握ると話します。

 キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹:「九州からすぐ横にいけば、もう上海なんです。生乳を上海に持っていって、上海でパッキングするということも十分可能。酪農政策を大転換しなければいけない」

(「グッド!モーニング」2022年3月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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