“ウッドショック”侵攻で加速・・・木材価格さらに高騰(2022年3月29日)
新型コロナウイルスの流行以降、木材の価格が高騰しています。さらに、ウクライナ情勢が重なって、“ウッドショック”に歯止めが掛からない状況です。
■競り参加業者「1年分の材料を確保」
木材を扱う市場で行われていたのは、ロシア産の木材を巡る争奪戦です。
一本一本の太さはありませんが、しっかりと目が詰まり、真っすぐで使い勝手が良いのが、ロシア産木材の特徴だといいます。
丸宇木材市売株式会社 大栄浜市場・白熊正章営業部長:「普段1つしか買わない人が、2つ買ったり、3つ買ったりと。そういう人が多くなってきていますね」
中には、1年先の分まで確保する業者もいます。
競りに参加した業者:「先の受注を見越して、1年分の材料は確保しておいたほうがいいだろうということで、手当てはしました」
供給不足で木材の価格が高騰し、“ウッドショック”の様相を呈しています。背景にあるのは、やはり、ロシアによるウクライナ侵攻です。
一條ランバー株式会社 一條達雄代表取締役:「“紛争木材”という言葉があるのですが、要は紛争地域から木材を持ってくることに(森林管理機関が)反対する」
さらに、ロシアは、経済制裁を行う日本などの「非友好国」に対し、一部の木材や木材製品の輸出を停止すると発表。ロシア産木材は一層、入ってきづらくなることが予想されています。
日本のロシアからの木材輸入額は、全体の6%。しかし、世界のおよそ2割の森林を有するロシアからの木材の入手が困難になれば、世界全体で需給が逼迫(ひっぱく)し、日本も価格高騰のあおりを受ける恐れがあります。
■夢のマイホームに暗雲・・・木材費2倍
すでに“ウッドショック”の影響は、日本の住宅現場にも及んでいます。
都内に一軒家を建てる男性:「タイミング悪かったなと思いますね」
神奈川県に住む男性は、結婚を機に、都内で延べ床面積およそ100平方メートルの一軒家を建てようと、工務店と打ち合わせの真っ最中です。
都内に一軒家を建てる男性:「今、木材はロシアに頼っているみたいで、ロシアから来る木材価格がかなり高騰するだろうと」
新型コロナの流行以降、リフォーム需要などで、木材費が高騰。今年1月の見積りでは、コロナ前のおよそ2倍、420万円となっていました。
これにロシア発の“ウッドショック”が加われば、木材費はさらに上がる可能性があり、そうなれば、プラン変更も考えざるを得ません。
都内に一軒家を建てる男性:「(追加費用が)300万、400万、500万とかに上がっちゃうと、何を諦めるのか、家の面積を小さくするとか」
■打開策は?「国産木材」の活用提案
この“ウッドショック”の“Wパンチ”を乗り切るためにはどうすればいいのでしょうか?専門家は、これまで「高い」とされてきた「国産木材」の活用を提案します。
住宅ジャーナリスト・榊淳司氏:「今や、国産材は高くないんですよ。見た目には、国産材のほうが木目がきれいといいますか、見た目が美しいんですね。もっと日本の家づくりに国産材を使いましょうよと、私は思います」
(「グッド!モーニング」2022年3月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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