【ガザ救急車車列に空爆】ハマス拠点を攻撃“民間犠牲”拡大の懸念は◆日曜スクープ◆(2023年11月5日)
激しい戦闘が続くパレスチナ・ガザ地区について、イスラエル軍のハガリ報道官は3日、ガザ市を「陸・海・空」から完全に包囲したと明らかにした。ロイター通信は1日、イスラエルが大規模な全面戦争でなく、主要道路を遮断して、ゆっくりと進撃する「遅い攻撃」を選択したと報じた。包囲された北部には現在、約30~40万人の民間人がいると見られる。イスラエル軍は1日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」との衝突が始まった先月7日以降、ガザ地区のテロ組織に所属する1万1000カ所以上の標的を破壊したと発表した。米ニューヨーク・タイムズ紙は2日、米軍の特殊作戦軍が運用する無人機「MQ-9リーパー」が10月28日から11月2日かけて、ガザ上空を周回し、ハマスに連行された人質を捜索していることを報じた。中東地域に戦火拡大の懸念が広がる。米シンクタンク・戦争研究所は2日、レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」を含むイランを支援する過激派が、10月7日のイスラエル北部へ28回の攻撃を実施していたことを指摘した。
イスラエル軍は3日、ガザ地区で最大規模の「シファ病院」の入口付近で、救急車の車列を空爆した。この攻撃で民間人13人が死亡した。イスラエル軍は「多数のハマスのテロ工作員を殺害した」と声明を出し、ハマスがテロ工作員と武器は、救急車で運んでいたことを示す情報を入手したと主張した。ガザ保健当局は、攻撃された救急車は、負傷した民間人をエジプトに搬送中であったことを主張する。ハマスとイスラエルの衝突により、ガザ北部のインドネシア病院とアル・クッズ病院も攻撃を受けていた。負傷者を搬送するガザ地区の救急車を標的に攻撃したことで、イスラエルに対する国際的な非難が高まる可能性がある。米CNNによると、イスラエル軍は10月31日、11月1日、3日の3日間で、ガザ地区北部で人口が密集する「ジャバリア難民キャンプ」を空爆した。ハマスは3日間の攻撃で195人が死亡したと発表した。国連は4日、イスラエル軍とハマスの戦闘による民間人の死者が9000人を超えたことを明らかにした。
ブリンケン米国務長官は3日、ハマスと交戦を続けるイスラエルを再訪し、ネタニヤフ首相らと会談した。イスラエル軍によるガザ地区での地上作戦の激化で民間の死傷者が激増している状況から、ブリンケン氏は、民間人の保護と人質解放に向けた取り組みを理由に、ハマスとの戦闘の一時中断をネタニヤフ首相に求めた。これに対して、ネタニヤフ首相は会談後に、「人質解放まで戦闘中断を拒否する」と声明を発表した。CNNは4日、米国当局者の情報として、「イスラエル軍が数日以内に航空作戦の規模を縮小し、より戦術的な地上作戦に重点を置く可能性がある」と報じた。
★ゲスト:江崎智絵(防衛大学校准教授)、黒井文太郎(軍事ジャーナリスト)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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