“練炭28個”住職殺害か 男女2人を逮捕 霊園を管理…その素顔(2023年10月9日)
自殺に見せ掛けたとみられる殺人事件。住職の男性が練炭で殺害されました。逮捕されたのはこの寺の霊園を管理する男女2人。被害男性との間に何があったのでしょうか。
■霊園を管理する男女2人を逮捕
車に乗り込もうとする男。
近所の人:「あいさつしてもスッと家に入るような」
そして、ごみ出しをする女。
石材店社長の齋藤竜太容疑者(50)と役員の青木淳子容疑者(63)が取引先の寺の住職を練炭を使って殺害した疑いで逮捕されました。
事件が起きたのは7月23日。東京・足立区にある「源証寺」で、住職の大谷忍昌さん(当時70)が寺の敷地内の地下にある納骨堂を訪れた時でした。
朝になり、大谷さんは納骨の準備のため地下へ。そこで異変に気付きます。「練炭がある」と言って妻を呼び、大谷さんは再び納骨堂の中へ。そこで一酸化炭素中毒で倒れたといいます。捜査関係者によりますと、納骨堂に置かれた練炭は28個あったといいます。
■専門家「1~2分で記憶失って」
この異様な状況について、専門家は…。
元東京消防庁 麻布消防署長 坂口隆夫さん:「通常1%の濃度で1、2分で死に至る。28個の練炭が置かれていたということであれば1%の濃度は超えていたと思う。数秒で意識を失ってしまう」
「無色・無臭」で、気付かないうちに頭痛・吐き気・耳鳴りなどの中毒症状を起こし、死に至るともいわれる一酸化炭素中毒。納骨堂の中の様子について、隣に住む檀家(だんか)は…。
檀家の男性:「ここしか入り口がない。換気扇付いていないって言っていたから」
換気扇がなかったとすれば、どれほど危険な状態だったのでしょうか。
元東京消防庁 麻布消防署長 坂口隆夫さん:「相当の高濃度の一酸化炭素が部屋の中に充満していた。まともに吸ってしまえば数秒で倒れてしまう、命を落としてしまう。それだけの量が出たんだろうなと思いますね」
■ガソリンも用意 トラブルは?
さらに、寺の焼却炉ではガソリンが入ったペットボトルが十数本見つかりました。これについて坂口氏は…。
元東京消防庁 麻布消防署長 坂口隆夫さん:「それに火が付けば爆発的に燃え上がる。場合によっては、焼却炉という空間ですから小さな爆発が起きる可能性もあります」
容疑者は事前にガソリンを複数の店舗で数日に分けて購入していたといいます。
元東京消防庁 麻布消防署長 坂口隆夫さん:「火を付けたら、ボンと爆発的に燃えます。それが中に何本も入っていたということは、これは当然、危害を加える目的で入れたんだろうと思う」
警視庁は、練炭以外でも大谷さんを殺す準備をしていた可能性もあるとみています。では、大谷さんとの間にあったトラブルとは。
■霊園の運営でトラブル? 動機は
事件が起きた「源証寺」は500年ほど昔、室町時代の創建と伝われている歴史ある寺で、住職の大谷さんについて近所は…。
檀家:「話す時ニコニコ笑っている。普段は感じの良い人」
近隣住民:「突然なのでびっくりしました」
事件があった当初、檀家の人たちも不思議に思っていたといいます。
檀家:「練炭の話とか自殺じゃないとか、なんでお寺のものじゃない練炭があるんだろうって思う」「(Q.寺の奥様もうちの練炭じゃないと?)そう言っていましたね」
練炭自殺に見せ掛けた殺人事件なのか。警視庁は防犯カメラの捜査などから事件前日の7月22日の深夜に容疑者2人が練炭とガソリンを仕込んでいたとみて2人を逮捕しました。
8日、齋藤容疑者が使用していたとみられる倉庫の家宅捜索が行われました。齋藤容疑者について、近所の人は…。
近隣住民:「『おはようございます』とか、あいさつしてみたこともあったが、何も返ってこないので、あまり人と関わりたくない印象がある」
捜査関係者や会社のホームページによると、齋藤容疑者が社長を務めていた「鵠祥堂」は主に首都圏の寺院や霊園の開発や管理業務を行っていて、「源証寺」では数年前から霊園の管理などを担当していたといいます。
捜査関係者によると、住職と2人の容疑者の間には霊園の運営方針を巡り、トラブルがあったということです。容疑者側は寺の霊園を“宗派不問で売り出したい”。一方、大谷さんは“在来仏教徒じゃないと駄目”などと話していたそうです。
警視庁はこれまで2人の認否を明らかにしていません。2人は大谷さんの日頃の行動を把握して練炭を置いたとみて捜査を続けています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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