【報ステ】「ブーム終わらせない」河村勇輝選手に聞く 今後の目標と日本バスケの未来(2023年9月4日)
歴史に一歩を刻んだバスケットボール男子日本代表『アカツキジャパン』。これからも、その歩みは続いていきます。ワールドカップで大活躍を見せた、日本の若き司令塔・河村勇輝選手(22)と共に激闘を振り返ります。
(Q.振り返ってみてどうですか)
河村選手:「2日明けてみても、自分たちが目標としていたオリンピック出場権を獲得できたことがうれしいです。改めて皆さんの応援があって、大きな目標を達成できたと感じています」
(Q.河村選手のスピードは、世界に通用するという自信になりましたか)
河村選手:「僕の強みはクイックネスやスピードを生かしたプレーだと思うので、そこが通用しなければ、世界でやっていけないと思っていたので、そこは自信を持ってプレーしていました」
(Q.シュートを放った瞬間に入るかどうか分かるものですか)
河村選手:「ある程度は分かるようになってます」
(Q.最終戦カーボベルデとの試合後、渡邊雄太選手に最後のボールを渡していましたが、どんな思いでしたか)
河村選手:「このワールドカップにかける思いは、計り知れないものを渡邊選手が持っていたと思うので、勝利した瞬間、ボールは僕ではなく、渡邊選手に持っていてほしいなという気持ちがありました」
(Q.そのボールは相手チームに持っていかれてしまいました。あの時、気付いていましたか)
河村選手:「知らないです」
(Q.唯一のNBAプレイヤー・渡邊選手の存在は、チームにとって大きかったですか)
河村選手:「技術もそうですけど、精神的支柱になってチームを鼓舞し続けてくれたりとか、劣勢な時間のなかでも常にリーダーシップを発揮してもらっていたので、本当に素晴らしい存在だと思います」
(Q.渡邊選手は今回『オリンピック出場できなかったら、代表を引退する』と退路を絶っていました。その言葉は大きかったですか)
河村選手:「絶対、引退させたくないっていう。雄太さんは日本にとって本当に大切な存在なので、チーム一丸となって、そういった気持ちで戦っていました」
(Q.誰かがスーパースターというより、皆がチームとして一体となっている感じは、自身でも感じていましたか)
河村選手:「感じていました。1対1では、海外のチームと比べて劣るので、5対5、12体12、チームで勝つというのは、気持ちとしてありました」
(Q.スリーポイント決めまくる同世代・富永啓生選手のパフォーマンスを見て笑みを浮かべていましたが、どう感じましたか)
河村選手:「彼らしいなと思いますね。僕はそういうのできないので」
(Q.代表合宿では、富永選手とずっと一緒にいたということですが、改めてどういう存在ですか)
河村選手:「チームとして、僕もそうですし、富永選手も最年少ということで、若さやフレッシュさでチームを勢いづかせることできれば良いなという気持ちがありました。オフコートでもオンコートでも、常に一緒にいました」
(Q.オフコートではいじり合ったりしますか)
河村選手:「しますね。バスケのことも話しますし、22歳らしいというか、大学4年生らしい話もします。美味しいご飯の話だったり」
(Q.富永選手は以前のインタビューで、代表合宿中、『お風呂から上がってからが遅い』というクレームを言っていましたね。河村選手は『今後、直したい』と言っていましたが直りましたか)
河村選手:「直ってなくて。お風呂は自分のペースで入るからこそリラックスできると思っているので。そこは我慢してほしいなと」
(Q.トム・ホーバスHCが檄を飛ばすシーンが印象的でした。檄を受けて怖さもありましたか)
河村選手:「もちろん怖さもあります」
(Q.ホーバスHCのような指導を、今まで受けたことはありますか)
河村選手:「試合中だったり、本当に面と向かってアドバイス・指導をしていただくことは、熱量的なところで言えばあまりなかったかなと思います」
(Q.ホーバスHCとの出会いで、自分が変わったと思う所はありますか)
河村選手:「世界で戦っていくためには何が必要なのかっていうのを、トムさんに合宿中ずっと教えてもらっていたので。トムさんに出会わなければ、ワールドカップのチャンスもなかったと思うし、本当に感謝したいと思います」
(Q.ホーバスHCはよく『信じろ』と言います。この言葉をどういう意味だと解釈していますか)
河村選手:「日本チームは海外チーム以上に、早くから合流して、大きな目標に対して練習してきたという大きな自信があるので。その練習は絶対、試合につながるというのは、本当に分かったと思うし、自分たちを信じなければ、誰も信じてくれないというのは、本当にあると思いました。言葉の力も含めて『信じる』という言葉をよく使っていました」
(Q.今大会を振り返って、一番印象に残っている選手は誰ですか)
河村選手:「ドイツのデニス・シュルーダー選手(29)。NBAでも活躍されてる選手です。もちろん身体能力もあるんですけど、常にゲームの流れを把握している、最善なプレーをしてくるっていうイメージがありますね。世界トップのポイントガードとの差はすごくあるなと感じました。ただ、この試合を通じて、逆にやれることもあるなと思いましたし、その後の試合で自信になった部分もたくさんあったと思います」
(Q.常に最善のプレーができるポイントガードということですが、どういう所に違いがあるのでしょうか)
河村選手:「チームメイトの5人だけではなくて、日本の5人の場所、コートにいる10人をちゃんと把握している。それってすごく難しいことなんで、それをコンマ何秒でしっかり判断してプレーされていると思いました」
(Q.河村選手と言えば“ノールックパス”も印象的です。試合中どう見えていますか)
河村選手:「ノールックパス自体は、相手をだますためにやるプレーなので、ノールックパスをする時は、絶対にパスができるという確証があったうえでやるようにしています。パスする瞬間は見てないです。パスをする前に見てます。視野が広いかどうかは分かんないですけど。全体として把握するのもそうですし、チームメイトとの信頼関係。自分がドライブしたら、走ってくれるよねっていう信頼関係があってのパスが多いかなって思います」
(Q.コート内の色んな所を見ているがゆえにかは分かりませんが、河村選手はバスで移動する際、カーテンを必ず閉めるといいます。理由は『車酔いする』ということですが、これはどういうことですか)
河村選手:「動いているものを見てしまう感覚が強くて、前を見ていても横にある車が敏感に入ってきちゃって、酔っちゃうっていう。職業病かなって思います」
(Q.NBAでプレイしたい気持ちはありますか)
河村選手:「バスケット選手だったら誰しもが憧れる場所だと、僕は思ってます。チャンスがあれば行きたいという気持ちはあるんですけど、着実にステップアップしていかないと、NBAはすごく難しい大変な舞台だと分かっているので、自分ができる最善のことを、毎日毎日着実に、日々努力していきたいと思っています」
(Q.日本サッカーでは、Jリーグができてすそ野が広がって、海外に移籍する選手も増えてきて、ワールドカップでも常連になりました。サッカー日本代表の姿は意識されますか)
河村選手:「日本バスケットボール界が発展するため、強くなるためには、サッカー界をお手本というか、真似していかないといけない部分はあったりすると思います」
(Q.日本流の強さで世界に通用するために、大事なポイントは何だと思いますか)
河村選手:「トムさんもよく仰ったんですけど、自分たちを信じること。それが一番大事だと僕は思っています。もちろん海外の選手の方が能力や身長も大きい。そういった遺伝だけではない部分もたくさんあると思うんですけど、日本人には和だったり協調する心があると思っています。特に団体スポーツ、バスケットボールで言えば、和・協調する力は今後のバスケットボール界においても大事になってくると思います」
(Q.今後の決意を聞かせてもらえますか)
河村選手:「今回のワールドカップで、国民の皆さん、バスケットファンのみならず、たくさんの方に注目していただいて、応援してもらって、本当に僕たちの支えになりました。ここでの盛り上げ、ブームというものを終わらせることなく、特に日本代表の選手たちは、自分たちのチームに戻った時に最大限、プレーで恩返しすることであったり、次はパリオリンピックで結果を残すことが、世界中に日本のバスケットボールが強くなったと証明できる大会になるんじゃないかと思っています。1年後、その舞台に立てるように、僕も日々がんばりたいなと思っています」
(Q.パリオリンピックの目標は何ですか)
河村選手:「そこはトムさんとも話してたんですけど『目標は簡単に決めれるもんじゃない』と仰っていました。でも、本当に高いレベルでバスケをしないといけないというのは分かっていることなので。今自分ができることを最大限やっていきたいなと思ってます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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