高橋一生さん 野田秀樹さん語るAIと人間 「忘れられない記憶」「不条理」に挑む【news23】|TBS NEWS DIG
新作舞台公演中の高橋一生さん・野田秀樹さんに小川キャスターがインタビュー。
お二人から普段はあまり聞けないニュースのテーマなどたっぷりとお話を伺うことができました。
■「コロナから戻った舞台」から見えるもの
東京・池袋にある東京芸術劇場。舞台に立つのは今もっとも旬な俳優たちです。
その舞台を率いているのは、劇作家・野田秀樹さん。
東京大学在学中に立ち上げた「劇団 夢の遊眠社」は、1日に2万6400人もの観客を集めた超人気劇団。その後立ち上げた「NODA・MAP」も不動の人気を誇ってきました。
今回、新作舞台公演中の高橋一生さんと野田秀樹さんが、news23の単独インタビューに応じました。
小川彩佳キャスター「公演が始まってから12日ぐらい経ったところですよね。どんな感触ですか?」
野田秀樹さん「お客さんの反応は、とてもいいというか、いいと簡単に言えないんですけど。終わったときに『うーん』というような。劇場が戻ってきたなって感じはします。コロナの3年間を超えて」
小川キャスター「やはりコロナ禍を経て、マスクをしていらっしゃらないお客様もいらっしゃって…」
野田さん「そう。かなりお客さんがマスクを外して」
高橋一生さん「何日目かぐらいでそんな話してましたよね。野田さんと」
野田さん「なんかちょっと違うと思った。こちらからお客さんの表情が見えるんだっていう」
高橋さん「歯が見えるんですよ。それはちょっと嬉しいってことではあった」
野田さん「そうね。この辺(頬のあたり)の表情とかもずいぶん違うからね」
高橋さん「忘れちゃってたんでしょうね。そういえばこんな感じだったっていうのは感じましたね、今回の公演で」
野田さん「コロナで、汗だとか、唾とかは一番嫌われた部分。(コロナは)演劇を潰すために出てきたようなあれだったので…(笑)そこから戻ってきたな」
■「忘れてはいけない不条理」に向き合う
多彩な俳優陣が毎回話題となる「NODA・MAP」の作品。
その特徴と言えるのが、終盤に向かうにつれ明らかになっていく“隠れたストーリー”です。
2021年、高橋一生さんが初めて出演した「フェイクスピア」では、1985年に起きた日航機墜落事故で発見されたコックピットの音声がベースとなっています。
そして今回、2年ぶりとなる最新作のタイトルは、「兎、波を走る」。
高橋一生さんが演じるのは「兎」。松たか子さん演じる「母親」が、迷子になった多部未華子さん演じる、娘の「アリス」を探します。
「不思議の国のアリス」のような世界から始まるこの舞台では、実際に起きた“ある事件”をベースに、「なんともいたたまれない不条理」が描かれているといいます。
小川キャスター「近年の野田さんの舞台作品のテーマ、大きなテーマとなっているのが『忘れてはならないことにくさびを打つ』ということだと思うんですけれども、今回の作品でもそれが如実に表れていた」
野田さん「自分は1955年生まれなので、自分が生きてきて感じて、ずっと引っかかっているものっていうのだけは、舞台として残しておきたい。そういうような感じですね。だから“くさび”というほどのものではない。もっと個人的である気がします。今度の作品は、一つの“不条理な出来事”を取り扱っていますが、“母親というテーマ”が自分の中にあって。そこで非常にリンクしたというか、過去の不条理な出来事を届けたいというか、そういうことですかね」
“忘れてはならない”と感じてきた出来事を伝えてきた舞台。
一方で、いま野田さんが危惧するのは「忘れられるスピード」と「AIの存在」です。
■AIで“均一化する”社会の怖さ “消される記憶”にあらがう
野田さん「今のあらゆる情報の多さなのか、今回AIとかの話もちょっと出てきますけど、どんどん“速度と量の問題”。AIなんてまさにそうで、とにかく早いものがいいわけで、そして量をこなせるということが、速度と量だけになっていってるので、やはり忘れるとかそういうことの質ですかね。そういうものは何か置いてかれてるような気がするんですよね」
小川キャスター「高橋さんはどうですか?そんな思いは共有されるところですか?」
高橋さん「僕もAIのある意味、脅威というものはすごく感じていましたね。AIが人間化していくことなんていうのは、別に僕は怖くないと思っていて。一番怖いのは、多くの意識が、多くの意識を持ってる人間っていうものが、均一の思考とか、均一の思想になっていってしまうことは、(AIが)自由に人間をコントロールできる可能性は全然あって。顔が見えないわけですから、もしかしたらAIかもしれないわけですよね。たくさんの『いいね』とか、それこそバズってるものって」
小川キャスター「そうですね、作られてしまう」
野田さん「まあ、あんなの簡単だろうね」
高橋さん「そう。それだけ情報操作は簡単にできるんだろうと。(『いいね』を)もらうことで、これが幸せなんだってなっていくこと、これが面白いんだってなっていくことに、みんなが合わせていってしまうことの恐ろ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230720-6098525)
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