【ノーカット】天皇皇后両陛下(皇太子さま 小和田雅子さん)の婚約会見 1993年 「常に雅子さんのことが念頭に 何回となく宮内庁に申し入れ」【映像記録 news archive】

【ノーカット】天皇皇后両陛下(皇太子さま 小和田雅子さん)の婚約会見 1993年 「常に雅子さんのことが念頭に 何回となく宮内庁に申し入れ」【映像記録 news archive】

【ノーカット】天皇皇后両陛下(皇太子さま 小和田雅子さん)の婚約会見 1993年 「常に雅子さんのことが念頭に 何回となく宮内庁に申し入れ」【映像記録 news archive】

1993年1月19日、皇室会議を経てご婚約が正式に決まった現在の天皇皇后両陛下、当時の皇太子殿下(32)と小和田雅子さん(29)。
ご結婚に向けた心境や、出会いからのこの日に至るまでの経緯を率直に語られた東宮仮御所での記者会見をノーカットで公開します

00:00
Q.皇室会議を終えた現在の心境は?

皇太子さま)
今日の皇室会議でもって、婚姻が正式に内定し、わたくしとしては大変嬉しく思っております。
この間、温かく見守ってくださった方々に対して心からお礼を申し上げたいと思います。

また、わたくしからの申し出を受けてくれた雅子さんに対しても、心から感謝したいと思っております。
これからは二人で力を合わせてさまざまな務めを果たしていきたいと思っております。

雅子さん)
これから、大きな責任をお引き受けすることになるわけでございますから、身の引き締まる思いがいたします。
その一方で、このように多くの方々に祝福いただいていることを大変幸せに思いますとともに、ここにわたくしをお導きくださった皇太子殿下をはじめ、他に、さまざまな形でこれまでお力をお貸しくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいでございます。

01:18
Q.プロポーズの時期と場所とお言葉は?その返事と時期と言葉は?

皇太子さま)
10月3日、千葉県の鴨場で雅子さんに「わたくしと結婚していただけますか?」というようなことを申しました。
そのときの応えは、はっきりとしたものではなかったわけですけれども、その後12月の12日にこの仮御所に来ていただいて、そこでもって「わたくしからのお申し出を受けていただけますか?」というふうに申しまして、そしてそれを受けていただいたというわけであります。

雅子さん)
そのとき、12月12日ですが、わたくしからはまず殿下に、「本当にわたくしでよろしいでしょうか?」というふうに伺いました。
そしてそれに対して殿下が、「はい。そうです」というふうにお答えくださいましたので、少し長くなりますけれども、わたくしの方から次のように申しました。

「わたくしがもし、殿下のお力になれるのであれば謹んでお受けしたいと存じます。これまで、殿下にはいろいろ大変幸せに思えること、嬉しいと思えるようなことも言っていただきましたので、その殿下のお言葉を信じて、これから二人でやっていけたらと思います」
「お受けいたしますからには殿下にお幸せになっていただけるように、そしてわたくし自身も自分でいい人生だったと振り返れるような人生にできるように努力したいと思いますので、至らないところも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」このように申しました。

03:26
Q.プロポーズの後いったん固辞したと聞いているが心の葛藤は?

雅子さん)
わたくしがご辞退申し上げたことがあるかどうかということについて、いまわたくしの方から申し上げるのは差し控えたいと思いますが、確かに、わたくしは外務省で大変やりがいのある仕事をさせていただいておりましたので、その仕事を辞めるべきかどうかということについて、だいぶ悩んだことはございました。
ですから、この新しい決心をするまでに充分に考える時間が必要だったということだと思います。

04:17
Q.初めて会ったときと5年ぶりに再会したときの印象は?どこに惹かれ合った?

皇太子さま)
いちばん最初にお会いしたのはちょうど昭和61年のスペインのエレナ王女が来られて、当時の東宮御所でもってレセプションが行われて、その席でもって会ったわけですけれども、その際非常に強い、良い印象を受けました。
まず、非常に控えめでいらっしゃるのだけれども、自分の思っていることをはっきりとおっしゃって、それでいて、非常に聡明であるということ。
それからあと、なにか話題にも非常に共通性があって、お互いに心が通じ合う。そういう感じを強く持ちました。
したがって、非常に話していて楽しい人、というのがまず、最初の印象であったわけですけれども。

それから5年ぶりに、また会うことができまして、そのときは、最初に会ったときに持った良い印象というものは同じようなものであったわけですけれども、外交官として非常に大切な仕事をしているせいか、人間として一回りも二回りも大きくなったような感じがして、非常に嬉しく思ったわけです。

雅子さん)
わたくしはやはり、最初にお目にかかった時は大変緊張しおりまして、緊張してご挨拶申し上げたのですが、そのあとはなにか意外なほど話が合ったといいますか、話が弾んだということを覚えております。
ですから、そのときわたくしが受けました印象は、とても気さくでかつすごく配慮のある方だということでございました。

5年ぶりに去年の夏、お目にかかったときには、やはり楽しくお話をすることができました。
その時点では殿下のお気持ちというのは伺っておりましたので、内心正直なところ複雑な心境でございました。

わたくしが殿下のどういうところに惹かれたかということを申し上げますと、まず、ご自身が大変お苦しいときでも、ほかの人の苦しみについてまず先に考えられるような、そういう大変に思いやりの深い方でいらっしゃるというところ。
それに、大変忍耐強く根気強くいらっしゃるというところ。
こう言ってはちょっと失礼かもしれませんが、とても人間のできた方でいらっしゃるということで本当に敬服いたしました。
あとは、ご趣味とかご交際が大変広くていらっしゃって、心の豊かなかたでいらっしゃるということでございます。

07:40
Q.外交官の職を捨てることに悔いはない?皇室入りを決意させたものは?

雅子さん)
これまで6年近く務めておりました外務省を去ることに、寂しさを感じないと申しましたらそれは嘘になると思います。
外務省では大変やりがいのある仕事もさせていただいておりましたし、大変学ぶべきところの多い尊敬すべき先輩や同僚にも恵まれて、とても充実した勤務でございました。

でも、昨年の秋、わたくしは本当にいろいろと考えた結果、いまわたくしの果たすべき役割というのは、殿下からのお申し出をお受けして、この皇室という新しい道で自分を役立てることなのではないかとそのように考えましたので、そして決心したしたわけですから、今、悔いというものはございません。

その考えている過程で、殿下からはわたくしの心を打つような言葉をいくつかいただきました。
その一つは11月の後半だったと思いますけれども、わたくしに対して「皇室に入られるということにはいろいろな不安や心配がおありでしょうけれども、雅子さんのことは僕が一生全力でお守りしますから」というふうにおっしゃってくださいました。

そして、さらには12月の初めだったと思いますが、わたくしに対して「どうぞ充分お考えになってください」とおっしゃられて、ご自身も「大変悩んだ時期がありました」とおっしゃられたので、わたくしが「なにをお悩みになられたのですか?」というふうに伺いましたら、「僕としては雅子さんに皇室にぜひとも来ていただきたいというふうにずっと、思っているけれども、本当に雅子さんのことを幸せにして差し上げられるのだろうかということを悩みました」ということを言われました。

そのような皇太子殿下の真摯な、大変誠実なお言葉をいただいて、そういうお気持ちをわたくしとして大変幸せに思うことができましたので、「わたくしにできることでしたら、殿下のことを幸せにして差し上げたい」というふうに思った次第でございます。

その間、両陛下からのお言葉ということでございますけれども、殿下からは、わたくしがもしお受けすることになったら、両陛下も温かくお迎えするとおっしゃってくださっているということでございましたので、それは、わたくしにとって大変大きな励みではございましたが、直接一部でいわれているように、直接皇后さまからわたくしにお気持ちをお伝えになられたとかそういうことはございませんでした。

皇太子さま)
その点に関してちょっとわたくしからも申し上げたいと思うのですけれども、わたしの場合も両陛下に、特に陛下には折りに触れていろいろご相談して参りましたけれども、皇后陛下の方はこの結婚問題が始まった頃から、この件に関してはすべて当事者であるわたくしとそれから関係者に任せておられまして、それでご自身としては皇太子妃という立場を了承して、そしてこちらに来て下さる方に対するお心を砕いておられたわけです。
ですから、わたくしがこの結論に達する前に皇后陛下の方が特定な人に対して、それを否定したり、それから支持されたりということは一切ありませんでした。
それは今回の雅子さんの場合も全く同じなわけです。

皇后陛下としては、あくまでもわたくしが選んだ人を心から受け入れるというお気持ちを終始貫いてくださいました。
今回の結婚に至ることを振り返ってみましても、両陛下がこの件をすべてわたくしに任せて、そして信頼してくださって。
そして、ご自身は温かくわたくしたちを見守って、そして長い年月を共に耐えてくださったということで、わたくしはそのことに対して心から感謝したいと思っております。

12:52
Q.どのような家庭を築いていきたいか?お子さまは何人くらい希望か?

皇太子さま)
まず、最初の質問についてですけれども、わたくし自身この幸せな家庭に育った経験を持つものとして、安らぎのある明るい家庭を築いていきたいというふうに思っております。
安らぎのある家庭というのはわたくしたちがこれから様々な公務をつくしていく上でも、また、次代の子どもたちにとっても非常に大切なものではないかというふうに思っております。
それからまた、これから先、二人でもってさまざまなことをお互い学び合って、共に高め合っていくということもぜひやってみたいというふうに思っております。

雅子さん)
基本的には殿下のおっしゃる通りでございますけれども、わたくしの言葉でひと言付け加えさせていただければ、愛情に満ちた温かい家庭ということだと思います。
特に、苦しいときや辛いことがあったときにお互いを労わり合って、助け合っていくことができるような家庭にできればというふうに思っております。

皇太子さま)
次の質問についてですけれども、まぁこれはコウノトリのご機嫌に任せてというふうに申し上げておきましょう。

雅子さん)
実はその質問については多分出るでしょうということで、一昨日お目にかかったときにだいぶ相談をしていたのですが、二人で答えが出ませんで、わたくし殿下にお任せすると申し上げたのです。
ただ、ひとつだけ、これだけはおっしゃらないでくださいと言ったことがありまして、それは、殿下は大変音楽がお好きでいらっしゃるのですけれども、「家族でオーケストラが作れるような子どもの数」というようなことは、おっしゃらないでくださいねとは申しました。

15:13
Q.ご交際が中断したときの皇太子さまのお気持ちは?

皇太子さま)
この件に関しまして、チッソの問題もあって宮内庁の方でも慎重論が出ておりまして、一時は中断することもやむを得ない状況ということになってしまいました。
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