「KAZU1」船内など調査に国費8億円超 官民一体で不明12人捜索(2022年5月3日)
北海道の知床で観光船が沈没した事故について、調査船「新日丸」が事故の全容解明に向けて日本屈指の技術で調査にあたります。
水深約120メートルの海底に沈んだ観光船「KAZU1」。
海上保安庁などが持っていない海難救助の高度な技術を有する民間の船やダイバーが今、知床沖合を目指して進みを早めています。
官民一体で続けられる捜索。残る12人の発見に大きな役割が期待されます。
「知床遊覧船」や桂田精一社長の関係先などへ家宅捜索が入る一方、現場の海域では3日も行方不明者捜しが行われています。
海上保安庁は船内に取り残された可能性がある乗客乗員12人を見つけるために民間の専門業者と契約。
費用は8億7700万円に上ることが分かり、全額を国が負担するそうです。
斉藤国土交通大臣:「船体については行方不明者の捜索、事故原因の究明、再発防止策の検討といった観点から民間事業者の専門的な技術を活用しつつ、国交省の総力を挙げて引き上げに向けた準備を開始して下さい」
今回、契約した海難救助などを行う企業「日本サルヴェージ」は、「ROV」と呼ばれる遠隔で海底の映像を見られる高性能機材を積んだ調査船「新日丸」を現場海域へ派遣。
新日丸はかつて、海底に眠り続ける戦艦「大和」撮影の際に水深350メートルでの作業に従事。
また、今年3月に石川県で起きた航空自衛隊「F15戦闘機」の墜落事故でも機体の部品を陸揚げするなどしました。
新日丸は北海道知床沖からの要請を受けて2日、鹿児島を出航。
さらに、水深300メートルまでのダイバーによる潜水作業を可能にする「飽和潜水装置」を積んだ多目的作業台船「海進」と海難救助船「早潮丸」も捜索に加わります。
経験豊富な“海のエキスパート”が集まり、自衛隊や海上保安庁とも協力して安否が分からない人の早期発見を目指すとしています。
関係者によりますと、「新日丸」「海進」「早潮丸」それぞれの到着後、潜水は今月中旬ごろになる見込みだということです。
※「KAZU1(ワン)」は正しくはローマ数字
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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