“ご当地サーモン”全国から注文殺到 ウクライナ危機・急激円安の影響で・・・(2022年4月21日)

“ご当地サーモン”全国から注文殺到 ウクライナ危機・急激円安の影響で・・・(2022年4月21日)

“ご当地サーモン”全国から注文殺到 ウクライナ危機・急激円安の影響で・・・(2022年4月21日)

 ウクライナ危機や円安の影響で、供給が不安定になっている「サーモン」。その代わりとして、国内で開発された“ご当地サーモン”に注文が殺到しています。

■山梨「甲斐サーモンレッド」

 “海なし県”の山梨にある養殖場。ここで育てられているのが、「甲斐サーモンレッド」です。

 いけすから姿を現したのは、丸々と太ったご当地サーモン・甲斐サーモンレッド。大型のニジマスに、ブドウの搾りかすを餌(えさ)に混ぜて与えるなどして、身の色を赤くした魚で、生で食べることができます。

 今、このご当地サーモンへの注文が殺到しているのです。

 山口養鱒場・山口二男代表:「5割増しくらいはいっている。本当は大きくして出したいが、(得意先が)待ってくれないというのがある」

 通常は3キロを超えてから出荷するといいますが、今は多くの注文に対応するため、少し小ぶりでも出荷せざるを得ないといいます。それでも・・・。

 山口養鱒場・山口二男代表:「東京の市場とか、各地方の市場とか、結構、とりあわせはある。余分に作っていないので、実際、請けられないのが現状です」

■長野「信州サーモン」

 熱い視線が注がれるご当地サーモンは、他にもあります。

 出荷作業に追われているのは、同じく“海なし県”である、信州・長野の養殖場です。

 ニジマスとブラウントラウトを交配させた、その名も「信州サーモン」です。

 マルト水産・徳竹豊社長:「3月に入ってから増えている。急に増えた。通常の2倍から3倍」

■輸入サケ・マス“3割値上がり”

 こうした国産サーモンの需要が急増している背景にあるのが、ロシアによる「ウクライナ侵攻」です。

 生食用サーモンの主な輸入先であるノルウェーからの航空機がロシア上空を飛行できず、遠回りして来るため、運送コストが上昇。供給も不安定になっていて、値上がりしているのです。

 豊洲市場の輸入サケ・マスの3月の平均卸売価格は、去年と比べ、3割ほど値上がりしました。

 20日、一時、1ドル129円台まで下落した円安も、輸入サーモンの高騰に拍車を掛けています。

■「国産サーモン」代替品として期待

 輸入サーモンの価格高騰を受け、都内にあるサーモン丼専門店では今、国産のサーモンに力を入れているといいます。

 信州サーモンなどのご当地サーモンが味わえるこの店では、ノルウェー産のサーモン丼も人気メニューの一つですが、この1カ月で、仕入れ値が5割も上がったため、別のメニューに差し替えるかどうか、頭を悩ませていました。

 サーモン丼「熊だ」・今野健二代表:「国産サーモンのほうが、養魚場のほうが値段を据え置いてくれているので。そちらが今、安くなっています。それが、いつまで続くのか見えないので、他の国産サーモン増やすか検討しています」

 代替品として期待される国産サーモン。信州サーモンは、ノルウェー産よりもあっさりしているものの、うまみは強いといいます。

 こうした国産サーモンの需要の高まりは、しばらく続きそうです。

 サーモン丼「熊だ」・今野健二代表:「味は、国産サーモンめちゃめちゃおいしいので。これをきっかけに、国産サーモンが広まるというのは、良いことだと思う」

(「グッド!モーニング」2022年4月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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