世界初!「iPS細胞」を使った角膜移植 来年にも“治験開始”へ(2022年4月5日)

世界初!「iPS細胞」を使った角膜移植 来年にも“治験開始”へ(2022年4月5日)

世界初!「iPS細胞」を使った角膜移植 来年にも“治験開始”へ(2022年4月5日)

 大阪大学の研究チームが、世界で初めて実施した「iPS細胞」を使った角膜移植の実用化に、また一歩近付きました。来年にも、治療法として、国の承認を得るための治験を始めたいとしています。

■課題の“拒絶反応”など起きず

 大阪大学 大学院医学系研究科・西田幸二教授:「今回、我々はiPS細胞から角膜上皮を作って、移植するという技術を開発してきました。iPS細胞から作った角膜上皮を移植したのは世界初で、今もどこもやっていませんので」

 大阪大学の西田幸二教授らの研究チームは、目の角膜の病気で、ほぼ視力を失った30代から70代の男女4人に、iPS細胞を使ったシート状の角膜を移植し、1年間、経過を調べた。

 その結果、矯正視力で0.04だった患者が0.3まで改善するなど、3人は、日常生活に支障がない程度まで視力が回復。残りの1人も、角膜の濁りがなくなったという。

 大阪大学 大学院医学系研究科・西田幸二教授:「これが、iPS細胞から作った角膜上皮。真ん中の部分。これ、角膜上皮だけの部分。非常に透明性が高くて、非常に強固です。我々の生体にある角膜上皮に、非常に酷似しているということになります」

 これまでの角膜移植では、拒絶反応などが課題となっていたが、4人とも拒絶反応や感染症などは起きなかったという。

■早ければ3年後 実用化目指す

 そして、角膜移植のもう一つの課題が・・・。

 大阪大学 大学院医学系研究科・西田幸二教授:「角膜移植というのは、ドナーがいないとできません。日本では、他の臓器と同様に、ドナーが著しく不足している」

 iPS細胞を使うことで、角膜のドナー不足も解消できる可能性があるという。

 大阪大学 大学院医学系研究科・西田幸二教授:「将来的には、この技術を世界中に広めたいと、我々考えています。これ、臨床研究ですので、今後、実用化に向けて、治験の準備をしています」

 研究チームは、来年にも企業を交えた治験を実施し、早ければ3年後にも実用化を目指したいとしている。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年4月5日放送分より)
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