【ヨコスカ解説】コメをめぐり“暑い”戦い…新潟では高温に強い品種開発 一人区の「コメどころ」で大接戦も
参院選が20日に迫る中、コメ農業が重要な争点となっています。猛暑の影響で品質低下や不作が深刻化し、農家は危機感を抱いています。新潟では暑さに強い品種「新之助」や「新潟135号」が注目され、コシヒカリの高温耐性化の研究も進行中です。農家は政治に対し「ないがしろにされている」との思いを抱き、選挙では農業政策への対応が問われています。北陸や東北そして九州の米どころを取材しました。
(かんさい情報ネットten. 金曜は「ヨコスカ目線」2025年7月18日)
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参院選はいよいよ20日投開票です。一つの争点となっているおコメの問題ですが、北陸や東北そして九州の米どころを取材していろいろ見えてくるものがありました。(取材・報告=横須賀ゆきの解説委員)
政治家の皆さんも、コメ農家の皆さんも、コメをめぐって熱い戦いを繰り広げています。決戦は32ある1人しか選ばれない1人区。この1人区のほとんどは「農業県」ということになります。
ここのコメ農家さんにいろいろ話を聞いてみますと、今こういう危機感を抱いています。
「おコメが作れなくなる」。
離農の問題もあるんですけれども、一つは猛暑との戦いなんです。本当におコメがとれにくくなっている。品質も落ちがちだということなんです。
そんな中で農家さんたち生き残りをかけています。貴重な稲穂を借りてきました。これの稲穂はデビュー目前なんですが、新しいおコメのデビューの最前線を取材しています。
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横須賀ゆきの解説委員
「豊かな土と水に恵まれた日本有数のコメどころ、新潟。しかし、近い将来コメ作りが難しくなるかもと、危機感を抱いています。その原因は、この暑さです」
新潟県もあっつーーーい!!!
新潟市の7月の平均気温は、例年と比べると4度も上昇!コメの生産量日本一を誇るコメどころ新潟県ですが、この暑さでコメ作りにも影響が。
コメ農家 熊谷久一さん
「出穂期に暑くなると品質不良が出始めるんで、そこのところはまだちょっと心配ですよね」
新潟県では2023年、猛暑のため歴史的な不作に見舞われました。こうした中、一躍注目を集めたのが、新潟県が開発し、2017年から販売が始まった暑さに強いコメ「新之助」です。
横須賀 解説委員
「このあたりの田んぼが『新之助』ですか?」
コメ農家 藤田毅さん
「そうです、ここのラインずっと『新之助』です」
横須賀 解説委員
「暑さに強い実感持っておられますか?」
コメ農家 藤田毅さん
「はい。2年前が一番暑かったんですが、その時でも『新之助』は全部1等米でした。暑さにおける品質の面では、『新之助』は評価高いと思います」
新潟県では、現在さらなる一手に挑戦中。
コメ農家 藤田毅さん
「とにかく暑さに強い」
まだ、名前もついていないデビュー目前の暑さに強い品種「新潟135号」とは? 一体どんなおコメなのでしょうか?
新発田農業普及指導センター 阿部浩一所長
「ここにもう穂があるんですよ。まだ出てないですが…。これをむくと、これがあと1週間もすると顔を出してくるんですよね。今のこの気象変動の中での異常高温に対応するために、とにかく暑さに強いという、そこに主眼を置いて育種している品種になりますね」
比較のため、同じ時期に収穫したコメは暑さで白く濁り、品質が低下。一方、新潟135号はほぼ濁りはなく、コメ粒も大きく育っていました。
また、新潟135号は暑さに強いことに加え、主要品種コシヒカリよりも、早い時期に収穫できるため、作業期間を分散できるという点でも関係者から注目されています。
「粒が大きいですね」
コメ作りの”暑さ対策”は、コメどころ新潟では、もはや最優先の課題です。
新潟県農業総合研究所 松井崇晃 育種科長
「ここは実際に、稲をビニールで囲い、周りより高い温度の条件を作り出すという試験です。高温耐性の持つコシヒカリの育成に生かしていこうという」
暑さに強い品種の開発の一方で、次なる研究対象は、暑さに弱いとされる主要品種コシヒカリの高温への耐性強化。研究では、高温条件で育てた稲から抽出したDNAを調べ、どの要素があれば暑さに強くなるかを、遺伝子レベルでの解析を進めています。
研究を始めて3年。”暑さに強い”コシヒカリ誕生の見通しは?
新潟県農業総合研究所 松井崇晃 育種科長
「実用化されるというところまでになると、なかなか先は読めないところがありますので、具体的に何年までとはお答えできないですかね。これからもどんどん高温化、 温暖化っていうのは進んでいく問題ではあると思いますので、どういった形で新潟のおコメが生き残っていけるかどうかということで、一つの方策としてコシヒカリの高温耐性化っていうのが一つのテーマになるのかなというふうに考えています」
私たちの食卓に欠かせないコメ。今年も全国的に猛暑が予想される中、新たなコメの誕生に期待が高まっています。
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(横須賀ゆきの解説委員)
米の産地を歩いていますと、農家さんたちがどういうふうな思いを政治に対して抱いているかというと、「ないがしろ」にされているんじゃないかという焦燥感を抱えているんです。
これはどの特定の政党というよりは、全ての政党と言ってもいいと思います。
党派を超えて主食であるお米を生産しているのに、今までちゃんと真正面から向き合ってくれましたかと、心で思っている方が声を上げ始めているということがあります。政治がどれだけこれに応えていけるかというのが、今回の選挙で問われているわけです。
今回のことを受けて、一人区の情勢を見ていきたいと思うんですが。終盤の情勢です。
一人区のカギはコメどころ、まず青、赤、黄色と塗ったところが一人区です。
東北、九州、四国は、野党優勢ということになっています。序盤から変化しているのが、北陸の新潟、富山、山形、福島は接戦から野党リードに移り変わっています。
それから岐阜、岡山は与党リードから接戦ということになっています。そして九州、長崎、熊本、宮崎と沖縄は、接戦のところから終盤になって野党リードになりました。佐賀は与党が盤石だと今回は言われていたんですが、ここも終盤になって接戦ということになっています。
お米の農政だけじゃないですけど、少子高齢化などをめぐっても大激戦という構図が浮かび上がってくるんです。
この中で、各地域で比重を置くポイントが違って、それぞれ地域課題があります。
農業に関しては一大消費地である都市部とかの消費者に重きを置くのか、それとも地方は農業県が多いので、生産者に重きを置くのかで投票行動も変わってくるということです。
地方に声を聞くと、お米農家さんとかと直接関係がなくても、いかに生産者が持続的に稼いで、いいお米をみんなに供給していくか。生産者目線、生産者に寄り添う目線でみんな考えているなということは、ひしひしと伝わってきます。
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