日本郵船の運航船拿捕で新映像 ヘリから戦闘員が展開 専門家「イラン支援の可能性」(2023年11月21日)

日本郵船の運航船拿捕で新映像 ヘリから戦闘員が展開 専門家「イラン支援の可能性」(2023年11月21日)

日本郵船の運航船拿捕で新映像 ヘリから戦闘員が展開 専門家「イラン支援の可能性」(2023年11月21日)

 日本郵船が運航する貨物船が拿捕(だほ)された事件で、武装グループが映像を公開。専門家も驚くヘリコプターからの襲撃でした。

■ヘリコプターから戦闘員が展開

 イエメンの反政府武装組織「フーシ派」が映像を公開しました。日本郵船が運航する貨物船「ギャラクシー・リーダー」を紅海で拿捕した、その時だとするものです。

 近付くにつれて甲板に見えてくるのはヘリコプターの巨大な影です。船に降り立ったヘリコプターからは何人もの戦闘員が姿を現し、甲板に展開します。小銃を構えた戦闘員の一部が駆け寄ったのは船の操舵(そうだ)室です。銃を突き付けられた船員はなすすべもなく両手を上げます。最初から公開するつもりだったのか、映像はボディカメラで撮られたように見えます。

 戦闘員:「アメリカに死を!イスラエルに死を!ユダヤに死を!イスラムに勝利を!ガザとともに!」

 遠くから撮られた別の映像です。貨物船の周りをフーシ派のものとみられる何艘もの小型の船が取り囲むように航行している様子も見られます。そして上空からの映像では、船にイエメンの旗、そしてパレスチナの旗が取り付けられているのが確認できます。

 軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏:「大きいの(船)をヘリコプターで襲うやり方は恐らく初めてですね。それはちょっと驚きました」

 フーシ派は政府との内戦を数年にわたり続けていますが、あくまでも民兵組織。今回のような作戦を実行できた背景には、あの国の影も見えてくるといいます。

■専門家「イラン支援の可能性」

 専門家はかつての組織とは姿が違ってきていると指摘します。

 軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏:「戦闘員がしっかり事前にシミュレーションした、訓練された動きをしている。今回そういった海上に着艦するというようなこと、そこは相当、手慣れたパイロットの訓練もされていますので」

 フーシ派は、イエメン内戦で暫定政府と戦闘を続ける武装組織。背後にはイランがいると見られています。

 軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏:「近年イランの支援、それから指導を受けて本格的な軍隊になってきたなと。フーシ派独自というよりイランの指導を受けたパイロットである可能性が高い。今回、イスラエル関連はすべて攻撃するという声明を出している。非常に危険度が高まったと言える」

 イギリスBBCによると、船を所有する企業の親会社の共同保有者がイスラエル人の実業家だといいます。

 フーシ派 サリー報道官:「イスラエルに属するすべての船、そしてそれと取引するものに警告する。それはすべて合法的な標的になる」

 イスラエル政府は「イランによるテロ」だと主張。対するイランは関与を否定しています。船を運行する日本郵船は対策本部を立ち上げていて、「乗組員25名の安全を第一に対応しています」とコメントしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事