自宅にクマが…79歳女性が死亡 人里で“エサ学習”か…対策は?(2023年10月18日)

自宅にクマが…79歳女性が死亡 人里で“エサ学習”か…対策は?(2023年10月18日)

自宅にクマが…79歳女性が死亡 人里で“エサ学習”か…対策は?(2023年10月18日)

17日夜、富山市内で、複数の切り傷を負った女性の遺体が見つかりました。女性は自宅の敷地内で、クマに襲われたとみられています。

警察によりますと、亡くなったのは江嵜三千子さん(79)で、死因は、首などを骨折したことに伴う出血性ショックとみられています。

住民に不安が広がっています。
近所の住民:「あんないいお母さんが、死んだいうから。人付きのいいお母ちゃんだったから。(Q.これだけ平地までクマが来ることは)めったにない。見たこともない。まさか、こんな平地でクマが出ると思っていなかった」

さらに、現場から2キロ離れた小学校にもクマの足跡がありました。同じクマのものかは不明ですが、校庭にくっきりと残されていました。
地域住民:「きのうの夜とけさの時点で、保護者の送迎をお願いしますと。親にしてみれば心配」

富山県内でのクマの目撃情報は、山間部・平地を問わず寄せられていて、18日までに300件を超えています。先週にも、現場近くの住宅で女性が襲われました。

今年は、全国的に“クマ被害”が多発しています。秋田市で2頭のクマが現れたのも住宅の敷地。群馬県東吾妻町では、18日朝、散歩中の女性がクマに襲われました。

クマ被害が相次いでいる原因の一つ。
例年だと山にあるはずのどんぐりですが、今年は猛暑などの影響で不作になっています。そのためクマは、人が住んでいる家の庭になっている柿を求めて、平野部に降りてきているといいます。

地域の防犯パトロールを行う堀江さんも、山にエサがないクマが庭の柿に目をつけた可能性があると話します。
熊野校下防犯組合連合会・堀江貞夫会長:「柿がありますし、もっとほかのものがあれば食べるんでしょうけど」

先週、襲われた女性の家にも庭先に柿の実が成っていました。

クマの捜索は早朝から行われていますが、現在までにまだ見つかっておらず、住民は不安な夜を過ごしています。

富山県がまとめているクマの目撃情報ですが、山から里に向かう河川沿いに集中しています。この特徴について、クマの生態に詳しい石川県立大学・大井徹特任教授は「川沿いは、人工物などさえぎるものがなく、通常の行動範囲を超え、エサを求めて人里に近づいたのでは」といいます。

環境省が発表した9月末時点での都道府県別の「クマによる人身被害」の数です。岩手県では27人が被害を受け、うち1人が亡くなっています。秋田県では28人、福島県では13人と、東北地方を中心に被害が増えています。15道府県で、合わせて109人に被害、2人の死亡者が出ており、今年の被害は“過去最悪”のペースとなっています。

今後について、大井特任教授は「来年以降、どんぐりなどの実りが戻れば、クマの生活圏も戻る可能性が高い。一方で、クマは学習能力が高く、エサが人里にあると学習したクマが、来年以降、再び人里に降りてくる可能性もあり、警戒が必要」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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