銀座の高級寿司が“半額”! 破格のワケは“新米寿司職人”(2023年9月5日)

銀座の高級寿司が“半額”! 破格のワケは“新米寿司職人”(2023年9月5日)

銀座の高級寿司が“半額”! 破格のワケは“新米寿司職人”(2023年9月5日)

 東京・銀座の高級なおすしをなんと半額で食べれる新しい取り組みがスタートしているといいます。なぜ、そのような破格で提供できるのでしょうか。

■銀座の高級寿司が“半額”で!

 一流のすし職人が握った本格江戸前にぎり。

 食の街・銀座で創業から96年の会社が営むすし店が今月から新たな店をオープン。通常は8000円台の高級すしセットが半額近い4840円で食べられる「お値打ちランチ」が登場です。

 水野勢十郎さん(23):「握りの方、始めさせていただきます」

 そのすしを握って客に提供するのは、なんと大学卒業からわずか半年の新米すし職人です。しかも…。

 副調理長:「彼は高校球児。常総学院のレギュラー」

 野球一筋の元高校球児がすし職人へ。

 日本が世界に誇る本場で異例のスピードデビューを飾った背景には、すし業界が抱える深刻な事情がありました。

■異例のデビュー“新米寿司職人”

 銀座の老舗すし店が4日、新たに品川店をオープン。平日限定、通常の半額近い価格で味わえるのが全16品。その名も「板前スクールランチ」です。

 握っているのは、すし職人歴わずか半年の水野勢十郎さん

 4日のオープンに合わせ、早くも板前デビューさせたのには切実な訳が…。

 SUSHI BANYA KAI 大川智一総料理長(45):「一番、課題なのが職人不足。和食の職人というと『厳しい』『きつい』イメージ。どんどん若い人たちが選ばなくっていくなかで、会社にものしかかっている」

 未経験でも店舗で働きながら学べる「板前オープンスクール」を去年11月に開講。

 今年4月に入社したばかりの新米すし職人・水野さんには異色の経歴が…。

 新米すし職人 水野勢十郎さん:「小学校4年生からずっと野球だけしかやっていなかった」

■元高校球児が“新米寿司職人”

 これまで野球一筋の人生を歩んできた水野さん。高校時代は甲子園の優勝校に名を連ねる茨城県の強豪「常総学院」で1番バッターとして活躍。

 大学進学後も野球を続け、別の企業の営業職に内定。ところが入社の直前、両親も驚くまさかの決断に…。

 水野勢十郎さん:「2週間前に『辞めます』と」「(Q.その判断に両親は?)『馬鹿なの?』と言われた。反対されても変えるつもりはなかった」

 両親の反対を押し切ってでも、すし職人を目指した訳は…。

 水野勢十郎さん:「元々、魚が好きで趣味でさばいていた。それでやってみようかなと恩師に話してみて、すし店に連れていってもらって、板前スクールがあると聞いたので若いうちにチャレンジできることをやってみようと思った。1人で店を持てるようにしたい」

 一念発起して飛び込んだすし業界。一人前になるには「飯炊き3年、握り8年」と言われるほど容易ではありません。

 酢飯を作る「シャリ切り」では…。

 水野勢十郎さん:「速くやらないとご飯も粘りが出てしまうので、なるべく速く」

 客に提供するからには妥協は許されません。

 副調理長 安田高康さん(36):「白いところがあるから色をまんべんなく」

 すし職人として求められるスキル。「握り」はもちろん、「接客」も重要です。

 副調理長 小池正勝さん(47):「元気よくやってくれるか。お客さんに活気のあるところを波及してくれるか。技術的には一朝一夕でできるものでもないので。(客と)しゃべらない方が緊張する。しゃべった方がほぐれる。しゃべるの好きなので」

 水野さんは野球で培った度胸で接客に挑みます。

 新米すし職人 水野勢十郎さん:「全部乗っけちゃいます」

 客:「すごい。量、間違っていないですよね」

 新米すし職人 水野勢十郎さん:「しっかりグラム量っているので」

 果たして、お客さんの反応は…。

 客:「これはうまいよ。最高」

 自分が握ったすしで目の前の人々を笑顔に。

 新米すし職人 水野勢十郎さん:「もう最高ですね。これしか求めていない。これが楽しくて幸せです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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