京アニ放火殺人事件 初公判 遺族の4年間「報告しないと」(2023年9月5日)
京都アニメーションの放火殺人事件から4年。初公判で青葉真司被告(45)は「こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っていなかった」と語りました。この日をどのような思いで迎えたのでしょうか。遺族の思いを聞きました。
■遺族の4年間「報告しないと」
事件で最愛の妻を失った夫。裁判の傍聴を前に、複雑な心境を明かしました。
亡くなった寺脇(池田)晶子さんの夫:「きちっと見て聞いていかないといけないという気持ち。見て、何か感じることがあるだろうし、感じたこともやっぱり晶子にも子どもにも報告しないといけないし」
事件から4年、ようやく始まった裁判。被告は何を話すのか、遺族は傍聴席へと向かいました。
■京アニ放火殺人事件 初公判
2019年に京都アニメーションが放火され、36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件。今月5日、裁判員裁判の初公判が開かれました。殺人などの罪で起訴された青葉真司被告は車椅子に乗って現れました。
事件直後、体の9割以上に重いやけどをした青葉被告。5日、首元にはその痕なのか、大きな赤いあざが見えました。青葉被告は起訴内容を認めました。
青葉真司被告:「私がしたことに間違いありません。当時はこうするしかないと思っていたが、こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っておらず、現在ではやりすぎたと思っています」
青葉被告の弁護側は「妄想にとらわれており、心神喪失で無罪、または心神耗弱のため減刑されるべきである」と主張しています。
一方、検察側は完全責任能力があったと訴え、犯行は筋違いな恨みによるものであるとしました。事件はなぜ起こったのか。遺族たちは今も苦しんでいます。
石田奈央美さんは「色彩設計」を担当していました。石田さんの両親は娘の死の理由が知りたいと、裁判への出席を望んでいました。しかし、初公判を1カ月後に控えた先月、父親は帰らぬ人となりました。
事件で亡くなった石田奈央美さんの母:「お父さんが亡くなったって(事件から)4年というホンマ長いです。私らにしたらものすごく長いです」
残された母親は「1人では裁判と向き合う自信はない」と話していました。
寺脇(池田)晶子さん。京アニの看板アニメーターの1人でした。事件当時、息子は小学2年生。寺脇さんの夫は気丈に振舞う息子について、こう話します。
亡くなった寺脇(池田)晶子さんの夫:「僕がふと起きた時に布団の中でくるまって泣いていたんです。それを僕は見つけてあげられなかったんです」
寺脇さんの夫は、なぜこのような事件が起きたのか、裁判を通じて世の中の人に事件の原因について関心を持ってほしいと話します。夫は今後も裁判に参加するつもりです。
亡くなった寺脇(池田)晶子さんの夫:「やっぱり子どもが毎日、歯を食いしばってというわけではないが、(事件)現場にいなかった人も大きく人生を変えられた人いるよということは可能なら言いたいかな」
裁判は今後、143日間の長期間に及ぶ予定です。遺族の意見陳述などを経て、判決は来年1月に言い渡されます。
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