“平和維持”を名目に侵攻か・・・ウクライナ東部へ軍の派遣指示 欧米の対ロ制裁は(2022年2月22日)

“平和維持”を名目に侵攻か・・・ウクライナ東部へ軍の派遣指示 欧米の対ロ制裁は(2022年2月22日)

“平和維持”を名目に侵攻か・・・ウクライナ東部へ軍の派遣指示 欧米の対ロ制裁は(2022年2月22日)

ロシアのプーチン大統領は日本時間22日朝、親ロシア派が支配するウクライナ東部の独立を一方的に承認しました。

ロシア、プーチン大統領:「ウクライナは単なる隣国ではない。我々の歴史・文化・精神世界の切り離しがたい一部だ。現代のウクライナは、完全に共産主義のロシアによって作られた。レーニンや同志たちが乱暴とも言える方法で、ロシアの歴史的領土を切り離すという方法で作ったのだ」

そして、ロシアは“被害者”だと協調しました。

ロシア、プーチン大統領:「ロシアは困難な状況下でも、ウクライナを含む旧ソ連の国々に多大な援助をしてきたが(ウクライナの)急進派が国民の不満を利用して、2014年にクーデターを起こした。(ウクライナ東部では)住民400万人にジェノサイドが行われている。西側に支援されたクーデターに彼らが賛同しなかったからだ」

2014年、ロシアによるクリミア併合後、親ロシア派勢力は、東部ドネツク州とルガンスク州の一部を占拠し、一方的に独立を宣言。国際的には承認されていませんでしたが、今回、ロシアが認めた形です。

プーチン大統領は“平和維持”を名目に、この地域に軍を派遣するよう指示しました。

その直後のドネツク近郊では、ロイター通信のカメラが戦車や装甲車などの姿を捉えていました。軍用車両には、所属を示す記章は確認できず、正体を明らかにしていません。

ドネツク州の広場では、一部の人たちが独立承認のニュースに歓声を上げていました。

ドネツク市民:「言葉にできない。うれしいよ」

ただ、ウクライナ全体で見れば、独立承認に反対する人がほとんどです。ウクライナメディアによる世論調査では「独立承認は侵略行為」と答えた人が92%に上っています。

キエフ市民:「不愉快だ。プーチンには、ルガンスクとドネツクに平和をもたらすことはできない」

キエフ市民:「ここは誰のものでもなく、ウクライナ固有の領土だ。大多数の国民はそう思っている」

ゼレンスキー大統領は、22日未明にビデオ声明を発表しました。

ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「我々は我々の領土にいる。何も誰も恐れない。誰にも何にも負うところがない。誰にも何も渡さない」

国連安保理では緊急会合が開かれました。

アメリカ、トーマスグリーンフィールド国連大使:「プーチン大統領は戦争の口実づくりのため、とんでもないデタラメを並べ立てた。“平和維持部隊”と言うが、ナンセンスだ。プーチンは、世界を国連以前の帝国主義時代に戻したいのだ」

イギリス、ウッドワード国連大使:「ロシアの決定は、ウクライナの主権と領土一体性だけでなく、国連憲章の基本原則にも反する」

ウクライナ、キスリツァ国連大使:「マスクを外すのは不安だ。その理由は新型コロナではない。私が不安なのは、ワクチンが存在せず、すでに国連にも及び、ロシア政府が広めたウイルスだ」

非難の的となったロシアはこう反論しました。

ロシア、ネベンジャ国連大使:「他国から感情的な発言、断定的な評価、過大な結論を聞いた。欧米こそ、ロシアによるウクライナ侵攻が差し迫っていると根拠のないパニックをあおり、武器や部隊を送っている」

制裁に関しては、まだ踏み込んだものにはなっていません。アメリカのバイデン大統領が署名したのは、ロシアが独立を承認した地域に関連する投資や貿易などを禁止する大統領令です。

アメリカ政府の高官はこう説明しています。

アメリカ政府の高官:「ロシア軍がこの地域に入ること自体は新たな動きではない。ロシアは過去8年間、軍を置いていた」

この8年、ウクライナ軍との衝突を繰り返してきた親ロシア派。ただ、ウクライナ政府によりますと、その一部はロシア軍です。ロシア側は今まで否定していましたが、今回の決定で堂々と入ることになります。

ロシアが今後どう動くか見極める構えのアメリカ。ただ、22日に新たな制裁を発表するとしています。

イギリスも同様です。

イギリス、ジョンソン首相:「直ちに経済制裁措置の策定を始める。ルガンスク・ドネツクの企業だけでなく、ロシアの経済的利益を徹底的にたたく」

ただ、プーチン大統領は日本時間9時ごろ、こう述べました。

ロシア、プーチン大統領:「残念ながら、ウクライナはロシアへの脅威を生み出すため、第三国に利用されている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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