原発処理水の海洋放出 政府“夏ごろ”目指すが8月の選挙に懸念 官邸幹部は「9月も夏」|TBS NEWS DIG
東京電力福島第一原発の処理水を海洋に放出する政府の計画をめぐり、安全性を検証してきたIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長が来日しました。政府が夏ごろを目指す、処理水の放出時期にも大きな影響を与えるものとみられます。
総理官邸を訪れたIAEAのグロッシ事務局長。
岸田総理
「報告書の内容をお聞かせいただいたうえで、我が国として誠実に対応していきたい」
IAEAは数回にわたり、日本で処理水の放出計画の検証を行ってきました。その報告書を岸田総理に手渡したのです。
原発処理水をめぐり、政府は夏ごろの海洋放出を目指していますが、おととい、思わぬところから横やりが。与党・公明党の山口代表です。
公明・山口代表
「直近に迫った海水浴シーズンは避けた方が良い」
この発言に、与野党からは「かえって風評被害を招く」などと反発する声が上がっているのです。
山口氏は、きょう…
公明党 山口那津男代表
「客観的にこの安全性を周知していくという事が大事であり、(安全性の周知には)少し時間が不足しているのではないかという趣旨で申し上げました」
このように述べ、あくまで“安全性を周知するための時間が不足しているという趣旨だった”と釈明しました。
ただ、山口代表の発言とは関係なく、政府内からは東北の自治体で8月に選挙が相次ぐことを理由にこんな声も聞こえてきます。
官邸幹部
「9月に放出開始が現実路線じゃないか。9月も夏という事にはなる」
海洋放出に向けた準備が進む一方で、懸念や反対の意見は根強く残っています。
福島県いわき市で漁業を営む三浦孝一さん。漁業者の理解は進んでいないと話します。
三浦孝一さん
「(理解の深まりは)ないない、深まってはいない。震災だけでまいっているのに原発事故で汚染水に今度の処理水」
三浦さんが不信感を募らせる理由。それは…
政府・東京電力
「関係者の理解なしにいかなる(処理水の)処分も行わない」
処理水の海洋放出について、政府と東電は2015年に福島県漁連と書面でこう約束しているのです。
三浦さんは漁業者の意見をよく聞いて欲しいと話した上で、「うそをつかないでほしい」と訴えています。
三浦孝一さん
「処理水の問題は避けては通れない問題だが、正確に何事かあったらすぐ(知らせてほしい)。後継者・若い人たちに受け継ぐにはうそをつかない。本音で語ってもらわないと」
政府には安全性についての詳細な説明だけでなく、不信感や懸念の解消が求められます。
海洋放出をめぐっては、近隣の国からも反対の声が。きょう、都内で会見した中国の呉江浩駐日大使は…
中国 呉江浩駐日大使
「我々の要求は簡単です。日本側が海洋放出計画にストップをかけ、国際社会と真剣に協議し、各国が納得できる対処法を検討することに尽きます」
また、国民の8割が懸念を示しているという韓国では…
記者
「国会議事堂の前では、野党議員が処理水の放出に反対して断食を行っています」
反発を強める野党側は、国会で日本に放出の撤回を求める決議案の採決を強行。
一方、国民の不安解消に向けて与党は活動を続けていますが…
韓国与党「国民の力」 キム・ヨンソン議員
「これ飲んでもいいんじゃないですか?」
海の安全性をアピールしたいためか、市場で水槽の中の海水を口にして見せました。
韓国の専門家からは「科学的真実に従うべき」との声があがっています。
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