利回り20歯科矯正患者に社債販売消えた70億円社長が緊急説明会もっと知りたい(2023年6月30日)

利回り20歯科矯正患者に社債販売消えた70億円社長が緊急説明会もっと知りたい(2023年6月30日)

「利回り20%」歯科矯正患者に社債販売 消えた70億円 社長が緊急説明会【もっと知りたい!】(2023年6月30日)

 「187万円を先払いすれば、実質無料で歯の矯正ができる」と勧誘していたクリニックを運営する企業で、治療と返金がストップしていた問題です。番組の取材で、患者に対し20%を超える高い利回りの社債を販売し、トラブルになっていることが新たに分かりました。

■総額4億5千万円 損害賠償求める集団訴訟

 グランシールド・中村佳敬社長:「弊社としては、ダブルパンチをくらっているような状況です」

 この男性と言えば…。

 中村社長:「(Q.20億円の所在は?)分かっていないです」

 およそ半年にわたって取材してきた歯科矯正トラブルは、「187万円を支払えば、その後、毎月5万円がキャッシュバックされ、実質無料で歯の矯正ができる」というものでした。

 しかし、「ロシアのウクライナ侵攻の影響で、海外口座からの送金取引が停止されている」と嘘をつき、治療も返金も途中でストップしたといいます。そして、300人以上の被害者が総額4億5000万円の損害賠償を求める集団訴訟に発展しています。

■“驚異の利率”利払いされず…被害女性の訴え

 そんななか、番組の取材で、歯科クリニックの運営会社「グランシールド」が、歯科矯正トラブルの原告を含むおよそ700人と総額70億円に上る投資トラブルも抱えている可能性があることが分かりました。

 200万円分の「社債」を購入 女性(40代):「(歯を)結構削られているので、隙間はできているので、これが埋まるのかなという心配はあります」

 2020年からグランシールドが運営する歯科クリニックで、歯の矯正を始めたという女性を取材しました。グランシールドの関係者に、ある商品の勧誘を受けたといいます。それが投資会社Aの社債です。

 女性(40代):「200万円投資しました」

 魅力的だったのは、その利回りです。番組が入手した募集要項には「社債の利率20.115%」と書かれていて、毎年20%を超える驚くほど高い利率です。

 ところが、予定の日に利払いがされず、不審に思ったという女性がA社を直接訪ねると、衝撃の光景が広がっていました。

 女性(40代):「もぬけの殻だった。足がすくみました」

 100人以上から被害相談を受ける加藤博太郎弁護士は、次のように話します。

 加藤弁護士:「今回の会社は私たちも運営実態調べたんですけども、ペーパーカンパニーみたいな会社で、お金を集めるだけ集めて逃げてしまうことを予定していたのでは」

 「利回り20%を超える」というA社の社債はリターンが大きければ、リスクも高そうですが、「絶対に損することはない」と断言していたといいます。

 300万円分の社債を購入 女性(32):「多段階にわたって保証があるので、どこかがトラブルになっても戻ってくると聞いていた」

 200万円分の社債を購入 女性(33):「損することは絶対ないと言われて」

■「ウクライナ侵攻」今回も言い訳に? 

 一方で、利払いが止まった今年2月に行われたA社とグランシールドとの緊急会議では、客から集めた金について、生々しいやり取りがありました。

 A社の関係者:「いやだって経費に掛かってくる。お給料も払っている」
 グランシールド社員:「お客さまの元本はあるのか、ないのかは知っておきたい。そこは教えていただけますか」
 A社の社長:「ハワイにも持って行っている。全体では足りると思うんですけど。ただ、どこにあるかということは分かりません」

「客から集めた金には手を付けていない」と明言していましたが、A社の経費の支払いなどに使われ、ハワイにも送金されていた可能性が浮上しました。

 さらに、歯科矯正トラブルの際、謝礼の支払いが滞っている理由として上げていたウクライナ侵攻を今回も言い訳として使おうかとちゃかしていました。

 グランシールド社員:「もうとにかく1カ月しか待てない。もう銀行が止まってる。でも振り込み」
 A社の関係者:「ウクライナと言うわけにいかない」
 グランシールド社員:「もう言えない。本当言えないです」
 中村社長:「またかよ」

■元社員が謝罪 70億円超の被害か

 グランシールド元社員:「本当に申し訳ありません」

 番組のカメラに向かって謝罪したのは、グランシールドの元社員です。元社員が社債販売の驚くべき実態を語りました。

 グランシールド元社員:「(Q.社債を購入した方はどのくらい?)人数で言うと何百人。金額で言うと、70億円超と聞いています」

 グランシールドの中村社長は当初、「客から集めた金は、客への説明通り、社内でも手を付けずにいた」と話していたといいます。

 グランシールド元社員:「実際に信託銀行にお金が入っている残高を見て、『すごいお金だったから安心していいよ』という話は聞いていました。ただ、今回の配当が出なくなったトラブルの後は『実は知らなかった』と、スキームのこともよく分からないしみたいな感じになって濁しています」

 そして、29日午後8時、グランシールドが社債の購入者に向けた説明会を開催しました。

 中村社長:「(A社から)配当を受け取るライフスタイルが本当にワクワクできるものだと信じ、広げてしまっておりました。なぜ、この連続で発生してしまったのかというご質問もあるんですけども、私の方が逆にお伺いしたいような状況です」

■弁護士「社債トラブルも刑事告訴を検討」

 番組が「グランシールド」に今回の社債トラブルについてコメントを求めたところ、次のような回答がありました。

 番組取材に対する「グランシールド」の回答:「弊社は投資会社A社から、事業内容のリスクも低く、保険も付保されていると聞いておりました。現在までの結果として、当社はA社にだまされていたことが判明し、A社とは連絡が取れない状況です。当社としては、A社の事業再建ができるかを見極め、元本回収が最大にできるようにと動いております」

 歯科矯正トラブルの被害弁護団の加藤弁護士は、「今回の社債トラブルについても今後、詐欺罪などで刑事告訴を検討している」ということです。

(「グッド!モーニング」2023年6月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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