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カメラが捉えた詐欺被害防いだ瞬間 「だんだん追い詰められていってしまう」 被害者が語る“架空請求詐欺電話”の手口とは
全国的に被害が止まらない架空請求詐欺。巧妙な手口によってまさに現金を振り込もうとするところまで追い込まれながら、その寸前で救われた高齢夫婦の姿を防犯カメラが捉えていました。
千葉県旭市にある信用金庫の駐車場。車から降りた男性は携帯電話で話し込み、女性も落ち着かない様子です。男性は、この時、身に覚えのない現金の振り込みを要求されていたのです。きっかけは、携帯電話に届いた一通のショートメールでした。
「ご利用料金の支払いの確認が取れておりません。本日中にNTTサポートセンター迄ご連絡ください」
指定された番号に電話をかけると、応対した男は、丁寧な口調でこう説明したといいます。
電話の男
「去年あなたはサイトを開いてそこで契約をしています。毎月請求をしているんですが、滞ったまま一年が経ちました。払わなければ即裁判の手続きに入ります」
男性には身に覚えがなく、詐欺ではないか?と疑います。
新行内孝志さん(69)
「『あんた詐欺じゃないの?』という話をしたら態度が変わったんです。『じゃあいいです、明日裁判所から出頭命令が来ますよ』と開き直ったような感じ」
「裁判所の出頭命令」と聞き、動揺した男性に対し、男はさらにたたみかけます。
男
「国が実施するコロナワクチンのアンケートをやったことはありますか?」
男性
「あります」
男
「ラインも利用していますか?」
男性
「それも利用しています」
男
「では、それを利用して契約したんじゃないですか?」
新行内孝志さん
「そうと言われれば心当たりがあるのかなっていう感じになっちゃうんですね。話しているうちにだんだん追い詰められていっちゃうんですよ」
2時間近くにわたって続いた電話のやり取り。男性は結局、およそ30万円を振り込むために電話をつないだまま妻とともに信用金庫へとやってきたのでした。
その様子を見つけたのが、ちょうど業務を終えて帰宅しようとしていた職員です。
銚子信用金庫旭中央支店 遠藤真吾営業課長
「『あれ?』と思いました、ちょっと様子がおかしいなと。まず電話しながらメモ取ってることが怪しいですし、何よりその横にいた奥様の表情がもうとにかく不安そうでしたので」
夫婦の様子から即座に詐欺を疑い声をかけたことで、まさにATMに入る直前、被害が食い止められたのです。
新行内孝志さん
「『今ちょうどATMの駐車場に入れましたから、車降ります』と(電話の男に)言った。そしたらちょうど(信金職員が)来てくれた。本当に偶然です、全く。救いの神じゃないですけど、本当にそれで助かったですね」
男性がだまされかけた偽の「NTTサポートセンター」の番号。今日、記者が電話してみると・・・
記者
「つながりませんね・・・」
NTTの関係先を装って、同様の詐欺メールが送られてきたという報告はSNS上でも相次いでいて、NTTファイナンスが注意を呼びかけています。特殊詐欺の被害は、千葉県内だけでも去年1年間に1103件確認され、被害総額は26億円に上っています。
(11日17:44)
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