総理襲撃の爆発物 “40m先まで”破片飛ぶ ボルト詰めた? 足取り徐々に…バス移動か(2023年4月18日)

総理襲撃の爆発物 “40m先まで”破片飛ぶ ボルト詰めた? 足取り徐々に…バス移動か(2023年4月18日)

総理襲撃の爆発物 “40m先まで”破片飛ぶ ボルト詰めた? 足取り徐々に…バス移動か(2023年4月18日)

 岸田文雄総理大臣が遊説中に襲撃された事件です。投げ込まれた爆発物の破片が40メートルほども飛んでいたことが分かりました。その中には、ボルトやナットが詰められていた可能性があります。

■防カメ新映像…弁護士と接見「普通に話してます」

 新たな防犯カメラの映像。岸田総理の演説会場に続々と集まる人々。総理の車が到着した1分後、画面左から黒い手提げかばんを持った木村隆二容疑者(24)とみられる男の姿があります。前を歩く2人を追い越し、足早に演説会場に向かいます。

 その9分後、突然、聴衆の一部が会場を離れ、さらにSPに囲まれ、岸田総理が急いで現場を離れる様子も映っています。その直後、爆発が起き、白煙が上がります。

 爆発物を投げつけ、威力業務妨害の疑いで逮捕された木村容疑者。17日、規制線が外れた現場を確認すると、爆発のすさまじさを物語る、生々しい跡が残っていました。

 岸田総理のすぐ近くに投げ込まれた爆発物。15センチほどの爆発物の破片は、聴衆をすり抜け40メートルも飛び、倉庫の外壁にぶつかりました。さらに、飛び散っていたのは破片だけでなく…。

 雑賀崎漁協 濱田光男組合長:「ボルト、ナットとか、たくさん見つけました。3ミリ、背中に当たってちょっとけがした」

 爆発物にはボルトやナットが詰められていた可能性もあります。一歩間違えれば、大惨事になりかねない状況でした。

 木村容疑者を乗せた車が和歌山西署を出ます。マスクを着用していて、表情はうかがえません。

 17日朝、送検された木村容疑者。表情を変えることなく真っすぐ前を向いています。午後8時半ごろ、木村容疑者との接見を終えた弁護士が取材に応じました。

 木村容疑者の弁護士:「なんらか不具合があったので、病院かな」「(Q.病院に行ったことは間違いない?)それは間違いないでしょ」「(Q.どこが痛い?)分からないというか、それは話すようなことではないと思う」「(Q.体調は?)大丈夫だと思います」

■“バス”で移動か 迷いなく?演説会場へ

 事件前の足取りが徐々に明らかになってきました。

 容疑者の自宅は兵庫県川西市。そこから3時間ほどかかる和歌山市駅。

 関係者によると、警察は15日午前10時37分発のバスのドライブレコーダーを確認していたといい、木村容疑者は、和歌山市駅からおよそ7キロ離れた襲撃現場までバスで移動したとみられています。

 現場の最寄りのバス停までは30分ほど。仮に午前10時37分に出たとすれば、午前11時13分に到着予定です。

 演説会場に一番近いバス停の近くに階段があります。地元の人によると、この階段を降りて行くのが、もっとも漁港に近い位置だということです。事件当日、容疑者とみられる男を目撃した女性は、次のように話します。

 容疑者とみられる男を目撃した女性:「降りた瞬間に地元の人じゃないというのはすぐ分かった」「(Q.普通迷う?)普通は迷うんですよ。初めて来た人は必ず迷います。どこ行けば良いのかなって」

 しかし、その男は…。

 容疑者とみられる男を目撃した女性:「何の迷いもなくバス降りて、よそ見もしないで、ゴーと降りていったから」

 バスの到着予定時刻から3分後の午前11時16分ごろ、バス停から300メートルほど離れた飲食店の防犯カメラに姿を見せ、総理の車列が男を追い抜きます。2分後の午前11時18分ごろには、60メートルほど進んだ場所で、リュックを前に抱えるようにして中から何かを取り出したような仕草が捉えられています。その後、リュックを背負い直し、左手には手提げかばんが映っています。

■中学に上がると一変…“別人”のように

 なぜ、木村容疑者は総理襲撃に及んだのでしょうか。容疑者と小中が同じだった同級生は、次のように話します。

 木村容疑者の同級生:「比較的明るくて、どちらかというと皆を巻き込んで場を盛り上げてくれる、そういう感じの子でした。友達は多かったと思います」

 小学校の卒業文集に書かれた将来の夢は…。

 小学校の卒業文集:「パティシエになったら、いろんなお菓子を作りたいです。食べた人が秘密にしておきたくなるお菓子をいっぱい作りたいです」

 さらに…。

 小学校の卒業文集:「もう一つの夢の発明家になったら、みんなが喜ぶロボットや役に立つ機械を作りたいです」

 人が喜び、ためになるものを作りたいと何度もつづっていました。

 木村容疑者の同級生:「僕の誕生日にケーキを持ってきてくれたんですけど、自分で作ったの。僕があまりイチゴが好きじゃなかったんですけど、それをあえて違う果物に変えてくれたりとか、機転がきくというか、そういうのをすごいやってくれましたね」

 性格も明るく、友達思いで優しい印象だったという小学校時代。しかし、中学に上がると別人のようになったといいます。

 木村容疑者の同級生:「中学に入ってからは、いじめられるようになったので、それ以降はすごく性格がガラッと変わった。本当に明るい性格から暗い性格になって、誰が見ても分かりますね。全然別人かなっていうぐらい変わりましたね」

■家族トラブルも 事件3日前“変わらぬ姿”

 兵庫県川西市の閑静な住宅街にある木村容疑者の自宅。近隣住民によると、以前は両親と2人の兄弟と一緒に生活していましたが、5年ほど前に父親が出ていったといいます。

 木村容疑者の同級生:「両親とそんなに仲良くなさそうだったんで。放置って感じだったと思います。親に対して『なんかもういいや』みたいな感じだったと思います」「でも、なんか大人の人とか、自分より年上・目上の人、敬遠するみたいなのはあった」

 一方で、最近の容疑者を目撃した近隣住民は、次のように話します。

 近隣住民:「植木を剪定(せんてい)した後、(母親と)一緒に掃除をしてゴミ袋に入れて、一緒にゴミを捨てに行ったりしていたのを見掛けたことがある。いい子だと思っていましたよ」

 ガーデニングをする木村容疑者は事件のあった3日前にも目撃されていました。

 木村容疑者の近隣住民:「事件の3日前にも庭の手入れをしていました。(木村容疑者が)普段と変わらない様子でした」

 パティシエや発明家を目指した心優しい少年が時を経てなぜ、総理の演説会場で爆発事件を起こしたのでしょうか。

 警察は、押収したスマートフォンの解析などを進め、動機の解明を進める方針です。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年4月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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