ホワイトボードに「暗号」 カンボジア“特殊詐欺アジト”を取材(2023年4月8日)
カンボジアを拠点に特殊詐欺を行っていたとして、日本人のグループが拘束された事件。アジトとされるリゾートホテルには、飲みかけの酒が置かれたままになっているなど、生々しい暮らしぶりが残されていました。
(報告・久須美慎)
「ホワイトボードには1月25日と日付けが書かれていて、その下には日本人の名字と見られるものが書かれています」
特殊詐欺グループが宿泊していた部屋にあったホワイトボードには、日本人の名字とともに、「18アポ」「24アポ」と暗号のようなものが記されていました。
カンボジアの首都プノンペンから、およそ180キロ離れた南部の都市シアヌークビルにあるリゾートホテル。現地警察に拘束されている日本人19人は20代から50代の男で、このホテルから特殊詐欺を行なっていたとみられています。
ホテルの従業員:「グループでのチェックインではなかった。それぞれ単独で少しずつ入ってきたようです」
(報告・久須美慎)
「19人のうち、数人が借りていた部屋のなかが窓ガラス越しに見えるんですが、飲みかけのお酒、飲み物。そして菓子などが置かれています。テーブルの上に、いろんな飲み物が置かれています」
ホテルの従業員:「ご飯を食べたりプールに入ったり、体操をしたりしていた。時々、パーティーをやったりして楽しんでいたよ」
詐欺グループの19人はパスポートと観光ビザを持ち、合法的に滞在している状態だったということが新たにわかりました。観光客を装って、特殊詐欺に関わっていたとみられます。今回の特殊詐欺グループ19人の身柄は現在、警察施設にありますが、詳しい拘束の状況は明らかになっていません。
事件発覚のきっかけは、現地大使館に寄せられた情報でした。連絡を受け、現地当局がことし1月下旬にホテルを捜索。19人の身柄を確保し、部屋からは携帯電話やパソコン、そして詐欺のマニュアルなどが見つかったといいます。
現地を取材したジャーナリストによると、シアヌークビルには様々な犯罪組織があり、日本の反社会的勢力も流れてきているといいます。
フリージャーナリスト・泰梨沙子さん:「犯罪組織だったり、まっとうな仕事をしていない人たちも、かなり集まるようになり、詐欺事件だったり暴行事件だったり、そういう犯罪も頻発して、かなり治安が悪くなった。犯罪がしやすい環境にあるので、そこを狙って日本の反社会的勢力がフィリピンやタイと同じように進出しているという状況になっている」
身柄が拘束されているグループの中には、暴力団の関係者とみられる人物も含まれているとして、警視庁は捜査員およそ50人を派遣し、来週にも19人の身柄を日本に移送して、逮捕する方針です。
サタデーステーション 4月8日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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