北朝鮮またミサイル発射 専門家「“低軌道”にも注目」…“津波起こす”新兵器試験も(2023年3月28日)

北朝鮮またミサイル発射 専門家「“低軌道”にも注目」…“津波起こす”新兵器試験も(2023年3月28日)

北朝鮮またミサイル発射 専門家「“低軌道”にも注目」…“津波起こす”新兵器試験も(2023年3月28日)

 27日、北朝鮮が弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射した。さらに、北朝鮮は新型兵器の試験を実施したことを明かすなど、挑発を繰り返していて、緊張が高まっている。

■防衛省「“変則軌道”で飛翔の可能性」

 韓国軍(ラジオ・フリー・アジア 27日):「『国連安保理決議』に明らかに違反したことを強く糾弾し、直ちに中止するよう促す」

 北朝鮮は27日朝、弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射。どちらも最高高度は50キロメートル程度で、およそ350キロメートル飛翔(ひしょう)した。

 このタイミングでの発射は、今月23日まで11日間行われた。春の米韓合同軍事演習への反発とみられている。

 今回の弾道ミサイルについて、日本の防衛省は、変則軌道で飛翔した可能性があるとしている。

■“新たな防衛システム”の開発も急務

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏に、変則軌道について聞いた。

 黒井氏:「ボールを投げたような楕円(だえん)軌道からそのまま落ちてくるのではなく。弾頭に小さな翼のようなものをつけて、滑空の過程で上下もしくは左右に軌道を変えることもできますので。そういった変則的な飛び方ということですね」

 さらに、黒井氏は弾道ミサイルの最高高度が50キロメートル程度であることにも注目している。

 黒井氏:「ミサイル防衛システム。特にイージス艦は、高度が70キロ以上でないと対応できない。大気圏外用にできたシステムなので、それが対応できないというのが一番大きい。レーダーも低い軌道を飛ぶと、観測するタイミングが遅れる。近くにこないと、地球の影で見えないこともある」

 黒井氏はイージス艦に加えてPAC3による迎撃の重要度も増しているといい、新たなミサイル防衛システムの開発も急務だと指摘する。

■“津波発生”新兵器を試験 “59時間”潜航し爆発

 今月に入っても相次いで弾道ミサイルを発射している北朝鮮。そんななか、北朝鮮メディアが24日に伝えたのが、津波を発生させるという新型兵器の試験だ。

 北朝鮮が試験を行った新型兵器とは、どのようなものなのだろうか。

 24日、北朝鮮メディアが21日から23日にかけて、“新型兵器”核無人水中攻撃艇「津波」の試験が実施され、金正恩総書記が立ち会ったと報じた。

 さらに28日も、この「津波」の実験を25日から27日にかけて、再び行ったことを報じた。

 この核無人水中攻撃艇「津波」は、水中ドローンのようなものとみられ、「水中爆発による放射能津波で敵の艦艇と港を破壊消滅させる」としている。

 21日から23日にかけて行われた試験では、水深80メートルから150メートルを59時間12分にわたり潜航した後、目標地点に到達し水中爆発。

 25日から27日に行われた試験でも、目標に到達し、正確に水中爆発したと、北朝鮮メディアは伝えている。

■開発目的は? 専門家「同時破壊の可能性低く…」

 この「津波」について軍事ジャーナリストの黒井氏は、「基本的には電池式で推進するため非常にスピードが遅く確実性はない。また、核爆発による津波は海溝型の津波のようなエネルギーはない。通常のミサイルのほうが被害は大きい」と指摘している。

 では、なぜ北朝鮮はこのような新兵器を開発したのだろうか。

 黒井氏によると、「核攻撃のバリエーションを持つことで、米韓にそれぞれの対応策を強いることができる。また、種類が多ければ、同時に破壊される可能性は低いため、反撃手段としていずれかの兵器を残すことができる」ということだ。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年3月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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