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ウクライナ避難の女性 日本のプラネタリウムで解説「母国、仕事、星空への愛から…」(2023年3月20日)
ウクライナから避難している女性が、故郷の星空を日本のプラネタリウムで解説している。生まれ育った町が破壊されるなか、解説を続けるその思いを聞いた。
■「ウクライナの空の下で」投影 避難民にも…
東京・足立区の施設にあるプラネタリウムで19日、星空投影が行われた。
「これから、ハルキウの夜空で見られる星座を紹介します」などと解説したのは、ウクライナ東部・ハルキウから避難してきているオレナ・ゼムリャチェンコさん(30)だ。
オレナさん:「星の話をしていると、自分がどこか別の場所にいるような気がします。問題や悩み、時には数分間でも戦争のことさえ忘れることができます」
幼いころから星を見るのが好きだったオレナさんは、大学院で物理学を専攻し、ハルキウのプラネタリウムに勤務していた。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、オレナさんは夫・ミハイルさんとともにチェコなどへ避難。その後、夫が親日家だったこともあり、去年5月に日本へやってきた。
「プラネタリウムで勤務していた経験を生かせる仕事をしたい」。そんな思いから、オレナさんはJAXA(宇宙航空研究開発機構)に直接連絡をした。
JAXAは、各地のプラネタリウムに情報を共有。そして、オレナさんに解説の仕事を打診したのが、足立区のプラネタリウム「ギャラクシティ」解説員・田部一志さんだった。
田部さん:「船橋のプラネタリムに、最初はお連れしたんですね。とても表情が暗かったんです。でも、(オレナさんが)操作台に立って星空を見た瞬間、表情が変わりましてね。やっぱり、プラネタリウムをやりたいんだなって」
そこで企画されたのが、ウクライナの星空をプラネタリウムに投影することだった。
19日に行われた「ウクライナの空の下で」と題した投影。オレナさんは、この星空を避難しているウクライナ人に見てもらいたいという思いがあった。
オレナさん:「きょうのハルキウでの日の入りは、5時45分です」
■星を通じた…日本とウクライナの“つながり”
ウクライナ東部ハルキウから日本に避難し、足立区のプラネタリウムで故郷の星空を解説するオレナさん。19日に行われた投影には、ウクライナから避難している人たちも招待されていた。
オレナさんは、こういった人たちに見てもらいたいと話す。
オレナさん:「ウクライナと日本の空は似ているところが多いんです。悩みについても、忘れることができます」
ハルキウと日本は緯度が近く、見える星が似ているという。
オレナさん:「オリオン座は、様々な文化や神話において、特に有名です」
日本でも見ることができるオリオン座のベルトにあたる三つの星。この星に日本とウクライナで、ある共通点があるという。
オレナさん:「オリオン座は、古代ウクライナでは『すき』や『金のすき』などと呼ばれ、昔から農業が盛んだったウクライナではすきは必要な道具でした。日本でも、昔オリオンの三ツ星をすきに見立てたようです」
星を通じた日本とウクライナとのつながりだった。
ウクライナからの避難民:「今までで見た中で、一番すごかった」「故郷の空を懐かしく思いました。ウクライナで星や太陽が見られる日が、早く戻ってほしいです」
オレナさん:「私は星を紹介することで、人の役に立てると思っています。故郷に帰ってきたような気がします。またプラネタリウムで解説をすることができて感動…。どう言葉にしたらいいか…言葉に表せないほどうれしいです」
オレナさんは、今後も避難してくる人たちへウクライナの星空を届けるため活動を続ける。
オレナさん:「私の母国への愛、仕事への愛、星空への愛から、皆さんが同じ様な気持ちになってくれることを願っています」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年3月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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