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“母親と離れたくない”児童保護の難しさ・・・小1次男殺害事件(2022年2月22日)
神奈川県大和市で、小学1年生の次男を殺害したとして、母親が逮捕された事件です。児童相談所が次男の保護を裁判所に求めたのにもかかわらず、却下されていたことが分かりました。
■一家で起きたことは?
大和綾瀬地域児童相談所・高須正幸所長:「今回、お子さんを殺人ということで、容疑者ということなので。何とも重く受け止めているところでございます」
次男の雄大さんの鼻や口を塞ぎ、2019年に殺害したとして、20日に逮捕された、自称・看護助手の上田綾乃容疑者(42)。
警察の取り調べに対し、「何もしていない」と容疑を否認しています。
徐々に、この一家で起きたことが分かってきました。
■児童相談所が2回保護
1回目は、雄大さんの兄と姉が生後間もない時期に、死亡したことが原因でした。この時、上田容疑者は「心肺停止の状態になった」などと自ら通報しています。
これを受け、2012年に児童相談所は、生後5カ月の雄大さんを一時保護していました。
2回目は2017年、1歳半だった弟が死亡したことがきっかけでした。再び保護された施設で、雄大さんは・・・。
大和綾瀬地域児童相談所・高須正幸所長:「一時保護していた施設の中で、母親に投げ飛ばされて、口から血が出たことがあった。それを数回、話していた。家では、お母さん怒ると、とっても怖い時がある。ということに加えて、その話をしていた」
児童相談所は、身体的虐待があるとして保護ではなく、施設への入所が必要と判断します。
児童相談所は、2017年から再び、次男を一時保護し、家庭裁判所に、施設で保護するための審議の申し立てをします。
しかし、家庭裁判所はこれを却下。2018年に次男は上田容疑者の元に戻されました。
一体なぜ、家庭裁判所に、雄大さんの保護が認められなかったのでしょうか。
■虐待の証拠が不十分
大和綾瀬地域児童相談所・高須正幸所長:「今までのお子さんが亡くなったことについて、保護者の責任だったというか、故意に何かをしたという根拠は全くないので。(家庭裁判所は)施設入所せず、在宅でやっていけばいいと判断した」
■一見問題のない家庭
虐待の痕跡がみられる一方で、普段は仲の良い親子関係だったといいます。
児童相談所などによりますと、上田容疑者と次男の様子を見るため、月に2回ほど、家庭訪問や面接をしていました。その際、特に問題は見られなかったといいます。
大和綾瀬地域児童相談所・高須正幸所長:「大変難しい家庭だと、今になれば思う。通常の養育自体には、問題が見られない家庭だった。なので、訪問を重ねれば、良好な養育をしていることが確認できるし、学校でのお子さんの状況であるとか、そういうものも問題がなく。子どもも、親と楽しくやり取りをしているシーンが見られたりと。そういうことが、通常の状態だった」
雄大さんも、上田容疑者と離れたくないという意思を示していたといいます。
大和綾瀬地域児童相談所・高須正幸所長:「一時保護中は、家に帰りたいと言って、かなり泣くことがあったりということで、なかなか家が嫌だという発言はなかった」
■児童保護は「権利侵害」
児童を保護する難しさについて、専門家は・・・。
渋谷青山刑事法律事務所・二宮英人弁護士:「(Q.子どもを親から引き離して、保護することは難しいのか?)一時保護というのは、強制的に親と子を引き離すという形。親と子、どちらに関しても、権利侵害という形になる。両者がどうしても、一緒に生活したいというのに、引き離す。国の判断で引き離すみたいになるのは、なかなか難しいということ」
(「グッド!モーニング」2022年2月22日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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