袴田事件の再審決定に不服 東京高検が特別抗告へ(2023年3月16日)

袴田事件の再審決定に不服 東京高検が特別抗告へ(2023年3月16日)

袴田事件の再審決定に不服 東京高検が特別抗告へ(2023年3月16日)

 いわゆる「袴田事件」で死刑判決が確定した袴田巌さん(87)の再審=裁判のやり直しを認めた東京高裁の決定について、東京高検が不服として最高裁に特別抗告する方向で検討していることが分かりました。

 袴田巌さんは1966年、当時の静岡県清水市で4人が殺害された事件で死刑が確定しましたが、無実を訴えて再審を求めていました。

 争点となっていたのは事件の1年2カ月後にみそタンクで見つかり、「赤み」が残っていたとされる5点の衣類についた血痕の色の変化です。

 東京高裁は今月13日の決定で「1年以上、みそ漬けされた衣類の血痕の赤みが消えることは専門家の知見によって合理的に推測できる」として、弁護側の主張に信用性があると判断しました。

 そのうえで、衣類をみそタンクに入れたのは「袴田さん以外の第三者の可能性が否定できない。第三者は事実上捜査機関の者による可能性が極めて高い」と指摘し、「袴田さんを犯人とした確定判決の認定に合理的疑いが生じる」として再審開始を認める決定をしました。

 その後の関係者への取材で、東京高検がこの決定を不服として最高裁に特別抗告する方向で検討していることが分かりました。

 特別抗告の期限である20日までに申し立てるとみられます。

 高裁決定を巡っては、弁護団などが東京高検に対して特別抗告しないよう申し入れをしていました。

 特別抗告された場合は改めて最高裁が再審開始の可否を判断することになり、審理が長期化することになります。
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