【独自】“元運び屋”激白「現金7000万円フィリピンへ」「小島と直接話したことある」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年2月3日)
日本からフィリピンに7000万円を運んだという男性が、取材に応じました。「渡邉と小島に渡る金だと聞いた」と話しています。
■警視庁「被害金額60億円以上、70人検挙」
今もフィリピンで収容中の渡邉優樹容疑者(38)、小島智信容疑者(45)ら4人。2日、渡辺容疑者と小島容疑者について、別の事件の裁判手続きが現地で行われ、次の日程が来週7日に決まりました。
フィリピン政府は「先に2人を送還する」としましたが、どういう形になるかはまだ不透明です。4人らがリーダーとみられるグループについて、警察庁長官は、次のように話しました。
警察庁・露木康浩長官:「被害金額が60億円以上に上っておりまして、これまで被疑者約70人を検挙しております」
およそ70人のうちの1人。3日午前7時すぎ、警視庁小金井警察署から出てきたのは、西本佑聖容疑者(22)。3日、検察庁に身柄を送検されました。
■「運び屋」していた可能性…数週間か滞在
一連の事件のうち、去年12月に東京・中野区で起きた強盗傷害事件に関わったとして、1日に逮捕された西本容疑者。宅配業者を装って住宅に侵入し、住人に暴行を加えて現金およそ3000万円を奪った疑いが持たれています。
犯行後にフィリピンに渡り、数週間滞在。帰国したところを逮捕されたといいますが、なぜフィリピンに渡っていたのか。
警視庁は、西本容疑者が金を奪っただけでなく、渡邉容疑者らがいるフィリピンに現金を運ぶ、「運び屋」をしていた可能性があるとみて調べています。
■元運び屋 渡航回数「5、6回」総額7000万円
現金の“運び屋”。単独取材に応じたのは、都内に住む男性。特殊詐欺事件で得た現金をフィリピンに運んだとして、おととし逮捕されました。
マニラに現金を運んだと話す男性:「持って行った回数は、たぶん5、6回」「(Q.総額は?)7000万円ぐらいじゃないですかね」
フィリピンに、7000万円を運ぶ。取材に対し、男性の口から出たのは、現金を運んだ先の相手の名前でした。
男性:「(Q.この人、知っていますか?)もちろん知ってます。優樹、渡邉優樹。小島とは、直接話したことがあります」
渡邉容疑者、それに小島容疑者。いずれも、グループのメンバーらの名前。男性に容疑者2人の顔写真を見せると、この人物のことだと証言しました。
男性:「当時は、まだ小島とか渡邉は、日本で全然名前(が知られていなくて)」
「運び屋」の仕事を男性に依頼したのは、知人のフィリピン人実業家だといいます。
男性:「(フィリピンの)マカティにあるホテルを渡邉のグループが買い取った。毎月の分割払いになっていたらしくて、そのお金をフィリピンに日本からの支払いの分だから持ってきてくれって、頼まれました」
当時は犯罪に加担するとも考えず、承諾してしまった男性。金を受け取ったのは、フィリピン人実業家に指定された東京・墨田区のホテルだったといいます。
男性:「封筒に入って、金が置いてあるんですね。少ない時が500万円くらい。多い時で2000万~3000万円くらいだったと思います」「(Q.どこから来た金かは分かっていた?)分かっていなかったですね。渡邉が、ガールズバーとか税金対策とか、そういう金じゃないかとは聞いていた」
実際は、高齢の男性からキャッシュカードを盗み、ATMから引き出された「詐欺で得た金」でした。男性がフィリピンに1度に運んだ最高額は5000万円。キャリーケースに入れて、機内に持ち込みました。
男性:「(Q.税関は、どのようにくぐり抜けた?)くぐり抜けたというか、日本の場合は聞かれたことありますね。ただ、ビルの不動産の支払いだって言ったら『全然大丈夫です』って」
■一連事件に通じる共通点「テレグラムやってます?」
こうして、フィリピンに持ち込んだ現金。マニラの空港に着くと、待っていたフィリピン人実業家にカバンごと渡したそうです。
男性:「警察の方か、空港の職員か分からないですけど、その人にカバンとか持ってもらって、普通に入国管理局抜けて、税関抜けて、到着ロビーに行くと、そこに待っているんです」
フィリピンに現金を運んだのは、2019年9月からの4カ月間。知らないうちに犯罪に巻き込まれ、逮捕。男性によれば、その後、不起訴になったといいます。
男性:「(フィリピン人実業家も)盗まれたお金とか、そういうの知らないで、多分やったんだと。最後は言っていましたね、『俺もだまされた』って感じで」
フィリピン人実業家も「犯罪に関わっていると知らなかったのでは」と話す男性。渡邉容疑者らのことを知っているか、その場で電話をしてくれました。
男性:「直接は知らないそうです。ビルを買ったり、購入したり、借りたりしたいので。その過程で、彼らと知り合いました」「(Q.それは、渡邉容疑者と小島容疑者のことですか?)そうですね。渡邉と小島のことです」
男性の話からは、今の一連の事件に通じる共通点もありました。
男性:「『テレグラムやってます?』って『いや、やってないです』って言ったら、『テレグラムのアカウント作ってもらえますか?』って、『別に良いですよ』って」
■実行役“闇バイト”なぜ応募? 生活苦抱え…
一連の強盗事件。実行役の多くが“闇バイト”の募集を見て集まってきました。
2日、懲役2年6カ月の実刑判決が言い渡された山口県岩国市であった強盗未遂事件の実行犯の1人、渡邉翼被告。犯罪に手を染めた経緯を記者に面会で語っていました。
渡邉被告:「ギャンブルで260万円くらい借金があって、ツイッターで『高額バイト』と検索した」
渡邉被告は借金返済の苦しさから、「高額バイト」の内容が強盗だと知った後も、金欲しさで、犯罪に加担したといいます。
渡邉被告:「(Q.何をするように言われた?)詳しいことは言えない。タタキの仕事などと、(現場で)連絡があった」「(Q.タタキの意味は知っていた?)知らなかった。調べたら『強盗』という意味だと知った」「(Q.どんな気持ちだった?帰ろうと思わなかった?)怖いなとは思った。でも、そもそも帰る手段がなかった。やるしかないと思った」
他の逮捕者も、「消費者金融から30万円近くの借金があった」「ホストクラブに浪費して生活が苦しくなりました」などの理由で、闇バイトに応募したといいます。
見えてきた共通点は、何らかの理由で、お金に困っていたという状況です。専門家によると…。
犯罪社会学者・廣末登さん:「やっぱり甘言に、釣られますからね。一日で30万円、50万円になりますよ。即現金、高額報酬とかね。おそらく携帯があれば、10分くらいで応募完了するんじゃないかなと」
■「周りに相談できず」“闇バイト”脱するには?
過去に“闇バイト”に手を染めた男性(40代):「(SNSの中だと)結構ね、優しかったりもするんですよね。優しく話とかも聞いてくれたりして、何かここで頑張ればっていう感じ」
この男性も過去、“闇バイト”に手を染めてしまった一人です。15年以上経った今でも、後悔しているといいます。
男性:「(当時)17万~18万円の給料。275万円の借金が、約9カ月間ぐらいの間にできちゃって」
“闇バイト”の内容は、他人の名義で複数の携帯を契約することだったといいます。
男性:「お金が欲しいって言って。仕事あるよって感じで『とりあえず、お会いしましょう』と」
なぜ、お金を稼ぐ手段が闇バイトだったのか。
男性:「社会で何らかのトラブルを抱えた人たちが、早急にそれの埋め合わせをするための手段みたいな。それを相談できないから、隠そうとして埋め合わせをするような感じ」
“闇バイト”に手を出し、高額な報酬を得たことで抜け出せなくなってしまったという男性。“闇バイト”を辞めるきっかけになったのは…。
男性:「逮捕ですね。30歳で逮捕されるんですけど、その犯罪(闇バイト)じゃなくて、薬物を売る犯罪で刑務所に行くんですけど」「(Q.捕まるまで、止められなかった?)そういうことです。利用されていただけなんだなとか、色んな感情が湧いてくるので」
逮捕されたことで、自分自身を見つめ直すきっかけになったといいます。
男性:「(Q.今後“闇バイト”などに加担しそうな気持ちは、一切ない?)ないです。周りに相談できる人とかもいなかったんですよ。でも、相談しない自分っていうのも、いけないんだと思って」
今は、周りに理解者が多くいることで、闇バイトに加担することはないといいます。
男性:「自分が刑務所に行ったということを理解していて。それを理解したうえで、助けてくれる人というの僕の周りに今、すごいいっぱいいるんですよ」
男性は今、出所者の更生支援の活動をしています。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年2月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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