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「第九」に込められた“平和への思い”…ウクライナ国立歌劇場管弦楽団が来日(2022年12月29日)
今年2月に始まり、いまだ終わりの見えないロシアのウクライナ侵攻。そんななか、ウクライナ国立歌劇場管弦楽団と合唱団が来日し、平和への思いを込めたベートーヴェンの「第九」を披露した。
■“侵攻”で一変…避難生活を強いられたことも
80代:「とても感動して、涙ぐみました」
70代:「こんなに、73年生きてきて、すごく感動したことは初めてです」
ウクライナ舞台芸術の頂点、歴史と伝統を誇り首都キーウを本拠地とする、「ウクライナ国立歌劇場」の管弦楽団と合唱団。
28日、5年ぶりの来日公演を行い「ベートーベン」の「交響曲第9番」を披露した。
公演前、合唱団のソリスト(メゾ・ソプラノ)の1人、アンジェリーナ・シヴァチカさんに、日本公演への思いを聞いた。
シヴァチカさん「(Q.侵攻があってから、具体的にはどういう動きをされていたのでしょうか?)(2月)23日に劇場で歌っていました。(侵攻開始の)24日に、娘に『空襲警報だ』と起こされました。(侵攻は)すべてすぐに終わると思って待っていました」
しかし、その後、シヴァチカさんの日常は一変した。小さな娘と息子とともに、家の中で避難生活を強いられたという。
シヴァチカさん:「5月末になり、劇場に戻ることができました。我が家に戻ったかのような、本当に幸せな気持ちになりました」「(Q.日本で、どんな歌声を届けたい?)私の仕事は、人に楽しみと幸せを届けることです。戦争が続いている今だからこそ、少しでもポジティブな気持ちを伝えたいです。この歌(交響曲第9番)は、平和について、友情について、非常にぴったりな歌だと思っています」
指揮者のミコラ・ジャジューラさん(61)も平和の尊さを「第九」に込め、タクトを振る。
ジャジューラ氏:「きょう、私たちは、その力が最も強いと思っている音楽を演奏します。それが、ベートーヴェンの“第九”です」
■直面する現実…平和の尊さ伝えるため来日
およそ5年ぶりの来日公演を開催している「ウクライナ国立歌劇場」の管弦楽団と合唱団。総勢160人にもなるオーケストラの中には、ウクライナ侵攻により来日できなかった団員もいたため、急きょ日本人も参加した。
指揮者のジャジューラさんは、今回の公演に、強い思いを抱き臨んでいた。
ジャジューラ氏:「(Q.どんな思いで、日本に来たのか?)心境は複雑です。今、私の国は戦争状態です。一人一人が影響を受けています。私たちにとっての前線は、この舞台です。誰もが、国のために何かをしなければいけません」
ロシアによるウクライナ侵攻後、歌劇場に所属するメンバーの半分が命を守るため国外に避難した。
しかし、芸術活動を続けてほしいという政府や国民からの強い要望を受けたという。
ジャジューラ氏:「人々に感動を届け、気持ちを変える。これこそ、音楽の力です」
ウクライナからの思いに応えるべくメンバーの多くは帰国し、5月には公演を再開したという。
指揮者として世界中を飛び回るジャジューラさん。その家族は今もキーウに残り、死と隣り合わせの生活を余儀なくされている。
そんななかでも日本にやってきたのは、ウクライナが直面している現実と平和の尊さを伝えるためだという。
ジャジューラ氏:「どんなに大きな壁でも、ウクライナで起きている悲惨なことを隠すことはできないんです」
選んだ曲は、自由や平和などの想いが込められたベートーヴェン交響曲第9番“歓喜の歌”だ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年12月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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