物価高で生活困窮…賃上げ訴え 英で看護師が大規模スト 救急隊員も(2022年12月21日)
深刻な物価高に直面しているイギリスで賃金アップを求めるデモが相次いでいます。看護師や救急隊員もストライキに突入する恐れがあり、公共サービスにも影響が出ています。
掲げられたのは「看護に対する公正な賃金」。20日、ロンドンの道を看護師が埋め尽くしました。
イギリスの王立看護協会が設立されて106年。今、その歴史の中で初めてとなる全国規模のストライキが行われているのです。
看護師：「賃金が私たちの貢献や物価高騰に見合っていません。3年間のコロナ禍で人々は感謝してくれましたが、今必要なのは公正な賃金です。同僚は生活が苦しくてフードバンクに行っています」「世話をしてくれる看護師には元気で健康で幸せであってほしいはずです」「『家賃はどうしよう』『子どもの食事はどうしよう』『来週は大丈夫か』など気にせずに仕事をしてほしいはずです」
低賃金のため、離職する看護師も少なくないと言います。人々への影響が非常に大きいストライキですが、沿道からは賛同する声が聞かれました。
ロンドン市民：「素晴らしい仕事です。政府はその仕事に対して正しい賃金を支払うべきです」
ストライキの背景にあるものは、多くの人が実感していることです。それは急激な物価高。イギリスの消費者物価指数は高い伸び率が続き、記録的な水準のインフレになっています。
ストライキに踏み切るのは看護師たちだけではありません。鉄道や空港、郵便や教員など多くの業種が賃金アップを要求しています。
旅行を予定する人：「26日に海外に行くつもりですが、国境警備や荷物係もスト中なので影響を受けるかもしれません」
旅行の予定がダメになるかもしれませんが、それでもストライキには理解を示しています。
旅行を予定する人：「労働者階級と中産階級は、かつてないほど圧迫されています。労働環境は良くならず、賃金は事実上カットされています」
駐車場に並ぶ救急車。運転席に座るのは、迷彩服を来た人たちです。救急隊員もストライキに突入する予定で急きょ、陸海空軍の兵士らが穴埋めに集められたのです。
看護師のデモ隊は、首相官邸の前まで来ました。チャールズ国王よりも資産が多いとされるスナク首相にその声は届くのでしょうか。
イギリス、スナク首相：「労組がストを呼び掛けていることに実に失望しています。本当にストが必要なのか、人々に影響を与えないようにできないか、考えることを強く求めます」
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
