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ケニアで「マサイ・オリンピック」開催 優勝者の戦士“ご褒美”は…女性に“モテる”(2022年12月13日)
世界がワールドカップで盛り上がるなか、ケニアでは「マサイ・オリンピック」が盛り上がりを見せていた。マサイ族の代名詞「垂直ジャンプ」など競技は様々。マサイの戦士たちが競技に夢中になるワケとは?
■マサイ・オリンピック 優勝者には“ご褒美”
FIFAワールドカップ2022もいよいよ大詰め。ベスト4が出そろい、準決勝が行われる。中でも注目なのは、アフリカ勢として初めてベスト4入りしたモロッコだ。
アフリカ中が歓喜に沸くなか、ケニアでは別のイベントも盛り上がりを見せている。
10日、キリマンジャロの麓で行われたのは、マサイ族によるスポーツの祭典、マサイ・オリンピックだ。
競技場には、出場選手だけでなく、きらびやかな衣装を身にまとった女性たちもいた。
競技の内容はというと、マサイ族の代名詞・垂直ジャンプに、やり投げ。こん棒を袋に入れる競技では、この男性が見事、袋に入れて優勝を決めた。
優勝者:「今回、この競技に初めて参加しましたが、優勝できてとてもうれしいです」
優勝者にはメダルや賞金が贈られるが、他にもうれしいことが待っているという。
参加者:「皆が真剣なのは、勝つことで得られるご褒美が欲しいのです」
徒競走で勝利した男性は、服を脱ぎ捨て、この喜びよう。勝者には一体どんなご褒美が待っているのか?
■“ライオン狩り”で通過儀礼 女性に“モテる”
このマサイ・オリンピックが開催されるようになった背景には、ご褒美が関係しているようだ。
ロイター通信によると、戦士としても知られるマサイ族の男性は、ライオンを狩ることで、その勇気と男らしさを示してきた。
これには通過儀礼としての役割に加え、ライオンを狩った戦士は女性から“モテる”そうで、戦士たちはこぞってライオンを狩っていたという。
すると、マサイ族のライオン狩りに加え、土地開発による生息域の減少や密猟によりライオンの数が激減してしまったのだ。
ライオンは重要な観光資源で、自らの首を絞める可能性もあり、マサイ族はライオン狩りの伝統を捨てる決断をした。
そこで、環境保護団体に相談したところ教えられたのが、「世界的にはスポーツが強い男は“モテる”」ということ。これが「マサイ・オリンピック」が生まれた理由だ。
つまり、VTRであったご褒美とは、女性に“モテる”ということだったのだ。
こうして、マサイ・オリンピックは2012年から基本的に隔年で開催されてきていて、今では金メダリストとなった戦士は尊敬と好意を寄せられる対象になっているという。
また、ライオンの個体数もアフリカの保護区以外では珍しく、安定もしくは増加傾向にあるという。
■“西洋文化取り入れ”土壌 生まれる好循環
なぜ、マサイ族は長い歴史があった伝統を捨てることができたのだろうか?
実は近年、マサイ族は西洋文化を積極的に取り入れていて、ほとんどのマサイ族は洋服を身に着け、携帯電話で話し、SNSなども利用しているという。
そのため、自然保護などの新たな価値感を受け入れる土壌がマサイ族の中にすでに作られていたというのだ。
また、マサイ・オリンピックの賞金で、都市部の大学へ進学する若者もいて、文化をアップデートする土壌がさらに育つという好循環が生まれているそうだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年12月13日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>



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