北朝鮮 ミサイル画像を一挙公開…緊張の最前線 延坪島にANNのカメラ(2022年11月7日)

北朝鮮 ミサイル画像を一挙公開…緊張の最前線 延坪島にANNのカメラ(2022年11月7日)

北朝鮮 ミサイル画像を一挙公開…緊張の最前線 延坪島にANNのカメラ(2022年11月7日)

 7日付の労働新聞で発射されたミサイルの写真などが一挙に公開されました。朝鮮半島では緊張感が増していますが、そこに我々ANNのカメラ、最前線の島に入っています。

 穏やかな海。すでに緊張感が漂います。韓国軍のエスコートを受け、島に上陸。道に干された干物。漁業をなりわいにしている人々の暮らしが垣間見えます。

 北朝鮮からわずか12キロほどの沖合に浮かぶ、韓国・延坪(ヨンピョン)島。島から一番近い陸地は韓国ではなく北朝鮮という、まさに最前線の島。2000人ほどの人々が暮らし軍事施設もある島です。

 のどかな島には12年前の痛々しい傷跡が残されていました。原型をとどめることなく破壊された四輪車。民家の壁や屋根も破壊されています。

 こののどかな島を12年前、悲劇が襲いました。

 12年前の11月、北朝鮮が島を突如砲撃。韓国も対抗射撃をする軍事衝突が起きました。民間人2人を含む4人が死亡するなど、南北分断後、最も大きい軍事衝突とされています。

 その痛みを忘れまいと、砲撃を受けた民家は今も保存され、安全教育などに生かされています。

 狙われたのは軍事施設だけではありません。メインストリートでは、運動場にも砲撃の跡があります。乱発するミサイル発射を受け、人々の緊張感も高まっています。

 延坪島の役場職員:「ここは避難所です。一番大きい場所で466人避難できます」

 北朝鮮からはミサイルだけではなく、砲弾が簡単に届いてしまう距離。12年前の軍事衝突を受け、防空シェルターなどが強化されています。

 延坪島の役場職員:「ここはもしもけが人がいた場合、治療ができる非常診療所です」

 体育館のような広さを持つシェルター。島に8つあります。図書コーナーや医療施設も完備し、実用的なつくりとなっています。

 延坪島の役場職員:「生物兵器の攻撃でも空気清浄機があるので大丈夫です」

 暮らしを脅かされる人々もいます。12年前、カメラの前で苦悩を語っていたのは漁師たちです。

 漁師:「その日暮らしの人にとって数日も漁ができないのは莫大な損だ」

 市場の人:「北朝鮮のやつらの仕業だからどうすることもできない」

 それもそのはず、海の境界線は南北に大きな隔たりがあります。海では軍事境界線はまだはっきり決まっていないのが現状です。

 日本とゆかりの深い料理もあります。

 若い世代でも人気となった「カンジャンケジャン」。ワタリガニを特製の醤油だれに漬け込んだ韓国料理です。

 海戦ポチャ トシオブ・田亀七社長:「(延坪島のある)西海(ソヘ)のカニが一番身も豊かでおいしい」

 カニ漁師:「今のところ収穫に支障はない。急に南北の関係が悪くなって最悪の状態になってしまうんじゃないか…。いくら備えをしっかりしても人が被害を受けることが心配です」

 その最高の漁場となるのが、韓国側が定めた北方限界線付近です。南北がお互いに牽制(けんせい)し合う海域に、中国の漁船も現れるという緊張感が高まる海域です。

 慶應義塾大学(北朝鮮政治)・礒崎敦仁教授:「北朝鮮側は『北方限界線』」を認めていない。全く違う海上の軍事境界線を主張している。そういったあいまいなところで韓国軍が軍事演習することで、(12年前)北朝鮮は警告を発し、砲撃した」

 エスカレートする北朝鮮軍の行動、その内容が明らかにされました。

 朝鮮中央通信:「米国と南朝鮮の無謀な軍事的狂乱によって朝鮮半島地域に生じた深刻な情勢の気流はさらに不安定な対決方向へ向かっている」

 26枚の写真とともに、米韓への批判が連なった記事。北朝鮮メディアは朝鮮人民軍が作戦内容を発表したと報じました。

 11月2日から4日間にわたり、ミサイルやロケット砲弾を発射。500機の軍用機を動員、すべて成功したと主張しています。

 失敗したとされる3日のICBM=大陸間弾道ミサイルについてはこう述べるにとどまっています。

 朝鮮中央通信:「敵をまひさせる特殊機能弾頭の動作検証のため重要な試射を行った」

 以前は大々的に発射実験を宣伝してきた北朝鮮。この報道を見ても、挑発のフェーズは明らかに変わったとしています。

 慶應義塾大学(北朝鮮政治)・礒崎敦仁教授:「今年の春ぐらいまでは新型ミサイルの開発・発射実験を逐一発表してきたが、いまはその段階の次にいっている。すでに開発したミサイルを配備して、実戦を想定した訓練の段階に入った」

 2日に発射され、韓国東岸の公海上に落ちた短距離弾道ミサイル。韓国軍は、その残骸とみられる物の回収に成功したと発表しました。

 韓国国防省:「残骸物1つを引き揚げて精密に分析中です」

 5日公開された米韓飛行訓練。黒い機体が空に舞う様子が映し出されています。

 「死の白鳥」の異名を持つ、B1B。音速を超えるスピードながら、多くの爆弾を積める“金正恩氏が最も恐れる”ともされる機体。

 北朝鮮は警告を発し続けています。

 朝鮮中央テレビ:「敵の大規模な連合飛行訓練は、事実上地域の緊張を意図的に高めるための公然の挑発であり、我が国を直接標的とする、非常に高い攻撃性を持つ危険な訓練である」

 お互い引く様子もなく、12年前のような衝突が起こりかねない状況だとしています。

 慶應義塾大学(北朝鮮政治)・礒崎敦仁教授:「北朝鮮側も韓国のいわゆる挑発行為に対しては対抗していくと示したわけだから、今後も収束のめどは立たない」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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