普天間基地の移設“黙認”現職が再選 名護市民の胸中は(2022年1月24日)
沖縄県名護市長選挙は普天間基地の移設反対を訴えた新人が破れ、現職が再選されました。
有権者:「辺野古(基地移設)は大事な問題かもしれないけど、そこだけでストップはできないと」「現市長が辺野古の基地について明言を避けたというところは、とても残念だったと思う」
基地移設問題で揺れる名護市民の選択は「黙認」の現職でした。
23日に投開票が行われた沖縄県名護市長選で勝利した現職の渡具知武豊氏(60)。
争点の一つとなっていたアメリカ軍普天間基地の辺野古移設については言及を避け、事実上「黙認」となっていました。
当選した渡具知武豊氏:「(基地移設は)県と国が裁判を繰り返しているなかで、私の置かれた立場は、この国と県との推移を見守る以外にないと思っていて、4年前と状況は変わっていない」
現在、辺野古で見つかった軟弱基盤を巡り、工事の停滞が続くなか、渡具知氏を後押ししていた岸田政権は今回の勝利を弾みに移設計画を加速したい考えです。
自民党・茂木幹事長:「沖縄では秋に知事選もあります。そういう選挙イヤーの大切な最初の選挙で大きな勝利を飾ることができた」
これまで基地移設計画を巡っては、県民投票で7割が「埋め立てに反対」するなど、明確なノーを訴えていた沖縄。
なぜ、基地「反対」の岸本氏を「黙認」の渡具知氏が破ることができたのでしょうか。
琉球朝日放送選挙担当・船越遼太郎記者:「当選した渡具知さんは(国と県の)裁判の推移を見守るとの姿勢で(移設の)賛否を示していなかった。結果として、辺野古の問題が大きな争点になりにくく、渡具知さんは基地建設による国からの再編交付金を使った給食費の無償化など、一期目で行った実績を強調し、その実績に一定の評価が集まった形と言える。今回の選挙では基地問題より地域振興や子育て政策といった問題に関心を寄せる有権者も多く、その意見が反映されたものとみている」
また、基地問題は沖縄だけの問題ではないと指摘します。
琉球朝日放送選挙担当・船越遼太郎記者:「日米地位協定の問題や在日アメリカ軍の駐留経費は日本側も負担するなど、日本全体が関わる問題なので、沖縄が置かれている現状やアメリカ軍基地の在り方など、日本全体で考える必要があると思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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