「加首相に“苦言・説教”」と報じられた習主席 カメラの前で極めて異例(2022年11月17日)

「加首相に“苦言・説教”」と報じられた習主席 カメラの前で極めて異例(2022年11月17日)

「加首相に“苦言・説教”」と報じられた習主席 カメラの前で極めて異例(2022年11月17日)

 G20で撮影された中国の習近平国家主席(69)とカナダのトルドー首相(50)の会話では、中身は習主席がトルドー首相に説教をするような内容で2人のやり取りが波紋を広げています。

 日本時間の16日に閉幕したG20サミット。首脳宣言が採択された直後、カナダのトルドー首相が中国の習近平国家主席を呼び止め、通訳を介して2人が話し始めました。

 それに気付き、カメラを回し始めたカナダのメディア。習主席の極めて珍しい姿を捉えました。

 中国・習近平国家主席:「適切ではない」

 通訳:「協議した内容が新聞に漏れています。不適切です」

 中国・習近平国家主席:「会話の内容が違います」

 通訳:「会話の内容が違います」

 中国・習近平国家主席:「誠意があるなら我々は誠実に対話します。そうでなければ結果は知りません」

 カナダ、トルドー首相:「カナダは自由で率直な会話をしたいし、今後もそうしたい。建設的な努力は続けますが、見解が異なることもあります」

 中国・習近平国家主席:「まず条件を整えなさい。条件を整えなさい。それでは」

 握手をして笑顔も見せたものの、習主席は明らかに強い口調でした。アメリカのCNNは「習主席が『説教』、会談内容リークに『苦言』」と報じています。

 ANN中国総局長・冨坂範明記者:「習近平政権は先月の党大会以降もメディアへの統制を強めています。G20会議といった報道内容も事前に宣伝部が細かく定めていて、今回のようにフリートークの場面が撮影されるのは極めて異例です」

 報道の自由を認める西側諸国と基本的に報道の自由を認めない中国との違いが象徴的に表れたシーンだと冨坂総局長はみています。

 実はこの2人、前日の日本時間の15日、約3年5カ月ぶりに会談したと報じられています。

 3年以上も会談が行われないほど、そもそも両国の関係は悪化しています。

 ことの発端は2018年、米中貿易摩擦のさなかに起きたファーウェイショックです。

 中国の通信機器大手「ファーウェイ」の孟晩舟副会長が違法な取引に関与した疑いがあるとして、アメリカ当局の要請によってカナダで逮捕されました。

 これに対し、中国はスパイ容疑で2人のカナダ人を逮捕。両国間の亀裂が深まります。

 去年、孟晩舟副会長が釈放されて2人のカナダ人も解放されましたが、今月に入り、カナダで行われた選挙に中国寄りの候補者を当選させるため中国側から資金提供などが行われていたとする選挙介入疑惑が新たに浮上していました。

 そんななか接触した中国とカナダ。

 カナダメディアによりますと、混み合った部屋の中で非公式に行われた会談は約10分。政府情報筋の話として、トルドー首相は中国がカナダの選挙に干渉した疑惑について懸念を示したと報じています。

 中国外務省・毛寧副報道局長:「(Q.習主席がカナダの首相と会談されたが、その内容は?)提供できる情報はありません」

 カナダと中国の両政府は非公式会談について公表していませんが、複数のメディアが報道。これを受け、習主席は「会談の内容が漏れている。しかも間違っている」とトルドー首相に抗議したとみられます。

 通訳:「協議した内容が新聞に漏れています。不適切です」

 中国・習近平国家主席:「会話の内容が違います」

 通訳:「会話の内容が違います」

 G20終了後の記者会見でトルドー首相は…。

 カナダ、トルドー首相(要旨):「ウクライナ侵攻や北朝鮮問題と同じく人権や選挙介入問題について懸念しています。これらの問題に関しては直接、対話する必要があり、カナダはその努力を続けます」

 一方、習主席は「対話したいのであれば環境を整える必要がある」と注文を付けています。

 中国・習近平国家主席:「まず条件を整えなさい。条件を整えなさい。それでは」

 中国外務省は日本時間の17日午後に行われた定例会見で「中国は他国の内政に干渉しない」とカナダでの選挙介入疑惑を否定、そのうえで映像について…。

 中国外務省・毛寧副報道局長:「習主席が誰かを批判している、非難しているとみるべきではありません。私は(トルドー首相への)脅しではないと思います」

 ANN中国総局長・冨坂範明記者:「今回、改善のきっかけを探ろうと非公式に会談を行いましたが、その内容がリークされ、さらにそのリークを注意しようとした今回の映像が撮られたため、後味の悪い結果となってしまいました」

 日本時間の17日夜、岸田総理大臣は習主席と対面では3年ぶりとなる日中首脳会談に臨みます。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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