【新たな局面】プーチン氏の狙いは?放射能ばらまき…「汚い爆弾」新兵器使用の可能性(2022年10月24日)

【新たな局面】プーチン氏の狙いは?放射能ばらまき…「汚い爆弾」新兵器使用の可能性(2022年10月24日)

【新たな局面】プーチン氏の狙いは?放射能ばらまき…「汚い爆弾」新兵器使用の可能性(2022年10月24日)

 侵攻から8カ月、ウクライナ情勢で新たな局面を迎えています。ウクライナで放射性物質をまき散らす新たな兵器が使われる恐れが出てきました。

 「ダーティーボム(汚い爆弾)」がウクライナで使われるのではないか。そんな懸念が高まっています。

 きっかけはロシアのショイグ国防相の発言です。

 記者:「ロシアの国防相の発言が懸念を呼んでいます。『ウクライナが汚い爆弾を使う』と警告したからです」

 ロシア国防省によりますと、ショイグ国防相はイギリス、フランス、トルコの国防トップと立て続けに電話で会談。それぞれにウクライナが汚い爆弾を使うことを懸念していると伝えたというのです。

 「汚い爆弾」は放射性廃棄物などに火薬を取り付けて爆発させる爆弾です。核兵器とは違って核爆発は起きませんが、爆風で放射性物質をまき散らします。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアがウクライナの仕業に見せ掛けて攻撃を実行する「偽旗作戦だ」との見方を示しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「もしロシアが電話して『ウクライナが何をしようと準備している』と言った場合、それはロシアがすでにその準備をしているということだ」

 ショイグ国防相はアメリカのオースティン国防長官とも電話会談をしていて、同様の内容を伝えた可能性があります。

 これを受け、米英仏3カ国は共同声明を発表。ウクライナが自国の領土で汚い爆弾を使う準備をしているというロシアの見え透いた虚偽の主張を拒絶すると表明しました。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「ダーティーボムというのは文字通り放射性物質をばらまくものですから、自分の国土で使う必要、扱うことはまず考えられないです」

 他にもロシアがウクライナの仕業に見せ掛けた「偽旗作戦」を実行しようとしているとみられていることがあります。

 南部のヘルソン州では、ウクライナ軍の反転攻勢が強まっています。

 ウクライナ兵:「やつらはヘルソン州を明け渡している。聞こえるように重機を移動させている」

 一方、ロシアはウクライナ軍がヘルソン州にある発電所のダムを破壊しようとしていると主張しています。これもロシアの偽旗作戦なのでしょうか。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシアのテロリストがカホフカ水力発電所に爆発物を設置したとの情報がある」

 ダムが破壊されれば大規模な洪水が起こり、80以上の集落が水没する可能性があります。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「効果としてはドニプロ川に架かる橋はすべて破壊されるだろうから、ロシア軍が撤収した後にロシア軍をウクライナ軍が追撃するのは難しくなる」

 ヘルソン州を占拠していたロシア軍は、すでに州の西部から撤退を始めているとみられています。

 南部と東部では奪還が進みますが、今のウクライナでは日が落ちた街に灯る明かりはわずかです。首都キーウのレストランでは、ロウソクが客席を照らしました。

 ロシア国防相・コナシェンコフ報道官:「本日もロシア軍は長距離誘導兵器でウクライナ軍司令部とエネルギー施設への空襲を続けた」

 ロシアはこの2週間、電力インフラに対する攻撃を続けています。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏「これまでもロシアは都市は攻撃してきた。その都市の例えば学校であるとか病院であるとか。民間人に対する被害は出続けてきたが、それだけでは効果が限られていた。都市を支えるライフラインのインフラを攻撃することで都市機能をまひさせていく。恐らくこれが有効であると判断したので、継続して攻撃を行っている」

 ウクライナ政府によりますと、22日に約150万世帯で停電が起きました。

 そして今後もロシアによる電力インフラへの攻撃はやむ気配がありません。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「有効であると分かった以上は弾がある限りやるでしょう」

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「テロの攻撃で破壊されたエネルギー施設を復旧するのは困難で時間がかかるが、少しずつ復旧活動を進めていく」

 冬になれば、ウクライナ各地の気温は氷点下を下回ります。

 アメリカ政府の高官は、ロシアが冬を兵器として使ってウクライナ国民を苦しめようとしていると非難しています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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