【五輪汚職】新ルートで3人逮捕 ADKが契約業務に関われるよう元理事が働きかけか(2022年10月19日)
東京オリンピックを巡る汚職事件が、さらなる広がりを見せています。東京地検特捜部は19日、組織委員会元理事の4度目の逮捕に踏み切り、さらに広告大手「ADKホールディングス」の社長ら3人を逮捕しました。
4回目の逮捕です。東京オリンピックの組織委員会・元理事の高橋治之容疑者(78)が、また逮捕されました。
今回は大会スポンサーの契約業務を巡り、広告大手「ADKホールディングス」側から賄賂を受けた疑い。
高橋容疑者はADKがスポンサー契約業務に関われるよう便宜を図り、ADK側から元理事のゴルフ仲間のコンサル会社に約2000万円の賄賂を入金させたとみられています。
契約業務に関わる…。
広告会社にとっては、どんなうまみがあるのでしょうか。
スポーツライター・小林信也氏:「やっぱり自分たちのクライアントを無条件で他社に預けることに抵抗があった可能性がありますね」
本来、大会スポンサーとの契約業務を担っていたのは「電通」です。
しかし、一部の業務は別の広告会社に再委託できる仕組みでした。
高橋容疑者はADKが契約業務に関与できるよう電通側に働き掛けたとみられています。
スポーツライター・小林信也氏:「仮に下請け的でもADKがクライアントのハンドリングをしながら、組織委員会につないでいくということは、やっぱりどうしてもしたいというのがあると思いますね」
賄賂を贈ったとされるADK側。
東京地検特捜部は社長の植野伸一容疑者(68)を含む3人を逮捕しました。
同様の構図で18日に起訴されたのが広告代理店「大広」の執行役員・谷口義一被告(57)です。
スポンサー契約業務に関与できるよう便宜を受ける目的で高橋容疑者に約1500万円の賄賂を渡したとされています。
谷口被告を知る人:「何の実績のない大広という会社がオリンピックに関わって実績を作っていくことが不思議である。なんでそんなことができるんだろうかという周囲からの疑問の方があった」
広がる五輪汚職。
特捜部は19日朝から、ぬいぐるみの製造・販売を行う「サン・アロー」の本社や幹部の自宅などを捜索…。
高橋容疑者はサン・アローから大会マスコットを販売できるよう依頼を受け、約700万円の賄賂を受け取った疑いが持たれています。
スポーツライター・小林信也氏:「オリンピックというすごくハードルの高そうなものに参入するには高橋容疑者のような人に頼らざるを得ない。頼ったらうまくいくのではないかと思わせたところに高橋容疑者の罪とうまさといいますか、あるんじゃないかと思います」
彼らにとってオリンピックとは何だったのか…。
アスリートの祭典は何に利用されたのか…。
元ラグビー日本代表で、大学でスポーツ教育学を教える平尾剛さんは、こう話します。
神戸親和女子大学教授・平尾剛さん:「主役がアスリートではなくて、スポンサーであったり運営側であったり、スポーツビジネスとしての大きなイベントに成り下がったと思っています。アスリートファーストと言いながらも放映権も含めてですね、お金のためのオリンピックになったと言ってもいいと思います。現役アスリートに関しては忸怩(じくじ)たる思いを抱いていると思います。スポーツ界も大いに反省しなきゃいけない。内部からの批判をしてこなかったということですよね」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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