【独自】狙われる「無人販売店」 窃盗被害相次ぐ…どう防ぐ?“魔法のポスター”効果(2022年10月12日)

【独自】狙われる「無人販売店」 窃盗被害相次ぐ…どう防ぐ?“魔法のポスター”効果(2022年10月12日)

【独自】狙われる「無人販売店」 窃盗被害相次ぐ…どう防ぐ?“魔法のポスター”効果(2022年10月12日)

 冷凍餃子に馬肉。“無人販売店”での窃盗被害が相次ぎ、経営者は頭を抱えています。どうすれば、被害を防げるのでしょうか?

■無人販売店“存続の危機”“深刻な事態”

 コロナ禍をきっかけに急拡大している無人販売店。人件費をカットし、安さを実現。いつでも営業している便利さも人気です。

 流通経済研究所・山崎泰弘常務理事:「コロナ禍で非接触で買い物できるようにする。24時間、客に対して商品を提供することができるのが、一番のメリット」

 しかし今、存続の危機を迎えています。

 一代元無人餃子販売所・室井豊和統括部長:「まずいですよね。成り立たなくなりますよね」

 ONIKUSTAND東大宮店・宮城紗穂オーナー:「お店の運営は正直、困難になってしまう」

 無人販売店のビジネスモデルを根幹から揺るがす、深刻な実態とは…。

■発案からオープンまで“わずか2週間”

 埼玉県の住宅街にある無人販売店。ここで買えるのが、「冷凍の餃子」です。

 地元で40年にわたって愛されている、こだわりの餃子。36個入りで1000円と、店で食べるよりもお得な半額以下の価格です。

 室井統括部長:「人件費もかからないので、ギリギリの値段でやらせてもらっています」

 客は券売機に金を入れ、食券を購入。隣にある大きな冷凍庫から餃子を自分で取り出す仕組みです。

 室井統括部長:「(無人販売を始めたのは)コロナが一番の原因です。うちは元々ラーメン屋なんですけど、閉店が続いたので、起死回生で1年ぐらい前から始めた。すごく反響があって、売り上げがいい」

 発案からオープンまでにかかった時間はわずか2週間。それを可能にしたのも、「無人販売」という業態だったためでした。

 室井統括部長:「(店舗を)出しやすいのは、出しやすい。5坪あれば、店舗はできます。有人(店舗)だと、倍ですよね」

 内装も必要最低限でよいため、初期費用も抑えられました。

 室井統括部長:「(有人店舗の)4分の1、5分の1くらいでできてしまいますね」

 今では28店舗まで拡大。店舗を増やしても、人件費が追加でかかることはありません。

 まさに良いこと尽くしに見える無人販売店ビジネス。しかし今、深刻な事態が起きています。

■窃盗事件相次ぐ…業態「成り立たない」

 無人販売店を狙った窃盗事件が、全国で相次いでいます。

 この店で盗まれたのは、餃子やシューマイなど13点。被害額は、合わせて1万1500円分です。

 経費を切り詰め、わずかなもうけでやりくりする無人販売店にとっては、「死活問題」です。

 室井統括部長:「ギリギリの値段でやらせてもらっていて。3、4個売らないと、1個盗まれたら取り返せない。まずいですよね。成り立たなくなりますよね」

 対策として防犯カメラを設置していますが、自動販売機のように、金を払わなければ、商品を手に取れないようにすることはできないのでしょうか?

 室井統括部長:「本当によくある質問なんですよ。何で、この店舗を始めたのかというところなんですよね。すごく経営が圧迫して大変な時に、これ(無人販売)をやろうとなって。券売機と冷凍庫を連動させると、莫大(ばくだい)な費用がかかるので、無理です」

■防カメ4台設置も…「馬肉」窃盗被害

 同様の被害は、他にもありました。

 さいたま市にある無人販売店で狙われたのは、「高級馬刺し」です。

 宮城オーナー:「霜降り肉ですね。甘みがあって、希少部位なので。数はたくさん取れるわけではない。1パック4000円なんですけど。4つなので(被害額は)1万6000円」

 この店では、死角がないように防犯カメラを4台設置。さらに、セルフレジをキャッシュレスにするなどの防犯対策をしていますが、それでも被害に遭いました。

 宮城オーナー:「万引きが増えていく一方だと、お店は続けられない。もしくは、値段を考えなければいけない」

■どうすれば?“魔法のポスター”効果

 全国で相次ぐ無人販売店での窃盗被害。どのような防犯対策をすればいいのでしょうか?専門家は、次のように話します。

 全国防犯住宅推進機構 トータルセキュリティアドバイザー・山口由衣さん:「犯罪者が一番気にしているのは、人の目になります。なので、比較的多数の方から見られていることを意識させるということで、抑止効果につながるんじゃないかと思っております」

 例え無人の店舗でも、人の目がある。これを強く意識させることがポイント。防犯カメラの映像を、従業員が今まさに見ていることを示すだけでも有効だといいます。

 山口さん:「『ライブ配信していますよ』というポスターを作って頂いて、お店の中でお客さんの目に付きやすい所に、大きく掲示して頂くということだけでも、効果がありますので。試して頂ければと思います」

(「グッド!モーニング」2022年10月12日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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