「設計制度がおかしい」アクセス集中に販売終了も…『全国旅行支援』始まる(2022年10月11日)
11日から、旅行代金を実質、割引きするなどして観光を後押しする『全国旅行支援』が始まりました。ただ、順風満帆の出だしとはならなかったようです。
受け付け開始から旅行最大手のJTBをはじめ、サイトにアクセスが集中し、つながりにくい状態になりました。大阪府、広島県では、初日から販売が終了。ほかの旅行サイトでも、予算枠の上限に達したため、岩手県、宮城県、山形県、愛媛県、宮崎県で終了となりました。
今回の予算は、約5600億円の国費が充てられます。運営の主体は都道府県で、それぞれの旅行会社や宿泊施設に分配。12月20日までの期限を待たずとも予算がなくなった時点で終了となります。
初日に販売終了してしまった山形県。
山形県:「第1弾として割り当てた16億円が尽きてしまったようだ。残っている29億円を早急に追加配分する」
混乱は、街の旅行代理店でも。ひとりひとりに、それぞれの要望があり、支援の対象になるのかどうか確認すべきことは山積みです。政府が設置した全国旅行支援の統一窓口に問い合わせようとしても、つながりません。つながっても、すべて解決するのは難しいようです。
飛鳥旅行・村山吉三郎社長:(Q.聞きたいことは全部解決か)いやいや、実を言うと、まだ山積みで。きょう来たお客さんの内容を把握して、また窓口に確認の電話をしないと。わからないどころか、全くわからない部分もある」
不満は、全国各地の旅行会社からも出ています。
ヴァケーション・濱順次社長:「国からの金がそれぞれの都道府県に下りてしまった関係上、それぞれの県のルールでやらないといけないので。制度設計が、国の制度がおかしいなと」
また、複数の宿泊施設を運営する企業によりますと、ある施設に振り分けられた予算は、宿泊するお客さん全てが支援を利用するとしたら、数日でなくなる規模感だったといいます。
斉藤鉄夫国土交通大臣:「スタートにあたって混乱しているところもあるとご指摘のようなものがあったことは承知している。事業者ごとに販売できる期間に大きな差が生じないよう販売実績等に応じて、関係事業者への予算配分や、既存予約の取り扱い等を、随時、見直すよう各都道府県に通知をしている」
予約の混乱をよそに、新千歳空港は、多くの人出にぎわっていました。クーポン券や旅行会社独自の割引で、かなりお得になるケースもあります。
女性:「1人あたり1万円は安くなると思う。6人で3泊分なので18万(安くなる)。おいしいものを、食べ物に回そうと思う」
旅行会社によっては、事前の予約に割引を適用したり、宿に、直接、連絡すると、支援を受けられたりすることもあるようです。
富士山を間近に見ることができる山中湖のコテージに、全国旅行支援を活用しようと家族連れが到着しました。神奈川からやって来た家族4人です。さっそく、全国旅行支援を受けるためのチェックを受けます。無事、ワクチン接種の証明書の確認が終了。12歳未満の子どもは、確認の必要がありません。
全国旅行支援の利用客:「もう、そこまで来るのに心配で、(割引)できるかどうかね。(Q.問い合わせは、いつまでした)つい、さっきまで、スマホで山梨県とかこちらとか、あと旅行会社にも電話したし、ネットでも調べた。ちょっと大変だった」
訪れて初めてわかった、うれしい誤算もあります。期間限定で山中湖村が独自で行っている『GоTo山中湖』と呼ばれる割引キャンペーンも合わせて適用されることになり、宿泊費は半額近くになりました。それに加えて、1万6000円分のクーポンも付きました。
全国旅行支援の利用客:「うれしいですし、助かる。いろいろ苦労したかいがある。何回もできれば来たい」
初日を迎えた宿泊施設。
シルバースプレィ・木全光さん:「正直、この日を待っていた。感染者が減ってきたなかで、こういう事業が行われることは、本当にうれしい限り。小さな宿で家族経営しているなかで、お問い合わせに1人付きっ切りになってしまうと人員状態といいますか、厳しいところはある。不安はすごく大きいけれども、お客さまが来てくれるなら、やれることは対応しようと思っている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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