『疫学調査をデジタル化』1人30分かかる調査の負担軽減 大阪の保健所の取り組み(2022年1月13日)
大阪府では1月13日、新たに2452人の新型コロナウイルス感染が確認されました。「第6波」を迎えた中、府内の保健所は対応に追われています。1月13日に大阪府豊中市の保健所を取材しました。
豊中市保健所では保健師らがひっきりなしの電話対応に終われています。
(電話対応する豊中市保健所のスタッフ)
「えらい(熱が)あがったんですね、40℃。仕事に行って、帰ってきたら熱が高かったということですかね。ワクチンも打っていないのが気になるんですけど、できたらホテル(療養)に行けるなら…」
大阪府豊中市の感染者数は、1月12日は1日69人で、ここ数日で急増。1月13日の朝から応援職員を含めて17人態勢で対応にあたっています。
(豊中市保健所の保健師)
「昨日もかなりこの辺のざわつきというか、電話の鳴り方が違う感じがあったんですけど。安全に市民の方を守らないといけないなというのがあるので、それが数が増えると、一気にできるのかなという不安はあります」
豊中市保健所では、コロナ患者に聞き取りをして、濃厚接触者の調査や入院が必要かを判断する「疫学調査」を行います。調査には1人の患者で30分以上かかり、市内で1日120人以上の感染が確認された“第5波”では対応が追いつかず、調査が手薄になるなどの課題が残ったといいます。
そこで始めた取り組みが『疫学調査のデジタル入力』です。電子申し込みシステムへの入力は患者自身だけでなく家族などが代理で行うことも可能で、基礎疾患があるかないかや症状などを簡単に打ち込むことができます。
(豊中市デジタル戦略課 原田裕司さん)
「(1月8日から)113件の回答がありましたので、多くの方にご利用していただいているのかなと感じております。保健師の作業をだいぶ削減できているので、『負荷を減らすことができている』という声はお聞きしております」
疑いも含めると大阪府の市中感染の8割ほどを占めるとみられる「オミクロン株」。豊中市ではこれまで15人のオミクロン株陽性者が確認されているということですが、保健所の所長は“無症状や軽症患者の多さ”にこれまでとの違いを感じ、疫学調査の対象など方針を見直す時期だと感じています。
(豊中市保健所 松岡太郎所長)
「重症になられて支援や医療的な処置が必要な方のケアに注力したいと思っていますので。できれば若い元気な無症状あるいは軽症の方については、あまり労力を割かなくてもいいような運用指針を出していただきたいと思っています。『5類相当』にするのが難しくても、今のままでも運用自体は変えられるのではないかと思いますので」
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