五輪汚職疑惑はどこまで…“横”に広がる可能性 “縦のライン”は?(2022年9月5日)

五輪汚職疑惑はどこまで…“横”に広がる可能性 “縦のライン”は?(2022年9月5日)

五輪汚職疑惑はどこまで…“横”に広がる可能性 “縦のライン”は?(2022年9月5日)

 東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件は今後、どこまで広がりを見せるのでしょうか。大会スポンサーだったKADOKAWAから逮捕された元理事の知人の会社に7000万円が支払われていたことが分かりました。

 容疑者の働き掛けはあったのか…。会長自ら取材に応じました。

 KADOKAWA・角川歴彦会長:「僕はね、思いがけない感じで戸惑っていることばかりなんです」「(Q.賄賂を渡した認識は?)全くありません。自分たちの精神を汚してまで仕事しろなんて言いませんよ」

 AOKI側から合わせて5100万円の“賄賂”を受け取った疑いが持たれている、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者。

 一連の捜査で新たに浮上したのが出版大手「KADOKAWA」です。

 KADOKAWAは東京オリンピック・パラリンピックの大会スポンサーとして、公式ガイドブックなどライセンス商品を出版・販売しています。

 関係者によりますと、KADOKAWA側はスポンサー契約後の2019年4月から、高橋容疑者の知人が経営する会社にコンサルタント料名目として合わせて7000万円を支払っています。

 高橋容疑者が便宜を図ったのでしょうか。

 角川会長は容疑者に会ったこと自体は認めています。

 KADOKAWA・角川歴彦会長:「僕が高橋さんと会ったのは組織委員会(のオフィス)。組織委員会の理事として会っているので。その時に名刺も差し上げたんだけど。長テーブルがあって議長席に高橋さんが座っていた」「(Q.その時に初めて会った?)そうです」「(Q.(会ったのは)五輪の何年前くらい?)そういうのすぐ忘れちゃうんですよ」

 高橋容疑者に会ったのは合わせて3回。

 そのなかでスポンサー契約できるよう「お願い」はしたそうですが…。

 KADOKAWA・角川歴彦会長:「出版関係の件でお願いします、ということでごあいさつした。あの人は理事なんだから理事にお願いするのは当然じゃない。組織委員会の理事なんだよ?」「(Q.高橋容疑者からは?)『結構ですね』と」「(Q.会った時に具体的な話は?)していない。それは現場がやっていますから」

 7000万円を振り込んだ高橋容疑者の知人についてはスポンサー業務を取りまとめる広告大手「電通」の関係者だと思っていたということです。

 KADOKAWA・角川歴彦会長:「(Q.知人の会社とはどういう名目の契約?)コンサルタント。全体のコンサルタントと聞いていますけど」「(Q.スポーツコンサルタント?)そうです」「(Q.『7000万円を高橋容疑者に…』と伝えたことは?)一切ありません」「(Q.会社の方が伝えた可能性は?)僕はそれはしていないと信じる」

 5日午前には別の企業にも特捜部が家宅捜索に入っています。関西に拠点を置く、広告代理店「大広」です。

 関係者によりますと、大会スポンサーの獲得業務は「電通」が担っていましたが、この業務の一部を大広に委託するよう高橋容疑者が電通側に働き掛けた疑いがあるというのです。

 その後、実際に委託先となった大広から高橋容疑者の知人が経営する会社に金銭が渡ったとみられています。

 大広は「当社はかかる事態を厳粛に受け止めるとともに引き続き当局の捜査に全面的に協力して参ります」とコメントしています。

 事件は今後、どこまで広がりを見せるのでしょうか。元東京地検特捜部の若狭勝弁護士に聞きました。

 元東京地検特捜部・若狭勝弁護士:「今回、名前の挙がっている3社以外にも同じような構図があるのだとすれば、さらに“横の広がり”を見せる可能性はあると思います。恐らく相当の数の企業から事情聴取をしていると思いますので、そのなかで金額が比較的、高くて便宜供与が見返りとしてなされたことが証明しやすいところに絞って立件していくという可能性が高いと思います。“横の広がり”の事件捜査としては長くても12月までであろうと。ただ何らかの政治家が関与しているとか“縦のライン”が出てくるともう少し長いスパンで捜査が継続される可能性はある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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