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欧州熱波で生態系に影響 人気のムール貝が不漁の危機(2022年9月5日)
記録的な暑さに見舞われたヨーロッパで海の生態系にも影響が出ています。フランスでは人気のムール貝が不漁で、さらに、サンゴが白く変色するなど事態は深刻化しているようです。
ベルギーとの国境に近いフランス・リール市。この週末、蚤の市に集まったお客さんのお目当ての一つは、山盛りの「貝」。
コロナの影響で、3年ぶりに開かれたムール貝を食べる伝統の祭り。
来場者:「天気もいいし、ムール貝とポテトフライを食べまくるよ」
2日間で500トンが消費され、観光客らはご機嫌ですが、こうした貝が「この夏の熱波」で「ピンチ」だといいます。
北西部のブリックビル。ムール貝は浅瀬の「杭」に巻かれた「ロープ」で育てられます。びっしりと付いた「杭」がある一方で、カニの被害に遭った杭には付いている貝はまばらとなっています。
養殖業の関係者:「(カニは)成長したムール貝を食べてしまう」
問題はカニが増えた原因。本来は1年に1回、卵を産みますが、「熱波」で「生態」が変わってしまったといいます。
北海地域・食用貝養殖業委員会、ロイック・メイン第1副会長:「海水温が上がって、年に2回産卵できるようになったからです。繁殖力が非常に強くなりました」
専門家によれば、ヨーロッパではこの夏「大気」以外に「海水温」も上昇。これは「海洋熱波」と呼ばれます。
ビルフランシュ海洋学研究所、フレデリック・ガゾー副所長:「海水温が6月から非常に高く、通常なら8月にしか到達しない値になった。本当に特殊な年です。今よく使われる科学用語でマリン・ヒートウェーブス。『海洋熱波』と呼ばれるものです」
フランスの気象当局によれば、ヨーロッパの海はどこも通常より高い「オレンジ色」。
特に地中海は「4℃から6℃」も高く、サンゴが海水温の上昇で白く変色する現象も起きているといいます。
漁師らによれば、「不漁の背景」には「渇水」もあるといいます。「海に流れ込む川の水」が減り、生態系に異変が起きたといいます。
北海地域・食用貝養殖業委員会、ロイック・メイン第1副会長:「水不足の影響で植物プランクトンが増えにくいことで貝も育ちにくくなる」
ビルフランシュ海洋学研究所、フレデリック・ガゾー副所長:「温暖化により高い海水温に適応した『他の種』に置き換わる問題もあります。今後、数年の間に種の絶滅が起こることを確信しています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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