「バックウォーター」現象で被害拡大 福井・約300戸が住宅浸水…道路寸断で孤立も【もっと知りたい!】(2022年8月9日)

「バックウォーター」現象で被害拡大 福井・約300戸が住宅浸水…道路寸断で孤立も【もっと知りたい!】(2022年8月9日)

「バックウォーター」現象で被害拡大 福井・約300戸が住宅浸水…道路寸断で孤立も【もっと知りたい!】(2022年8月9日)

 記録的な大雨により福井県で多数発生した住宅浸水は、「バックウォーター」現象が原因とみられることが分かりました。

■「バックウォーター」過去の災害でも発生

 鹿蒜川に架かる橋は周りが大きく削られ、橋も傾いています。

 堤防が決壊し、氾濫した川。道路には、大きな陥没がいくつもできていました。

 福井県の南越前町。5日までの大雨によって、多くの住宅浸水や交通網の寸断が発生し、被害が甚大だった地域です。その原因の一つと指摘されるのが、川の合流点付近で起きたバックウォーター現象です。

 南越前町では、本流の日野川に、支流の鹿蒜川が合流しています。

 バックウォーターとは、大雨による増水で、本流の水位が上昇した結果、そこに流れ込む支流の水がせき止められたり、逆流したりする現象です。

 住宅をのみ込みながら、町内を流れる大量の水。鹿蒜川の水が本流にうまく流れ込めず、氾濫が起きたとみられます。

 バックウォーター現象は、合流点や支流側で堤防の決壊を引き起こす原因となり、2018年の西日本豪雨や、おととしの九州豪雨でも確認されています。

■土手乗り越え住宅へ…一瞬で田んぼが川に

 バックウォーター現象によって、水位が増した鹿蒜川は、土手を乗り越え、住宅へと押し寄せました。

 あふれた川の水は、大量の泥とともに、集落や収穫前の田んぼを襲いました。

 被災者:「ダーッと流れてきて、ここが川になった。もう堤防ないでしょ。ここが川、波打ってね」「(Q.それが家に来た?)来た。もう一瞬」

 浸水した住宅は、床下・床上合わせ、およそ300戸。育ち始めた稲穂も、濁流になぎ倒されました。

 被災者:「すごいよ。一瞬のうち。農業してますけど、もうがっかり。全部、僕らの田んぼだけど。絶対良い米が取れると自信持ってやっとったんや。これ、来年もダメでしょ。復旧できん」

■8集落が孤立状態「3キロ歩き荷物運んだ」

 記録的な大雨から3日経った今も、土砂により道がふさがれて、車が通行できません。

 南越前町では、全面通行止めなど、27カ所で道路の通行規制が敷かれています。さらに、8つの集落の121世帯、およそ300人が、今も孤立状態となっています。

 南越前町出身の男性が連日、復旧作業のボランティアに来ていました。この日、運んでいたのは食料と水です。

 南越前町出身の男性:「(きのうは)道が寸断されていたので、今庄の町から、ここまで3キロ歩いて、荷物を持って運んで来ました」

 また、集落の泥かきや、洗濯物を持ち帰って、代わりに洗う手伝いなども行っています。

 南越前町出身の男性:「自分が生まれ育ったところなので、少しでも助けになればと」

 鉄道の復旧作業も急ピッチで進められています。

 運転見合わせとなっている、JR北陸線の敦賀から武生の間が、11日をめどに再開する見通しです。

(「グッド!モーニング」2022年8月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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