各地で大雨…新潟で“土石流” “大量倒木”が住宅直撃…橋崩落で消防車“立ち往生”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年8月5日)
今回の記録的な大雨の影響は東北、北陸と広い範囲に及びました。観測史上最大の雨が降った新潟県関川村では、橋が崩落して消防車が巻き込まれました。
■関東で天気急変“階段が滝のよう”
関東地方は4日朝から、断続的に激しい雨に見舞われました。
東京・六本木では、すぐ先が見通せないほどの激しい雨になりました。
千葉県でも、稲光の直後、激しい音とともに、すぐ近くの林に落ちた雷。木は一瞬で真っ赤になりました。
急激に雨が強くなってきました。フロントガラスにもバチバチと音を立てて雨が打ち付けています。まっすぐ行くと木更津駅に向かいますが、その道路で水がかなりたまっています。
■施設が浸水…電気・水道もストップ
各地に大きな被害をもたらした大雨。
降り始めからの総雨量が300ミリを超えた福島県では、甚大な被害が起こっていました。
喜多方市内では、磐越西線の橋が折れています。線路は、宙に浮いた状態で、折れた橋の部分は濁流につかっています。
地元の人:「鉄橋が流されるなんてことは、全く想定外だから驚いている」「(Q.普段はどのくらいの水かさなんですか?)普段はいっぱい流れていないです」
浸水被害に遭った高齢者施設では排水作業が行われています。建物の中から心配そうにこちらをのぞく人たち。喜多方市の特別養護老人ホームでは1階部分が水につかり、電気や水道がストップ。ホームの利用者114人が上の階へ避難しました。
施設長:「危険水域に達するのが、あっという間だったなと。早めの確認と日頃の訓練は大切だと感じた」
磐梯山の麓、猪苗代町でも、大きな被害が出ました。
国道115号線に面した建物は、川のほうに向かって足場ごと崩れています。
すぐ後ろには、大きな音を立て、流れ続ける濁流。川沿いに立っていた土産物店が地面ごと流されていってしまいました。
倒壊の様子を見ていた隣の店の人に、話を聞きました。
隣の店の人:「川は真っ黒で、どんどんものすごい音。川の水怖いくらい。土台がやられて流されちゃって、家がもたなくなって落ちた」
■復旧作業始まる 区長「こういう経験ない」
そんななか、すでに水が引いた地域では、復旧作業が始まっていました。
北塩原村小野川地区では、大量の石で埋め尽くされた道路がありました。山から流れてきた流木によって、川がせき止められて氾濫したといいます。
すぐ横の飲食店では、店内に入り込んだ泥の掃き出しが行われていました。
北塩原村小野川地区・佐藤明雄区長:「生まれて七十何年なるけど、こういう経験ない」
激しい雨が降り続き、東北や北陸を中心に観測した記録的な大雨。各地で甚大な被害が明らかになりました。
■福井に“線状降水帯” 昼でも先が見えず
福井県敦賀市では午前6時40分に、土砂災害警戒情報が発表されました。道路に激しく雨が打ち付け、行き交う車はヘッドライトをつけて走行しています。
4日、線状降水帯が発生した福井県。
大野市は、打ち付ける雨で、昼間だというのに、先がほとんど見えません。
冠水する道路に危険を感じたのか、パトカーも引き返していきます。
近くの川では、大きな音とともに濁流が流れ、道路は大きく削り取られていました。
■石川・河川氾濫で住宅街が冠水
4日、警戒レベル5にあたる緊急安全確保が出された石川県では、朝から雨が降り続きました。
白山市では、道路の脇の斜面から、濁流が滝のように流れ出ています。すぐ近くには、心配そうに見つめる住民の姿もあります。
近所の人:「本当にバケツをひっくり返したような雨でしたね。びっくりして、道路に出ましたら、もう川のようになっていました」
一時、氾濫危険水位を超えた手取川では、動画の撮影中に落雷が発生しました。
小松市では4日午後、梯川が氾濫。周囲が一面水浸しになり、車はヘッドライトがついたままです。
住民が撮影した動画には、濁流が街をのみ込む様子が残っていました。
梯川に面する小松市の中海地区では、住宅街が冠水。辺り一面が茶色い水に覆われ、建物の1階部分が水につかっています。
避難した住民:「1階のあの高さの半分くらいが水に埋まって。町が町じゃないような。これは普段の大雨とは全然違うと」
現場では、自衛隊や警察などによるゴムボートを使っての救出活動が、夜遅くまで続けられました。
住民:「『はよ出よう、はよ出よう』って言うて、下着だけ持って逃げた。恐ろしいだけやった。こんな目に遭ったことないもん」
市内の至る所で道路が冠水。行き交う車が水しぶきを上げ走っていきます。車を立ち往生させてしまった人は、次のように話しました。
車の運転手:「(Q.どの辺まで水が来た?)車の扉ぎりぎりぐらいまでですね」「ブレーキ踏んで、その瞬間、発進しようと思っても、そこでもうエンジンも全部ダメになって」
■新潟県の一部地域で“観測史上最大の雨”
新潟県でも、「これまでに経験のない大雨」による被害がありました。
荒川沿いにある新潟県村上市の小岩内地区は、土石流に襲われました。土砂とともに流されてきた大量の倒木が住宅を直撃。
路上には、濁流に流されてきたのか、住宅の屋根の部分と、ひっくり返った車があります。車には電線やがれきが絡み付いています。
流れてきた木で電柱は傾き、倒壊する建物も相次ぎました。
家の中まで流れ込んだ大量の泥。住民の女性によれば、50年住んでいて初めてのことだといいます。
住民の女性:「午前中に(掃除して)きれいになったけどね。あと何していいか分からない。ごちゃごちゃだったからね」
この地区では、80代の男性1人が足にけがをしましたが、行方不明者や死者は出ていません。
4日未明にかけ、猛烈な雨が降った新潟県。24時間雨量の最大は、村上市で410.0ミリ、関川村で560.0ミリと、共に観測史上最大を更新しました。
関川村の湯沢温泉地区で撮影された映像では、濁流がまるで川のように道路を流れ、断続的に雷が光る様子が捉えられています。
一夜明けた湯沢温泉地区。濁流に流された複数の車が倒木に埋もれ、商店の1階部分には、深い爪痕が残されていました。
さらに、現場に向かっていたとみられる消防車も立ち往生してしまいました。
■土砂崩れ“線路”“国道”を埋め尽くす
土砂災害も相次ぎました。
山肌が茶色くむき出しになっているのは、土砂崩れの跡です。そして、恐らく田んぼが広がっていたと思われますが、土砂でまっ茶色、何も見えなくなっています。
土砂は、線路も埋め尽くしました。
完全に線路が土砂で埋まっています。水もまだ流れています。踏切がどのようにあったのか分からないほど土で覆い付くされていますが、警笛だけが鳴っています。
現場近くでは、国道を埋め尽くした土砂の搬出作業が行われていました。
ちょうど土砂崩れの時に車が走っていたのでしょうか。下の部分が土砂に埋まっている車があります。ちょうど土砂に襲われた車のようです。
現場作業員:「(Q.撤去するのに、どのくらい時間かかる?)読めないです。すごい土砂もありますし、木の根っことか建石とかが入り組んでいるので。やっと動かしている状態なので、2、3日はかかるんじゃないかな」
■山形・橋が崩落…行方不明者も
7つの市と町に「大雨特別警報」が出された山形県。
飯豊町では、JR米坂線の橋が崩れ落ちました。
また、3日夜には橋の崩落で行方不明者も出ています。大雨で川に架かっていた大巻橋が跡形もなく崩落。濁流で、川の近くに立つ建物の足場が大きくえぐられているのが分かります。
この橋の崩落で、車1台が川に転落。不明者の捜索活動が4日夕方まで行われましたが、発見には至っていません。
■最上川氾濫…2年前も旅館被害
3日から降り続いた雨で氾濫した日本三大急流の一つ、最上川。
中流域に位置する山形県大江町左沢地区では、住宅への浸水被害が相次ぎました。
最上川沿いの住宅街です。道路には、川からあふれた水がたまってしまっています。
氾濫から一夜明け、がれきや土砂の撤去作業に追われる住民たち。建物の地下部分が水につかった温泉旅館の壁には、くっきりと浸水の跡が残っていました。
あてらざわ温泉湯元旅館・柏倉京子女将:「急激に来ました。やっぱり油断できないんだなっていうのがね」
客室部分は被害を免れましたが、地下に設置しているボイラー室が浸水したため、温泉が使えなくなったという湯元旅館。2年前に最上川が氾濫した際もボイラー室が冠水して、温泉が使えなくなる被害に遭っています。
あてらざわ温泉湯元旅館・柏倉京子女将:「また2年前と同じになっちゃったんだなっていう感じで。ああ、またかっていうのが実感でしたね」
お盆の繁忙期を迎え、多くの予約が入っていたという湯元旅館。復旧に向け、ようやく軌道に乗り出した矢先の浸水被害に、女将からは落胆の声が上がりました。
あてらざわ温泉湯元旅館・柏倉京子女将:「こんな状態でお風呂も使えないから、キャンセルをお願いしなきゃいけなくなる。復旧して、これから頑張らなきゃって思ってる矢先に、同じような時期で、同じような被害になって。ダメージ続きです」
総務省消防庁によりますと、4日午後の時点で山形、福島、青森、新潟、石川、福井の合わせて6県で、一時およそ54万人が避難対象になりました。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年8月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く