【侵攻4ケ月】EU入り前進も…ウ軍が東部要衝から撤退 戦地で迎える新たな門出(2022年6月24日)

【侵攻4ケ月】EU入り前進も…ウ軍が東部要衝から撤退 戦地で迎える新たな門出(2022年6月24日)

【侵攻4ケ月】EU入り前進も…ウ軍が東部要衝から撤退 戦地で迎える新たな門出(2022年6月24日)

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって4カ月、激戦が続く東部戦線で大きな動きがありました。要衝のセベロドネツクからウクライナ軍が撤退すると州知事が表明。今後の戦況にどのような影響があるのでしょうか。

 長さ30メートルに及ぶウクライナ国旗が広げられ、その上には次々とEU(ヨーロッパ連合)諸国の国旗が重ねられました。

 ブリュッセル在住のウクライナ人:「ウクライナにとって大きな一歩です。すべてのウクライナ人にとって伝説的な日です」

 場所はブリュッセルのEU議会前。「ウクライナにとって大きな一歩」はこの日、ここからほど近いEU本部で刻まれました。

 加盟国27カ国の首脳らが集まって協議をしたのです。全会一致で決定されたのは…。

 EU・ミシェル大統領:「ウクライナとモルドバを加盟候補国として認めることを決定しました」

 ウクライナとモルドバをEU加盟候補国とすることです。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「加盟候補国として認められた。これは勝利だ。(侵攻開始から)120日間、(独立から)30年間、この日を待っていた。これで敵を打ち負かせる。休息が取れる」

 EUの決定を勝利だと歓迎したゼレンスキー大統領。ツイッターへの投稿でも「またとない歴史的な瞬間」「ウクライナの未来はEUの中にある」と強調しました。

 今の侵攻につながるクリミア半島の一方的な併合やロシアの後押しを受けた武装勢力によるウクライナ東部の占領は、そもそもロシアがウクライナとEUの接近を阻止するために起こしたことです。

 これからは加盟交渉が始まりますが、国内法の改正なども必要で、実際に加盟するまでは通常10年程度かかります。その間に戦争は終わるのでしょうか。

 今月24日で、ロシアが侵攻を始めてから丸4カ月がたちました。

 ゼレンスキー大統領:「2000もの教育機関が破壊されたことを想像してほしい。どれだけの人、どれだけの命がそこにあったのか。2000もの数、誰が大学や学校、幼稚園を砲弾で撃つ必要があるのか」

 北東部ハルキウの集合住宅に突き刺さっていたのは重さ500キロにも及ぶ不発弾です。慎重にクレーンでつり上げ、運び出します。

 ウクライナ東部では、落ちてきた砲弾があちこち残されたままです。

 ルハンシク州ではロシア側がセベロドネツクの大半を手中に収め、隣接するリシチャンシク周辺へも攻勢を強めています。

 ウクライナ軍参謀本部・報道官:「占領者はギルスケ村を制圧しようとしています。ミコライウカは突撃で制圧されました」

 ルハンシク州のハイダイ知事は24日、SNSの投稿で「残念ながらセベロドネツクから部隊が撤退する」と表明しました。果たして、戦況に変化はもたらされるのでしょうか。

 ウクライナのレズニコフ国防相はアメリカの高機動ロケット砲システム「ハイマース」がウクライナに到着したとツイッターで明らかにしました。ハイマースは従来の兵器より大幅に長い射程を持ちます。

 レズニコフ国防相はアメリカへの感謝を述べたうえで、こう書き連ねています。

 レズニコフ国防相:「ロシアの占領者にとって暑い夏となるだろう。そして最後の夏になる者もいるだろう」

 アメリカが提供したハイマースは4基。23日、アメリカ国防総省はさらに4基のハイマースを提供すると発表しました。

 アメリカ国防総省・カービー報道官:「アメリカは4億5000万ドルの追加軍事支援を行います。これにはハイマースも含まれます」

 ロシアによる侵攻は、いつ終わるともしれません。戦火のなか、若者たちは新たな門出を迎えています。

 戦地ウクライナで若者たちが乗っているのは破壊された戦車。実は高校の“卒業写真”として撮影されたものです。

 場所はロシア軍の砲撃で廃墟と化した街・チェルニヒウ。地元の高校を卒業する学生たちをウクライナの写真家が撮影しました。

 爆撃で外壁が崩れ落ちた住宅で同級生とともにポーズを取ります。変わり果てた故郷を背景にして記録した卒業写真。参加した学生の思いは…。

 高校の卒業生(17):「つらかったけど、このような現実で私たちが生きていることを見せたかった」

 ロシア軍が侵攻して4カ月。ウクライナは6月が卒業シーズンです。

 東部ハルキウではウクライナ軍が立ち会うなか、卒業生たちが記念のダンスを披露。戦地で迎える門出をドレスアップして祝います。

 学生たちはこの4カ月、思春期ならではの「葛藤」と、「未来への希望」を抱いて過ごしてきました。

 番組は首都キーウの高校を卒業したばかりの女性を取材。

 キーウの高校を卒業・ヴェロニカさん(17):「初めまして、ヴェロニカです」

 日本語の勉強もしているというヴェロニカさん。

 一時はポーランドに避難していましたが、故郷に帰国。今月15日、キーウの高校で卒業証書を受け取りました。

 しかしその後、予定していた卒業パーティーは中止に…。

 キーウの高校を卒業・ヴェロニカさん:「ウクライナでは食品を買うお金がない人もいるなかで卒業を祝うなんて…よろしくないこと」

 当初はドレスアップしないつもりだったといいますが、母親の友人に勧められ…。

 キーウの高校を卒業・ヴェロニカさん:「良い思い出になるように、戦争中でも楽しめるようにと勧められた。私は納得していなかった。でも、試しに着替えて鏡を見た時に、卒業式で絶対に着ると決めた」

 プロのスタイリストとカメラマンに依頼し、故郷・キーウの街でドレス姿を記録。同級生も誘い、卒業アルバムを作ることにしたのです。

 人生の岐路に立つヴェロニカさん。いまだ戦乱が続くなか、国外への避難はしないと決断しました。

 キーウの高校を卒業・ヴェロニカさん:「キーウ国際大学に入学したい。不安も感じているが、ウクライナの経済を復興しなければならない。平和になって、いつもの生活に戻ってくれることを期待している」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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