元島民「安全な操業に懸念」北方領土でロシアの動き活発に・・・水産業に打撃(2022年6月1日)

元島民「安全な操業に懸念」北方領土でロシアの動き活発に・・・水産業に打撃(2022年6月1日)

元島民「安全な操業に懸念」北方領土でロシアの動き活発に・・・水産業に打撃(2022年6月1日)

北海道根室市から目と鼻の先にある北方領土。先月、択捉島で初めて戦勝記念式典が行われました。ロシア兵による模擬戦闘や戦車やミサイルが披露されるなど、ウクライナ侵攻後、ロシア軍は、北方領土での動きを活発化させています。

日本を“非友好国”に指定したロシア。日ロ関係の悪化が住民の暮らしを徐々に脅かし始めていました。

北方領土の最も近くに位置する根室市。人口の4割が水産業に従事し、ロシアが領海を主張する海域で漁をする人も多くいます。

佐藤祥史さん(54)もその一人です。佐藤さんは、親子3代、北方領土・貝殻島のコンブ一筋で、漁を続けてきました。

本来であれば、6月1日に解禁される貝殻島のコンブ漁。この時期に採れるのは“棹前昆布”と呼ばれ、若くて柔らかいのが特徴です。日本とロシアが民間協定を結んで、毎年、漁を行ってきましたが、今年は、日ロ関係の悪化によって交渉が大幅に遅れ、準備すら進めることができません。
佐藤祥史さん:「いつもは準備も終わって、漁に出るばかりになっている。今年は、もう全然。めどが立たないとなると、生活もかかっているし、収入もないので不安」

しかし、不安は生活の面だけではありません。今後、漁に出られたとしても、安全を確保できるのかが、いま、最大の課題となっています。
佐藤祥史さん:「だ捕されないかというのは、ちょっと不安はある」

かつて、ロシア当局にだ捕されたことがある飯作鶴幸さん(79)。漁業交渉にも参加し、ロシアとの対話の難しさを知り尽くしています。
飯作鶴幸さん:「ロシア側から非友好国のレッテルを貼られてしまったので、ロシア200カイリの中での操業が安心安全に行えるかどうか。やはり戦後、いろいろなだ捕事件もあり、私もだ捕された一人。私たちは、今までロシアと何もなく、すべてが平和裏にここまできたということではない」

北方領土・色丹島出身の飯作さんは、ビザなし交流の団長を務めるなど、長年、ロシアとの交流を深めてきました。それだけに現在の状況に複雑な思いを抱いています。
大越キャスター:「国と国との関係でいうと、日本は制裁を科している側。漁業交渉の妥結が制裁する国の方針と矛盾する可能性。その難しさもあるか」
飯作鶴幸さん:「国のすることについては全く同感だと思うし、それなりに我慢するところはしなければならないと思うが、その対応もしっかりと国でしながら、我慢するところはしてもらう。特に一次産業は、絶対、一夜にして元に戻る産業ではない。そういうところも考えていただければありがたいと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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