「生きねば」地雷で両足失った女性 病院で“ウェディングダンス”(2022年5月6日)

「生きねば」地雷で両足失った女性 病院で“ウェディングダンス”(2022年5月6日)

「生きねば」地雷で両足失った女性 病院で“ウェディングダンス”(2022年5月6日)

 地雷による負傷で両足を失ったウクライナの女性が結婚式を挙げました。一度は人生に絶望したこの女性が夫となった男性と病院でウェディングダンスを踊る姿が世界中で話題となっています。

 ウクライナ南部のマリウポリでは5日、がれきの撤去作業が行われていました。

 そして、電信柱に取り付けられたのはロシア国旗。

 作業を主導したのは、ロシアの後押しで一方的に独立を宣言したウクライナ東部の自称・ドネツク人民共和国です。

 自称・ボランティア:「人道支援で公園とモニュメントを修復しています。マリウポリの市民が5月9日のパレードを祝えるようにするためです」

 ロシアの対ドイツ戦勝記念日である5月9日。この日を前にマリウポリの「ロシア化」を進めようということなのでしょうか。

 マリウポリに残るウクライナの拠点はアゾフスタリ製鉄所だけです。

 立てこもる衛生兵は悲痛な訴えを口にしました。

 アゾフ大隊衛生兵:「人々がけがや飢えによって苦痛のなかで死んでいます。薬が足りず、ひどい状況にあるためです。時間がありません。私にあすが来るのかも分かりません」

 アゾフ大隊・パラマル副司令官:「3日連続で敵がアゾフスタリ製鉄所の敷地内に侵入し、激しい血みどろの戦いが続いています。ロシア軍は再び攻撃停止の約束を破り、地下に避難している民間人の脱出を妨害しています」

 地下に隠れる市民が救うことはできるのでしょうか。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「アゾフスタリ製鉄所に対するロシアの攻撃が続いている。女性や子どもたちなど民間人を救う必要がある。多くの子どもたちが残っている。この地獄を想像してほしい。2カ月以上、砲撃、爆撃が続き、ずっと死者が出ている」

 国連のグテーレス事務総長は新たな救出作戦が進行中だとしています。

 国連・グテーレス事務総長:「3度目の作戦が進行中だ。だが失敗を避けるため、詳細については差し控える」

 アメリカの国防総省はロシア軍が東部での支配地域を拡大させるため、部隊がマリウポリから移動していると分析しています。

 米国防総省・カービー報道官:「マリウポリに展開していたロシア軍の地上部隊の大部分は北に移動したと分析しています」

 ロシア軍の侵攻は多くの人々の人生を一変させました。

 抱き合って踊る2人の若い男女。東部出身のオクサナ・バランディナさん(23)とビクトル・バゼリフさん(23)です。

 オクサナさんは1カ前に両足を失いました。3月27日、地元のルハンシク州のリシチャンシクで2人で出掛けた帰り道、地雷と見られる爆弾を踏んだのです。

 オクサナ・バランディナさん:「生きていたくありませんでした。こんな人生は生きたくありませんでした。2人の子どもに、この姿を見せたくありませんでした。家族の重荷になりたくありませんでした」

 現実を受け入れたオクサナさんは治療を受け、西部・リビウの病院へと移りました。

 ドイツに渡り、義足を作るためです。

 オクサナ・バランディナさん:「支援のお陰で受け入れられました。生きねばなりません。まだ人生の終わりじゃない。神様が生き残らせたなら、それが運命です」

 2人は10代のころから交際し、2人の子どもを育てています。

 「いつかは結婚しよう」。ずっとそう思っていましたが、ビクトルさんは今回の件で今がその時だと決意しました。

 ビクトル・バゼリフさん:「彼女を失うのが怖かった。泣きたかったけど、泣けませんでした。ショックを受け、何が起きたか理解できませんでした。愛する人を失うのが怖かったんです」

 ウェディング・ドレスを着たオクサナさんは病院のスタッフらの祝福を受け、ビクトルさんとダンスを踊りました。これが結婚して初めてのダンスです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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