“死の白鳥”B1Bを投入 北朝鮮への圧力強めるアメリカ 最大の懸念は?専門家解説(2022年11月4日)

“死の白鳥”B1Bを投入 北朝鮮への圧力強めるアメリカ 最大の懸念は?専門家解説(2022年11月4日)

“死の白鳥”B1Bを投入 北朝鮮への圧力強めるアメリカ 最大の懸念は?専門家解説(2022年11月4日)

韓国軍は、4日午前11時ごろから午後3時ごろまでに、レーダーが、北朝鮮の軍用機のべ180機分の動きを探知したと発表。対抗して、韓国軍もF35Aなど80機あまりを緊急発進させました。

3日夜、弾道ミサイル3発に加え、日本海に80発余りの砲撃を行った北朝鮮。その理由は、アメリカと韓国が先月31日から行っている、空軍の合同訓練です。

北朝鮮が3日朝、ICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられる長距離ミサイルなどを発射したことから、延長が決まりました。

また、それにともなって、韓国メディアが“死の白鳥”と呼ぶ、アメリカ軍のB1B戦略爆撃機が新たに投入されます。

B1B戦略爆撃機は、音速を超えるマッハ1.2というスピードで、グアムから朝鮮半島まで2時間で到達可能。敵レーダーに探知されにくいステルス機能をあわせ持ち、敵陣に侵入して大量の爆弾を投下することに特化した爆撃機です。

2017年に北朝鮮が初めてICBM『火星14』を発射した後も、朝鮮半島の上空で射撃訓練を実施。“金正恩総書記が最も恐れる爆撃機”と言われてきました。

東亜日報(今年6月):「金総書記は以前から、アメリカの戦略兵器が朝鮮半島に入ってくることを極度に警戒していた」

B1Bを投入する狙いについて、専門家はこう話します。

海上自衛隊元海将・香田洋二氏:「航空兵力による北朝鮮に対する対応という意味では、一番強い対応。北朝鮮が一番攻撃してほしくない目標について、確実に攻撃をすると示しているのがB1Bの配備。例えば、平壌の金正恩総書記の居住地域とか、一連の政治経済の中枢、北朝鮮の象徴である太陽宮殿なども含め、アメリカはいつでも攻撃できると」

オースティン米国防長官は「米国や同盟国へのいかなる核兵器攻撃も容認しない」として、北朝鮮が核兵器を使った場合“金正恩政権が終焉する”とけん制しています。

以前は、特定の地域から早朝に撃つことが多かった北朝鮮。今週は日中や夜も含めて、様々な場所からミサイルを発射しています。

海上自衛隊元海将・香田洋二氏:「(短距離弾道ミサイルは)北朝鮮の北部や西海岸で撃ったり、東部や南部で打ったりしているので、完全に実戦配備は終わっている。これは何を意味するかというと、北朝鮮からみて韓国全土が確実に射程に入る」

長距離ミサイルについても…。

海上自衛隊元海将・香田洋二氏:「きょうあすではないが、目標の半分を達成して、残る半分についても道半ばくらいまで来ている。北朝鮮自身の自信の表れで、少しアメリカに対して強く出ている」

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香田洋二氏によりますと、アメリカの最大の懸念は、金正恩氏の意思ではなく、緊張状態がピークに近づくなかで、現場の指揮官のとっさの判断による“偶発的な衝突”だといいます。

例えば、非武装地帯周辺の上空を旋回している米韓の偵察機を誤って撃墜したり、北朝鮮の潜水艦が米韓の軍艦を攻撃するなどです。

アメリカはこうした事態を避けるため、対話を始めることを求めていますが、香田洋二氏はこのように分析しています。

香田洋二氏:「北朝鮮はアメリカへの抑止力を高めるため、ICBMの発射実験を今後も継続へ。核実験という最大のカードを切るタイミングを見計らっている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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