「脱炭素先行地域」決定 応募した自治体に密着 結果は・・・(2022年4月26日)

「脱炭素先行地域」決定 応募した自治体に密着 結果は・・・(2022年4月26日)

「脱炭素先行地域」決定 応募した自治体に密着 結果は・・・(2022年4月26日)

 山口環境大臣:「本日26件の提案を脱炭素先行地域として選定しました。先行地域が起点となって全国各地へ脱炭素ドミノがつながることを期待しています」

 26日、環境省から発表があった「脱炭素先行地域」。電力消費に伴う二酸化炭素の排出を2030年までに実質ゼロにする地域です。

 さいたま市や川崎市、名古屋市など大都市のほか、町全域の脱炭素化を目指す北海道上士幌町や、新潟県佐渡市など離島の取り組みも入りました。

 このうち横浜市は、みなとみらい地区のおよそ半分の建物を脱炭素化する計画です。

 横浜市・山中竹春市長:「(みなとみらいは)エネルギーの消費量が大変多い地域になっています。照明のLED化を前倒しするなど、徹底的な省エネを進めます」

 今回、応募した地域は79。そのうちの一つ、栃木県那須塩原市に向かいました。

 那須塩原市気候変動対策局・黄木伸一局長:「那須塩原市の気候変動対策局になります。合計9人ですね」

 市役所の最上階に陣取るのは、温暖化対策や再生可能エネルギーに取り組む「気候変動対策局」。2020年に設置されました。

 那須塩原市気候変動対策局・黄木伸一局長:「我々、本当に小さい自治体なんで、大きなことはできないですよ。身の丈に合ったできることからまずやっていこうと。ただ、ハードルは高いと重々承知しています」

 那須塩原市の脱炭素先行地域の計画は、この旧青木家別邸がある道の駅と広大な敷地のあるサッカー場に太陽光パネルを設置、そこから災害時に指定避難所になる小学校につなげて電力を融通するものです。

 那須塩原市気候変動対策局・黄木伸一局長:「災害時でも電力供給ができるような形で脱炭素化を図るとともに、災害力向上を図るようにしたい」

 規模は大きくはありませんが、脱炭素と災害時に強いまちづくりを一気に目指そうという計画です。

 局長には、秘める思いが。先行地域候補の小学校の隣には・・・。

 那須塩原市気候変動対策局・黄木伸一局長:「牧草畑ですね。(那須塩原市は)生乳生産本州一の町なんです。酪農家さんっていうのは牛を飼って乳を搾るのに電力を必要とするんですね。それが災害等で停電した場合、そういうのができなくなってしまう」

 計画では地域で作った電気を地域の酪農家にも融通し、いざという時、停電を防ぐことも視野に入れています。

 この取り組みで地域の課題の解決も考えていました。

 那須塩原市気候変動対策局・黄木伸一局長:「昔、省エネって我慢したじゃないですか。そうじゃなくて、脱炭素化は我慢じゃないんだと。脱炭素化をすることによって、例えばその電気代が節約になったりとか、快適な生活が送れるとか、そういうメリットがある。ドミノ倒しって想像すれば分かるんですけど、最初のひとつ小さい。我々の小さなり組みが少しずつ広がって全国に広がっていけばいいなと」

 住民はどう捉えているのでしょうか。

 青木地区に住む、人見忠夫さん(75):「市からの説明だと、余剰電力がある時に蓄電しておいて、足りなくなった時にまたそれを流してくれるということですから。酪農家としては大変期待してるんじゃないかと思います。私もその一員なんですが」

 人見さんは青木地区で2代にわたって酪農を続けています。忘れられないのは11年前。

 青木地区に住む、人見忠夫さん:「3.11の停電の時は皆、廃棄です。売れなくてね。今はもう電気がないと牛乳生産、出荷・売ることができないと思いますよ。この地域の人はそういうこと(停電対策)で期待してる人は多いと思いますよ」

 今月26日の那須塩原市。脱炭素選考地域の選考結果が出ました。

 那須塩原市気候変動対策局・向井崇主査:「今回は不採択」

 79地域の応募がありましたが、第一弾の選考に通ったのは26。那須塩原市は入っていませんでした。

 那須塩原市気候変動対策局・向井崇主査:「単純に結果だけで言えば残念。大きいところでは目指す方向は同じ。次回、目指せれば」

 脱炭素先行地域は今後、およそ3年で100以上選定される予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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