【解説】急増オミクロン株 潜伏期間は?濃厚接触者は?

【解説】急増オミクロン株 潜伏期間は?濃厚接触者は?

【解説】急増オミクロン株 潜伏期間は?濃厚接触者は?

新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者の急増に伴って濃厚接触者も急増し、自宅待機となることで、社会活動への影響も危惧されています。こうした中、「濃厚接触者の待機期間の見直し」が検討されています。

■新規感染者が1万3000人超え

12日の全国の感染者は1万3252人となり、およそ4か月ぶりに1万3000人を超えました。また、13日、大阪でおよそ2400人となる見通しで、新たに過去最多となった県は、沖縄で1817人、山口で218人、広島で805人、新潟で220人などとなっています。

今回、感染拡大のスピードがものすごく速いです。

全国の感染者グラフで、第5波の時をみてみますと、去年6月21日に一旦、1000人を下回りましたが、翌日の6月22日から再び1000人を超えて、7月29日に1万人を超えました。1000人台から1万人を超えるまでの期間は、37日でした。ただ今回は、今月4日に1000人を超えてから急速に増え続け、わずか8日後の12日に1万人を超えました。1000人から1万人になるまで、およそ1か月だったのが、1週間になっています。

感染者が1万人を超えた時の重症者数を比較してみます。7月29日の時点では、626人だったのに対して、12日は125人と、およそ2割にとどまっています。

■進行するオミクロン株への置き換わり

オミクロン株の拡大については13日、東京都の感染状況を分析する会議で、専門家が次のように指摘しました。

国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師
「デルタ株からオミクロン株への置き換わりが進行していると思われます。感染が急速に拡大しますと、医療従事者、エッセンシャルワーカーを含む全ての都民が、感染者や濃厚接触者となるリスクが高まります。その結果、社会活動の停止を余儀なくされる可能性があります」

感染力の強さは海外のデータからも指摘されてきましたが、日本でも実際の数字として、その凄まじさがみえてきました。

東京都で変異株がどれくらいの期間で他の株から置き換わっていくかを示したグラフをみると、例えば、東京で初めてアルファ株が確認されてからは、12週間ほどで急速に増え始め、14週目に半分を超え、21週目には9割になりました。

また、アルファ株より感染力が強いとされたデルタ株は、最初の確認から7週目頃から急増し、11週目には半分を超えて、15週目頃には9割超になりました。

ではオミクロン株はどうかというと、2週目で9.1%、3週目で49.1%になりました。今週10日までの最新の数字では83.9%になりました。わずか数週間で、あっという間にデルタ株から置き換わっているのが分かります。

■濃厚接触者の待機期間短縮を求める声相次ぐ

オミクロン株が急拡大する中、濃厚接触者の待機期間について、短縮などの見直しを求める声が相次いでいます。

12日、全国知事会では緊急提言をまとめ、「(感染者・濃厚接触者の)対象者の短期間での増大によって、社会機能の維持継続に支障を及ぼしつつあることも踏まえ、エビデンス(根拠)に基づき、改めて検討すること」と、待機期間の見直しを求めました。

濃厚接触者が急増すれば、救急や消防など、なくてはならない社会機能の維持が難しくなります。

これについて13日、動きがありました。

岸田首相
「濃厚接触者の隔離期間等についても、必要に応じて対応していくことも考えていきたい」

新型コロナウイルスの濃厚接触者は現在、14日間の自宅などでの待機が求められていますが、政府はオミクロン株に感染した人の濃厚接触者の待機期間について、短縮する方向で検討を進めています。

■オミクロン株の潜伏期間は?

オミクロン株については新しいデータが出てきていて、国立感染症研究所の発表によると、「オミクロン株の潜伏期間は、これまでの株よりも短い」ことが分かりました。潜伏期間とは、感染者と接触してから発症するまでの期間のことです。WHO(=世界保健機関)によると、これまでの潜伏期間は1日から14日で、多くは5日から6日でした。

今回、国立感染症研究所が沖縄県でオミクロン株に感染した50人を調べたところ、症状があって、接触歴が推定できた17人の潜伏期間は2日から5日で、中央値は3日でした。

これがどういうことかというと、濃厚接触者が「本人も感染したかどうか気づかない、分からない、症状が出るのでは」と、どきどきしながら待つ時間が短くて済むということなのです。このため、こうした濃厚接触者の待機期間も短くしていいのではないかということです。

厚生労働省の専門家会議は、感染研のデータなどをもとに、待機期間を短縮する提言を出す方針です。

オミクロン株がかつてないスピードで世界中を席巻しています。拡大のスピードが速いということは、それに対応する私たちの側のスピードも求められることを意味します。

医療機関に負担をかけないために、濃厚接触者などへの対応をどう見直すべきなのか。国の決定にもスピード感が求められています。
(2022年1月13日放送「news every.」より)

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