「爪で刺された」襲撃の瞬間 キノコ採り中にクマと遭遇…“人身被害”過去最悪ペース【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月13日)

「爪で刺された」襲撃の瞬間 キノコ採り中にクマと遭遇…“人身被害”過去最悪ペース【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月13日)

「爪で刺された」襲撃の瞬間 キノコ採り中にクマと遭遇…“人身被害”過去最悪ペース【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月13日)

 今年はクマによる人身被害が過去最悪のペースになっています。これまで目撃情報が少ない地域や市街地の公園などでも出没しているといいます。

■「爪で刺された」親子グマに遭遇 緊迫の20秒

 クマに襲われた 佐藤誠志さん(57):「モノは良い。状態は良い。最高です。全然、虫が入ってないです」

 先月29日、岩手県岩泉町の山中で、趣味のキノコ採りを楽しむ男性。

 佐藤さん:「きょうも、マイタケに当たらない可能性があるので。食べられるモノは採っていきましょう」

 キノコ採りの様子を頭に付けたカメラで撮影していると、突然、男性が前方のやぶに向かって叫びます。

 佐藤さん:「おい、コラ!」

 威嚇しながら木の枝を手に後ずさりします。すると次の瞬間、クマが襲い掛かってきます。

 飛び掛かってくるクマに持っていた棒で必死に応戦。時間にしておよそ20秒。男性は襲い掛かるクマを何とか追い払いましたが、息は上がったままです。

 佐藤さん:「(クマの)親子連れにあってしまった…くそ!」

 クマを追い払った後、傷の痕を確認してみると…。

 佐藤さん:「ひっかき。爪で刺された。あとはキバ(の傷)が4つ、3つかな」

 鋭い爪が体に届いていたようです。

■襲われた男性「どの瞬間かまれたか分からず」

 今回、男性が逃げながらも応戦を選んだのは、地元猟師からクマと遭遇した時の対処法を聞いていたからです。

 動物の気配に気付き、声を上げた時、親子連れのクマが見えたといいます。

 佐藤さん:「次の瞬間に、子グマが木に登ったんですよ。そして母グマが顔を出したんです。よく聞いていたんです。『木に子グマが登ったら襲われると思え』子グマを木の上に避難させたことは(母グマが)攻撃するしかないというポーズ」

 子グマが木に登ったのを見て、母グマが襲ってくるに違いないと覚悟した男性。

 佐藤さん:「来なかったらラッキーと思って、後ずさりしながら太いミズナラの木に隠れたけど、ちゃんと来ましたよね、回り込んで。本当に速くて、どの瞬間にかまれたか分からない。クマが行ってから自分の血を見て『あ、かじられたんだ』という感じ」

 男性は、今回の経験をもとに次にキノコ採りに行く時は、小型のサイレンを鳴らす対策を取るつもりです。

■比内地鶏が被害 秋田県内の食害は93件

 北秋田市では、先月から連日のようにクマの目撃情報が寄せられていました。

 この付近には比内地鶏およそ400羽を飼育する養鶏場があり、今月3日朝、職員が出勤すると…。

 養鶏場の職員:「鶏が外に出ていたので、ちょっとおかしいなと思って。女性の職員と一緒に見たら、鶏舎の中で食べられた鶏とかいまして。25年ぐらい養鶏場をやっているが、クマ被害は初めて」

 クマが、養鶏場を襲撃。鶏舎の周りは二重の防護ネットで囲われていましたが、出入りできる従業員用の扉を開けて侵入したとみられています。

 その翌日、仕掛けていたおりに、クマが入っているのを確認。体長およそ1メートルの雌グマだったといいます。

 養鶏場の職員:「おりをかじったり、手でガリガリやったりして、暴れてすごい勢いでした。おなかを開けたら鶏がいっぱい入っていた」

 鶏舎を襲ったクマとみられ、駆除されました。

 この養鶏場では、比内地鶏、合わせて27羽が襲われ、被害総額はおよそ30万円に上りました。

 警察によりますと、今年、秋田県内で確認されているクマの食害は93件で、去年の同じ時期の6.2倍に急増しています。

■罠にかかるも…おりをこじ開け逃げるクマ

 クマの出没は東北地方以外でも…。

 三重県では、おりの中で暴れる1頭のクマ。紀北町では、イノシシ用の罠として仕掛けた鉄製のおりに「クマが1頭かかっている」と通行人から連絡がありました。

 クマを目撃した人:「歩いていたらガサガサというもんで、おりの方を見たらクマみたいなやつがいた」「立ち上がったら1メートル80センチくらいあるんじゃないかな」

 おりがあったのは、住宅が立ち並ぶ地域から数百メートルしか離れていない場所。いったんは捕らえられたクマでしたが、逃げようとしているのか、手や口を使っておりを壊そうとしているようにも見えます。

 クマを目撃した人:「暴れた、暴れた、すごい」「(Q.どんなふうに暴れた?)ガシャガシャ言うてね…」

 連絡を受けた町役場の職員や猟友会のメンバーが、現場に駆け付けて対策を練っていたところ、クマはおりをこじ開けて逃げていったといいます。

 クマを目撃した人:「首が頭が出たって言っていた、おりから。逃げろって言って、みんな逃げた」

 クマの行方は今も分かっておらず、町は防災無線などで注意を呼び掛けています。

■寺境内にもクマ「クルミ食べる音が…」

 北海道でも、クマの目撃が相次いでいます。

 フェンス越しにこちらの様子をうかがうクマ。先週、北海道根室市の養鹿場に現れたのは体長2メートルはあろうかという巨大なクマです。

 周囲で音を出しても驚く様子を見せませんでしたが…、従業員が爆竹を投げ、ようやく追い払うことができました。

 今年は、道南でもクマの目撃が相次いでいます。

 墓地の中を歩く大きなクマ。その大きさは墓石が隠れるほど。時折、何かをかみ砕いている音も聞こえます。

 近くの別の寺でも目撃されました。先月、松前町の中心部にある寺の敷地内で撮影された映像です。

 寺の男性が帰ってきたところ、庭にクマがいたといいます。

 別の日には、白昼堂々歩く親子グマの姿がありました。地面に落ちている何かを食べている様子が確認できます。それはクルミです。

 この寺では先月、連日クマが目撃されたほか、クルミを食べるバリバリという音が聞こえたり、フンなどの痕跡が見つかったりしているといいます。

 専念寺 福島重さん:「異常ですね。圧倒的に数が違う。連日うちの境内に入ってくるようなことはなかった。クルミを食べるので、バリバリというか、その音がかなり響き渡る」

 実はこの2つの寺は、桜の名所として知られる松前公園の近くにあり、多くの観光客が訪れる公園の中にもクマ出没の痕跡が見つかっているといいます。

 福島さん:「クマのエリアもあって、うまいこと距離感とバランスをとれたような状況を作り出すことが多分大事だと思うんですよね。地域全体で考えていかないといけない問題なんだろうなと」

 松前警察署によりますと、今年のクマの目撃件数は74件。すでに去年の6倍以上に急増しています。

■“餌不足”冬眠前にクマ出没 今後も危険大

 酪農学園大学 佐藤喜和教授:「今年の秋の餌(えさ)が、不作また凶作という地域が多くて。人里周辺とか、農地とかそういったところも現れやすくなってるんじゃないかなと思います」

 餌不足のため、クマによる人身被害が過去最悪のペースになっているといいますが、この状況はいつまで続くのでしょうか?

 佐藤教授:「冬眠するちょっと前までは、熱心に餌を探して、よく食べるという時期が続くと思います。市街地とかの人が住む場所の近くでも木の実が落ちてたりとか、木に(実が)なったりすれば、クマが来る可能性があると思って、注意して日常生活を送っていただくということだと思います」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年10月13日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事