牽制か・・・バイデン大統領ポーランド訪問中 近くの街“ミサイル攻撃”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年3月28日)
ウクライナとロシアの停戦協議が、トルコのイスタンブールで行われることが明らかになりました。
一方で、ロシアは、アメリカのバイデン大統領が訪問中のポーランドに近いウクライナ西部の街・リビウにミサイル攻撃するなど、攻防が激化しています。
■「バイデン大統領に“あいさつ”」
避難所を訪問したアメリカ・バイデン大統領：「私たちは、あなたたちを助けます」
ポーランドに避難したウクライナ人女性：「ありがとうございます。私たちは、あなたを信じています」
バイデン大統領：「この戦いは、数日や数カ月で、勝利を得られるものではない。これからの長い戦いに備える必要がある」「（プーチン大統領は）権力の座にとどまるべきではない」
バイデン大統領は、“強い言葉”でプーチン大統領を非難しました。
ポーランド訪問に合わせたかのように、国境からわずか70キロにあるリビウでは・・・。
CNN ドン・レモン記者：「ロシアによるとされる空爆で、施設が炎上しています。燃料の貯蔵庫やタンクがあって、危険な状態です」
リビウ近郊の燃料貯蔵所や防衛関連施設が、ロシア軍の攻撃を受け、炎上。5人が負傷しました。
リビウ市長：「本日の攻撃は、現在ポーランドに来ているバイデン大統領への“あいさつ”として行われた」
リビウ市長は、バイデン大統領のポーランド訪問を牽制（けんせい）した攻撃だとの見方を示しました。
■英記者の取材中・・・ロシア軍が襲撃
ロシア軍に包囲されているウクライナ北部のチェルニヒウ。イギリスの取材クルーが襲撃されました。
車でその場を離れますが、砲撃音が鳴り響きます。取材クルーは襲撃から逃れ、安全な場所へ・・・。避難した民間人の中には、足を負傷した人もいました。
銃撃を受けた民間人：「私は1人で、チェルニヒウに来た。民間人の車は、完全に破壊され、遺体もたくさん転がっていたよ。私たちの国は、あなたたちの助けが必要だ」
街の至る所に突き刺さるミサイル。チェルニヒウでは、首都キエフへの物資調達に向かうための橋が破壊され、一帯が孤立する懸念が高まっています。
砲撃を受けたバスは、テープで修理するしかありません。
■マリウポリ 劇場1000人避難 300人死亡
ウクライナ南東部の街・マリウポリ。ウクライナ当局は、ロシア側が、市民、およそ1万5000人を強制移住の対象にし、少なくとも6000人を実際に移住させたと発表しました。
撮影者：「爆撃後の劇場の様子です。ミサイルは劇場の中心に当たった。今、皆、避難しようとしている」
ロシア軍の空爆を受けた、マリウポリの劇場。空爆直後の映像が公開されました。
撮影者：「我々は、1階にいたので無事だったけど、恐らく、がれきの下には避難していた多くの人々がいると思います」
劇場には当時、女性や子どもなどおよそ1000人が避難していたといいます。
劇場で空爆を受けた女性：「私たちの上に、レンガや壁の破片が崩れてきました。その後、皆、走ったり、叫んだり、親を呼んだり、子どもが母親を捜したり・・・」
この空爆で、少なくとも300人が死亡したといいます。
■“激戦地”防衛・・・アゾフ連隊幹部語る
激しい攻撃にさらされているマリウポリ。その地で、ロシア軍と攻防戦を続けているのが、ウクライナ国家親衛隊所属の準軍事組織「アゾフ連隊」です。
マリウポリを守るアゾフ連隊の元隊長で、現在はキエフなどのアゾフ連隊を指揮しているマクシム・ゾリン司令官が戦況を語りました。
マクシム・ゾリン司令官：「ロシア軍は、マリウポリを全滅させても、気にしないでしょう。1日に100個ほどの爆弾が落とされ、ほぼ30分おきに砲撃があります。そして毎日数回、沖に停泊しているロシア軍の艦船から砲撃も行われています。つまり、街全体が絶え間ない攻撃にさらされている状況なのです」
アゾフ連隊は2014年に、極右政治家が創設した民兵組織。その後、正式にウクライナ国家親衛隊に組み込まれました。
「マリウポリに必要なのは、包囲からの解放だ。ウクライナの英雄や街を救わなければいけない」
■主要都市で・・・アゾフ連隊「最期まで戦う」
マリウポリ以外の主要都市でも、ロシア軍と戦闘を続けている「アゾフ連隊」。その大きな武器の一つとなっているのが無人機・ドローンの活用です
マクシム・ゾリン司令官：「民間・軍事用ドローンを非常に多く利用し、目的に応じて使い分けています。現在の軍事技術の進歩に後れを取らないことが非常に大切。そこが、ロシア軍とは大きく異なる点で、彼らはまるで旧ソ連時代のような戦い方をしています」
各地の前線で相次いでいるロシア軍の将官クラスの戦死。ウクライナの内務省顧問は、「ロシア軍のミチャエフ少将をアゾフ連隊が殺害した」と発表しています。
マクシム・ゾリン司令官：「ロシア兵は士気が低いため、前線に非常に多くの将官クラスを送り込んでいる。彼らは（士気の低い）兵士が戦場に行くよう、背中を押さなければならない。ウクライナ側は、そうした将官をほぼ2日に1人ほど見つけ出し、せん滅しています」
アメリカのシンクタンクは、マリウポリの中心部までロシア軍が侵攻していて、「今後、数週間で街全体を占拠する可能性が高い」と分析しています。
マクシム・ゾリン司令官：「もう街には（守るほどの）価値がないでしょう。なぜなら、完全に破壊されていますから。しかし、きっと日本人はよく分かるはずです。私たちにとって、この街は建物だけでも、インフラだけでもない。私たちの祖国なのです。最期まで戦います」
■ロシア軍 ウクライナ兵訓練施設を空爆
対するロシア軍。国防省が25日、ウクライナ軍の施設を空爆するまでの映像を公開しました。
ミサイル発射装置を起動させる兵士。ミサイルが車両の荷台部分に配置されると・・・。
ロシア軍が空爆するのは、ウクライナ軍外国人義勇兵の訓練施設。地上を歩く兵士や軍用車両、建物に十字の照準が当てられます。
その後、画面はモノクロに・・・。ミサイルが着弾。爆発する様子が映し出されています。
■ロシア地方議員「戦争反対」批判も・・・
ロシア軍の攻撃が激化するなか、ロシア国内では、反戦の動きがあります。
ロシアの地方議員 ニーナ・ベリャーエワ氏：「私は、プーチン大統領の決定に反対であり、ウクライナで行われている行動に反対です。起こっていることは、戦争犯罪です」
議会でプーチン大統領を批判したのは、ウクライナと国境を接する州の地方議員です。
ニーナ・ベリャーエワ氏：「あなたたちが知っている情報は、間違ってる。私たちの国は侵略されなかった」「（関係ない）関係あるよ」「（明日にも侵略されるよ）明日も侵略されない。ナチスは存在しないわ」
（「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年3月28日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
